地方スーパー跡地 ローソン出店増
また、品揃えの戦略においてもセイコーマートではセブンイレブンと異なり、長期的なビジョンから、将来的な購買トレンドをいち早くキャッチできるように「あえてムダを排除しない」戦略をとっています。80%を占める売れ筋以外の商品を大きな収益源とする「ロングテールの法則」にしたがった戦略と見ることもできます。売れ筋だけを残すということは、少数派の需要を切り捨てるということです。それは、幅広い顧客層をターゲットにせざるを得ないという立地とも関わりがあるはずです。また、新規顧客獲得費用と顧客維持費用を比較した場合、現有顧客を維持するほうが経営上効果的という「関係の経済性」があります。商圏のすべての顧客を常連にしようとする徹底した顧客指向は、地方において経験的に導き出された合理的な戦略です。
ココストアウエスト(九州を基盤とするローカルチェーンで2015年12月1日ファミリーマートに合併)のエブリワンでは米飯とパンの店内調理を採用しています。弁当類や惣菜の量り売りを強化しており、単身者や高齢者の適量購入の需要を取り込んでいます。品揃えは主菜や副菜、サラダ、ご飯、麺類など24アイテムを揃えています。パスタは乾麺からゆであげ、季節のご飯も揃えるものです。インストアベーカリーでは「クロワッサンメロンパン」がヒットしました。新商品は通常、1店舗あたり20個程度の販売水準ですが、同商品は100個をクリアしたとのことです。まとめ買いの提案を含めて客単価アップの効果をもたらしました。
コンビニエンス・ストア1店舗あたりの人口をみると、東京都が最も少なく1,882人です。続いて北海道の1,943人、山梨県の2,107人、宮城県の2,145人となっています。東京都の競争が最も激しいですが、昼間の流入人口を考慮すれば北海道などの地方がコンビニエンス・ストア同士の競争がより激しいといえます。一般に地方のコンビニエンス・ストアの方が都市部より商圏が広い傾向にあり、場合によっては数キロ離れた店舗が競合店となり得ます。その意味では、コンビニエンス・ストア同士の競争に加えて他業種との厳しい競争にも直面しています。
大手チェーンもこのようなポイントを意識した商品開発がみられます。ローカルチェーンの大手チェーンができない差別化戦略としては、店内調理が挙げられます。多様化したニーズに対応して店内調理を導入する動きが見られます。米飯商品やインストアベーカリーなどがそれです。
地方の人口減少や高齢化に伴い、市場の縮小や買い物困難者の増加が予想され、すでに顕在化しつつあります。商圏の需要が縮小してそれをさまざまな小売業で取り合う構図となり、より多くの需要を取り込む必要がある地方の大型商業施設は成立自体が難しくなる可能性が高いと言えます。したがって、売り場面積の大きい食品スーパーや大型店の方がより厳しい条件に直面するということになります。
高齢者や女性はかつてから、薄利多売を商売の基礎とする食品スーパーやGMSを利用していたため、価格に敏感な傾向があります。その面でローコストによる低価格は重要な要因となります。固定費の大きい大手チェーンはバイイングパワーによる価格政策には限界があります。ローコストによる低価格はローカルチェーンにとっての差別化要因となり、重要な戦略となり得ます。
コンビニエンス・ストアは、経済・社会的な環境の変化に対応する形でその役割を変えてきました。人口・世帯変化、生活者の価値観の変化などは、コンビニエンス・ストアの役割を大きく変える要因です。なかでも、首都圏と地方部の人口格差がもたらすコンビニエンス・ストアへの影響は無視できません。
高齢社会の到来や女性の社会進出の変化、立地の利便性はコンビニエンス・ストアチェーンにとって等しく与えられる条件です。したがって、地方などに展開するローカルチェーンは大手チェーン(全国展開)に対して高齢者や女性の需要に対応した商品やサービスを提供していく必要があります。
都市と地方の人口格差をみてきましたが、コンビニエンス・ストアの日販水準も格差が存在します。下表は経済産業省の「商業動態統計調査」から経済産業局別の日販(年間売上高と店舗数から単純計算)と既存店の前年増減率を表しています。全国平均に対する各経済局の日販比率は、約20ポイントの開きがあります。最も高いのは首都圏を擁する関東で、通年で109%台です。これに対して最も低い四国は89%台にとどまっています。金額にして10万円強の格差です。
つまり、売り上げとコストの観点からいえば地方都市の店舗では、広範囲からの需要を集めるか、少ない売り上げでも経営を成り立たせるために効率化(ローコスト経営)を図るかのいずれかが求められることになります。
ローソンは6月13日~7月10日、創業48周年を記念して「感謝還元チャレンジ創業祭」を開催する。値段はそのままに増量した「お買得商品」、CM出演タレントによる「監修商品」のほか、「具材にこだわった商品」や「復刻商品」など、特別仕様の記念商品21品を順次発売していく。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社のシェアは現状約79%ですが、今年9月からはサークルKサンクスがファミリーマートと合併することから大手3社のシェアは約88%と9割近くを占めることになります。業界再編により一層、大手チェーンによる寡占化が進むことになります。
北海道札幌市から南東約70キロにある北海道勇払郡厚真町(あつまちょう)上厚真地域。最寄り駅のJR浜厚真駅から5キロ以上離れ、バスも1日4本程度しか走らない。過疎化が進むこの地に今年4月、ローソン上厚真店がオープンした。
6月20日から中国・四国地方の店舗で、徳島県の人気ラーメン店「徳島ラーメン 奥屋」とコラボレーションした「奥屋監修 徳島ラーメン」(税込646円)と「奥屋監修 豚バラ丼」(同459円)を発売する。同店の看板メニュー「徳島ラーメン」は、じっくり煮込んだ濃厚でまろやかな味わいのスープが特徴だ。
コンビニエンス・ストア大手チェーンは首都圏、及び、全国に展開しているものの、店舗のパッケージにほとんど差はありません。チェーン展開という硬直的な側面は、首都圏と地方の違いに対応しきれているか疑問です。そこで地方に目を向けてコンビニエンス・ストアの果たす役割について検証してみます。
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