市場の過剰反応か?米雇用統計後の円高・株安の背景とは【明快!テクニカルレビュー】
動画配信期間:2024/09/09~2024/12/09
大手銀行で為替・債券・スワップ市場のチーフディーラーとして活躍した経験を持つ百戦錬磨のプロトレーダー、井上義教氏が、毎週掲載される「FX ウィークリーテクニカルレポート」のレビューを明快に解説いたします!
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:28 米雇用統計の影響と市場反応
1:30 米金利とドル円相場の動向
2:41 対円通貨ペアの動向(ドル・ユーロ・ポンド・豪ドル)
4:24 対ドル通貨ペアの動向(ユーロ・ポンド・豪ドル)
5:38 CFD市場:原油の動向
6:09 おわりに
6:52 【PR】口座開設特別キャンペーン
動画の要約・まとめ
米雇用統計の影響と市場反応
雇用統計の数字自体は過大反応するほどのものではないように思われましたが、市場は円高方向に動きました。ドルの金利低下にもかかわらず、予想に反してドル安には動かず、株式市場も大きく売られる展開となりました。日経平均株価も1,200円安となり、懸念が広がっています。
しかし、現在の状況はブラックマンデーやリーマンショック時のような金融システムの危機とは異なります。金融システムそのものの存在が否定されるような状況からは遠いと考えられます。
米金利とドル円相場の動向
ドル円相場は8月5日の安値に近づいていますが、アメリカの金利低下の織り込みほどには円高が進んでいません。これは、実際の金利低下が市場の織り込みほど大きくならない可能性を示唆しているかもしれません。
対円通貨ペアの動向
1. ドル円:下落傾向が強まっています。
2. ユーロ円:ドル円ほどではないものの、下落傾向にあります。
3. ポンド円・豪ドル円:他の通貨ペアと比較して、やや堅調な動きを見せています。
対ドル通貨ペアの動向
ユーロドル、ポンドドル、豪ドル米ドルともに下落傾向にありますが、対円通貨ほどの大きな動きは見られません。
CFD市場:原油の動向
原油価格も下落傾向にあり、チャート分析からは売りが優勢な状況が続いています。
今後の投資戦略
現在の市場環境では、新規ポジションは売り選好とし、根拠のない押し目買いは避けるべきです。戻りを見極めて売りを入れていく戦略が有効かもしれません。ただし、市場の変動が大きいため、リスク管理には十分注意が必要です。
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「FX ウィークリーテクニカルレポート」
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井上義教 氏
株式会社チャートリーディング 代表取締役 昭和39年東京都生まれ。 昭和63年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行、平成3年よりロンドンの証券現法にてディーリング業務に従事。 平成15年に退社するまで為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括。 平成28年 株式会社チャートリーディング設立とともに代表取締役に就任。
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ドル円は売り選好 下落圧力がかかりやすい状況押し目買いは危険 2024
経済指標が予想より良い結果だったり、金利上昇など相場が上昇する要因のことを好材料と呼びます。反対に、相場が下落する要因を悪材料と呼びます。
相場が上がりそうで上がらない状況のことを上値が重いと言います。あるポイントまでは上昇するものの、そこで押し戻される、という動きが続きます。通貨の価格が下落したものの、それ以上は下げ渋り、下がらない状態が続くことを底堅いと言います。相場の底が堅くなると、徐々に上昇基調へとトレンドが転換します。例えばドル円の場合、100円ちょうどや100円50銭などのキリのいい価格の時に発生することが多いです。
このタイミングを捉えて、日本政府は「円押し上げ介入」を実施した可能性が高いとみられる。短期間のうちに1ドル161円台後半から157円台まで4円以上もドル円レートが動くのは、通常の取引では考えられず、政府による為替介入が強く疑われる状況だ(コラム「米国6月CPIの下振れで金融市場はFRBの9月利下げをほぼ確信:日本政府は円押し上げ介入を実施」、2024年7月12日)。3兆円程度のドル売り円買い介入が行われた、との観測もある。
通貨を交換するときの、他国の通貨との交換比率のこと。ニュースなどで「1ドル=100円」のように報道された場合は「1ドルは100円と交換できる」という意味です。2wayプライスとは、FX取引で価格を提示する際に、売値と買値の2つを同時に表示すること。ビッド(Bid)とは価格を提示する側(楽天証券)の売値で、提示された方はその価格で売り注文をすることができます。アスク(Ask)は価格を提示する側(楽天証券)の買値で、提示された側はその価格で買い注文をすることができます。金融や経済が混乱するリスクが高まった時に買われやすい通貨のこと。日本円やスイスフラン、米ドルやユーロが安全通貨と言われています。
ドル高円安が緩やかに修正されていくことは、個人消費を中心に日本経済にはプラスだ。しかし、FRBの急速な利上げによって進んだ大幅なドル高が本格的に修正される場合、緩やかな修正になるとは限らない。
為替介入の効果が徐々に剥落する中、ドル円レートが再び1ドル160円台に乗せる可能性は十分に考えられるが、165円に到達する可能性はかなり低下したと見ておきたい。1ドル110円~115円から始まった歴史的な円安は、1ドル160円~165円までの約50円の幅で終焉するものと予想される。
これまで下落してきた相場が値上がりに転じることを反発と呼びます。反対にこれまで上昇してきた相場が下落に転じることを反落と呼びます。
2つ目は、白井ほか(2023)で指摘した2024年のトップリスクが発現する場合である(図表10)。経済政策不確実性指数4について、ドルや円との相関係数をみると、円とはほぼ無相関である一方、ドルとは一定程度の相関関係がある(図表9)。地政学リスクをはじめ、政治不透明感が高まる場面では、円よりドルの方が選好されやすい傾向がある。特に、台湾情勢、中東情勢、BRICs経済不安定化、中国不動産市況・金融不安といったリスクが顕在化する局面では、「有事のドル買い」圧力が高まる可能性があるだろう5。
エネルギーや鉱物などの資源を主な輸出品としている国の通貨のこと。メジャー通貨ではオーストラリアドルやカナダドルが資源国通貨にあたります。南アフリカランドやノルウェー・クローネといったマイナー通貨も資源を主な輸出品としているため、これに該当します。
相場が徐々に上昇する傾向にあり、上げ基調が続いている状態を堅調と呼びます。反対に、相場が下落基調にあり、崩れやすい状態を軟調と呼びます。
世界規模で金融や経済が混乱するリスクが高まった時に買われやすい通貨のこと。日本円やスイスフラン、米ドルやユーロが安全通貨と言われています。
原油価格も下落傾向にあり、チャート分析からは売りが優勢な状況が続いています。
FX取引で交換する通貨と通貨の組み合わせのこと。代表的なものには、ドル円、ユーロドルなどがあります。
その場合、急速な円高が日本のグローバル企業の収益を悪化させ、また日本の株価の大幅な下落を通じて、日本経済を悪化させてしまうリスクもある。
FXとは、2つの異なる国の通貨を買ったり売ったりしながら利益を出す取引のこと。正式名称は「外国為替証拠金取引」。例えば、1ドル=100円で購入し、120円のときに売れば20円分の利益が出ます。また、売りからも取引ができるのがFXの特徴です。
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