為替市場と株式市場の最新動向分析:円高傾向と日経平均の底打ち兆候【外為マーケットビュー】
動画配信期間:2024/9/10~2024/9/24
※原則隔週の配信となります。次回配信は9月24日(予定)
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の要約
先週の市場動向とアメリカ経済指標の影響
昨日の海外市場は、重要な経済指標の発表がなく、先週末の急落から自律反発の動きが見られました。過度なリスク回避の動きが後退し、ドル円は買い戻される展開となりました。
明日12日にアメリカのCPI発表が控えており、市場の焦点となっています。予想ではインフレ率が緩やかに低下する傾向が続くと見られています。また、翌日のECB理事会も注目されています。
ドル円相場の分析
ドル円は短期的に144円台を回復する必要があり、145円10-20銭の抵抗線を超えない限り、底打ち反転の流れには入りにくい状況です。中期的には137-138円台がサポートラインとなっています。
ユーロ円相場の動向
ユーロ円も下落リスクが高まっており、157円70-80銭のサポートラインが注目されています。161円台の抵抗線を超えない限り、戻り売りの流れは変わらない見通しです。
ユーロドルの分析
ユーロドルは1.12台が重要な抵抗線となっています。1.10台を維持できるかが当面の焦点で、1.08付近まで調整される可能性もあります。中期的には上昇トレンドが続いていますが、短期的には上値の重さが見られます。
豪ドル円の状況
豪ドル円は94-93.70円付近に強いサポートがありますが、急伸には繋がりにくい状況です。98円台が重要な上値抵抗となっています。
ドルインデックス
ドルインデックスは101.60-102.00のサポートラインが強く、短期的な反発の可能性があります。これに伴い、ユーロドルも調整される可能性があります。
日経平均株価の分析
日経平均は3万5200円台でサポートを確認し、底打ちの兆候が見られます。しかし、3万7000円台半ばを超えない限り、本格的な上昇は難しい状況です。3万4000円台まで下落する可能性も考慮する必要があります。
以上の分析から、為替市場は円高傾向が続く中、各通貨ペアの重要なサポートラインとレジスタンスラインに注目が集まっています。株式市場も不安定な状況が続いており、今週の経済指標の結果が今後の市場動向を大きく左右する可能性があります。
目次
00:00 今回のダイジェスト
00:45 先週の市場動向と米経済指標の影響
02:16 ドル円分析
07:42 ユーロ円分析
13:43 ユーロドル分析
15:35 豪ドル円分析
21:24 ドルインデックス
23:20 【CFD】日経225分析
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川合美智子氏
外国為替ストラテジスト
旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より、テクニカル分析の第一人者、若林栄四氏の下でテクニカル分析を研究、習得する。同行退職後、1998年まで在日米銀などでカスタマー・ディーラーや外国為替ストラテジスト、資金為替部長を歴任。現在は外国為替ストラテジストとして、テクニカル分析に基づく為替相場レポートを発信中。各種メディアへの出演も多数。
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本日のドル円は142円〜144円50銭程度を予想します
市場介入のタイミングを早めたのは日銀の決定会合の結果と、その後の黒田総裁の会見も挙げられそうです。午後3時半から始まった会見で総裁は、一方的な円安に懸念を示しながらも「金融緩和を当面続けることは全く変わらない」と述べると、ドル円は徐々に上昇し、さらに「金利を引き上げることはない」と述べると、ドル円は145円90銭までドル高が進みました。総裁が金融政策に変更がないことを口にするたびに、円が売られる展開でした。このままでは146円台に乗せ、ドルがさらに上昇すると見られたこのタイミングで、24年ぶりとなる市場介入が実施されたことになります。
ドル円の流れは構造的な部分にあって、ドル高傾向は簡単には変わらないと考えます。日米金融当局の金融政策に伴う「金利差」と、日本の常態化した「貿易赤字」から、ドルが買われ円が売られる構図に変化がない限り、人為的に円高にする以外にはなかなか円が買われる状況にはなりにくいのではないでしょうか。円はかつて「有事の円買い」などとも称されましたが、今回のロシアによるウクライナ侵攻でも円が買われる局面はほとんどありませんでした。最近では「有事のドル買い」といった言葉さえ目にします。今回のウクライナ情勢では、エネルギー価格の急激な上昇から「エネルギーに弱い日本」が意識された面さえあります。今後の焦点は、「145円台が介入のメド」ともみられるため、ドル円が再び買われこのレベルに届いた時、再度介入が見られるのかどうかといった点です。また、米国の今回の日本の単独介入に対する認識も重要になるとみています。
今考えると、それらしい動きもあったように思います。22日(木)の昼前、それまでやや「壁」となっていた「145円」が抜け、145円33銭までドルが買われ、「いよいよ145円を突破し、上昇に勢いがつくのか」と考えていた矢先、ドル円がわずか10分程度の間に143円30銭前後まで急落した場面です。通常、このような動きは余程の材料がない限り考えにくく、懸命にその材料を探しましたが、見当たりませんでした。想像するに、恐らく何らかの介入の動きや打診のようなものが本邦銀行を通じてあった可能性が高いとみられます。その動きを察知したAIが自動的に発動されたのではないかと思います。財務省の神田財務官のコメントがあったのも午後で、一部邦銀に介入の意思が伝えられたか、漏れた可能性がありそうです。財務官はその後の会見で、介入はまだやっていないとする一方、「ステルスでやる場合も正直ある」と述べ、「必要な時は必ずやることになる」とも強調し、さらに今すぐにでも対応できる状況かとの問いには「そうです」と答えていました。明らかにこれまでの口調とは異なっています。
本日のドル円は142円〜144円50銭程度を予想します。
「仮に市場介入があれば、3〜5円程度円高方向に振れる可能性がある」と予想していましたが、ドル円は140円台までは押し下げられ、その後は神経質に上下を繰り替えし先週末のNYでは143円台半ばまで押し戻されています。日銀は円安を懸念しながらも、円が売られ易い状況を作り出す一方、財務省は円買いドル売りの介入を行うといった、一般投資家からみれば「ややちぐはぐな行動」にも思えるのではないでしょうか。今後ドル円が再び145円台を回復し、再び介入を引き出す展開になったとしても、「その効果は徐々に薄れる」と筆者は予想しています。筆者も現役の頃介入局面には何度も遭遇していますが、その経験からも、介入は繰り返せば繰り返すほどその効果は低減していきます。もっとも、当時は急激な円高が進んでいた時で、今回とは異なり「ドル買い円売り介入」でしたが。
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