2024/9/8(日) 今週の見立て

2024/9/8(日)　今週の見立て

今週の見立てです。まずは先週の情勢把握から。ここは主にファンダメンタルズに当たるところですね。基本的にテクニカル分析でトレードする分には不要なんですが、マーケットがいまどの通貨に注目しているかある程度読めるので、確認しておくと２８通貨からどの通貨をトレードするか、「間口を絞り込む」際には、作業がだいぶ楽になります。僕は見立てを始める前に確認するようにしています。あとは、「通貨強弱」もいわゆるテクニカル分析の外側で、ここも通貨の間口を絞るルーティンとしてみるようにしています。

大事なのは、あくまでも最終的な決定をするのは、「テクニカル分析」だということです。ファンダメンタルズや強弱は、「露払い」くらいの位置づけで、なくても特に困りません。優先順位を間違えないようにしてくださいね。もちろん、勉強はテクニカルに集中してください。ここのまとめは、テクニカル分析をメインで勉強する人が、情勢を簡単に把握できるように、ざっとまとめているものだと思ってもらえればです。

■先週の情勢把握と今週のまとめ・先週通しての通貨強弱

(1) ドルストレート

まず、ここしばらくの米ドルの焦点は、「9/18のFOMCでの利下げ幅が0.25%か大きめの0.5%か」。

先月は、0.5%下げだろうとの思惑が広がり、ドル安が進みましたが、現在は0.25％の見方に後退。「織り込みすぎ」た利下げを巻き戻す形で、ドル高方向に調整が入っているところです（週足を見ると分かりやすいですね）。

この流れで、先週は雇用統計が注目されていました。サプライズで非常に悪ければ、大幅利下げ(0.5)で「ドル安方向への反転の契機」。それ以外だと「方向感が出ない」だろうな、という感じ。

①雇用統計の結果

結果は、サプライズというほどには悪くなく、「利下げ幅の決定の決め手にはならない」結果でした。「方向感出ないよね」ですね笑　非農業部門雇用者数は、予想の16.5万人を下回る14.2万人増。6、7月分も下方修正。ただし失業率は前月4.3％から4.2％に改善。

②雇用統計を受けてのドルストレートの動き

この結果、ドルストレートは方向感のない動き。テクニカル的にも、方向感の揃わないチャートになっており、ドルストレートは「動意がない」状況ですね。

今週発表のCPIなどでサプライズがなければ9月FOMCは0.25になりそうですね。

(2) 通貨強弱とリスクオフ

雇用統計があまりいい数字ではなかったこともあり、米景気減速の懸念が高まり、米株式市場は続落、為替にもリスクオフの動きが表れてきています。

先週通しての通貨強弱はうちのブローカーだとこんな感じ。リスク回避の円、スイスが強く、リスク通貨の資源国（特にオセアニア）が弱い。

JPY>>CHF>EUR>GBP=USD>CAD>NZD=AUD

ということで、今週はクロスの絞り込みでは、オージークロス、ニュージークロス、クロススイス、クロス円といったところを見ていきました。

(3) 日本円

米雇用統計がやや悪かったことと、日銀の今後の金融正常化（利上げ）が意識されて円高。リスクオフの動きの影響もありそうです。

ここまでの円安を引っ張っていたのは、円で資金を借りて高金利の国で資産運用して差益を得る「円キャリー」トレードですが、８月の円高でその７割以上が消えた、と言われています。キャリー勢は心を折られた状況で、今後の日銀の利上げも重なるので、もとの円安基調には、戻るにしても、それなりに時間がかかりそうです。月足サポートで反転のアクションがはっきりしてくるまでは、円高よりで見ています。

(4) 今後の焦点となるイベント

9月はいくつか大きな焦点になるイベントが控えています。今週は米国CPI。ドルストレートの現状を見ると、大きな動意を作るきっかけになるかは疑問ですが、注意はしておこうと思います。その他、9月第3週に、FOMC, 日銀政策決定会合。

9/11(水) 21:30 米国 8月消費者物価指数(CPI)

9/12(木) 21:15 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利

21:45 ユーロラガルドECB総裁会見

■今週主に見ていく通貨

今週ですが、雇用統計を受けてのリスクオフの流れが分かりやすいですね。CHF, JPYが強く、AUD、NZDが弱い。この中で、主に見るのは、

・クロススイスを中心に見ていきます。AUDCHFが候補１番手。

・デイトレではオージークロスを見ていこうと思います。

AUDCHF
週足日足が坊主の大陰線でひけており、下落中ですね。日足で中途半端な位置から折り返しの矢印が記入してあるのは、４時間の戻しのケースです。