◆豪ドル、重要イベントが相次ぐ
◆豪ドル、RBAの利下げ転換は来年以降との予想が中心
◆ZAR、SARBは約4年ぶりの利下げを決定
予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 7.90-8.50円
9月23日週の展望
豪ドルは下値の堅い動きとなりそうだ。来週は豪州から24日に豪準備銀行(RBA)理事会、25日に8月消費者物価指数(CPI)と重要イベントが相次ぐ。日米の金融政策を一通りこなしたことで、再び豪州の金融政策に焦点が当たることになりそうだ。
注目のRBA理事会だが、政策金利は現行の4.35%で据え置かれる見込みだ。チャーマーズ豪財務相などからRBAの金融引き締め姿勢に対する非難の声が伝わっているものの、ブロックRBA総裁はタカ派的な姿勢を崩しておらず、利下げは時期尚早との見方を維持している。今回の声明文もハト派的な内容になる可能性は低いだろう。
市場では一部金融機関がRBAの利下げ開始予想時期を前倒ししたものの、それでも利下げ開始は早くても来年2月との予想になっており、今週利下げに踏み切った米国など他の主要国と比較すると、RBAの政策転換は半年程度遅れる見込み。短期的には対米金利差縮小への思惑が意識されやすく、対ドルを中心に豪ドル相場の支えとなるだろう。
また、25日公表の8月CPIにも注意が必要となる。RBAはインフレの上振れリスクに強い警戒感を示し、「インフレが合理的な期間内に目標(2-3%)に戻らないリスクが高まっている」との認識を示しているため、今回のCPIでインフレ鈍化基調が確認できない場合、RBAのタカ派姿勢が一層強まる可能性もありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い動きが予想される。南アフリカ準備銀行(SARB)は19日に開催した金融政策決定委員会で0.25%の利下げを決定。約4年ぶりとなる金融緩和へ舵を切った。SARBはインフレ見通しに関して「2026年までインフレ目標レンジ(3-6%)の中央値である4.5%を下回る水準に抑えられる」としており、金利予想について「来年は中立に向かって動き、7%をわずかに上回る水準で安定すると見込む」と述べている。
インフレ抑制が持続するとの予想や、SARBが穏やかな金融緩和姿勢を示していることは、これまでインフレ高止まりと景気低迷が続いていた南アフリカにとってポジティブな材料。ZAR相場にとっても買い材料として受け止められそうだ。来週は26日に8月卸売物価指数(PPI)の公表が控えているが、今週発表された8月CPIと同じくインフレの鈍化傾向が確認できるか注目しておきたい。
9月16日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円でともに堅調推移。週明けから底堅く推移していたが、米連邦準備理事会(FRB)が予想外の大幅利下げを決定すると対ドルで豪ドルが上昇。また、米利下げ後に世界的に株高基調が強まり、対円でも株高を手掛かりにした買いが入った。豪ドル円は一時97.88円と3日以来の高値を更新した。ZARも同じく堅調な展開となった。対ドルでは一時17.39ZAR台と昨年2月以来のZAR高水準を記録。対円でも8.2円台まで上値を伸ばした。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 週間為替展望 豪ドル
豪準備銀行(RBA)のインフレ目標(2-3%)からはますます遠ざかる格好となり、市場では8月5-6日に開催される次回理事会での利上げ思惑も台頭。RBAは昨年11月の利上げを最後に、金利据え置きを続けており、次の一手は利下げと予想されていたが、主要国の中でも数少ない再利上げ方針へと転換する可能性が出てきた。利下げへと舵を切る中銀が増え始めるなかで、RBAの再利上げに対する思惑が高まりは、今後の豪ドルの下値を支えることになるだろう。
豪ドルは5月CPIが予想を大きく上回ったことを契機に対ドル・対円でともに買いが優勢に。対円では2007年以来の豪ドル高水準を更新した。
豪ドルは底堅い展開が予想される。今週発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%の上昇となり、市場予想の3.8%上昇を上回る結果となった。これで3カ月連続でのインフレ加速となったほか、変動の激しい項目を除くトリム平均も前年比4.4%の上昇と前月の4.1%から加速した。
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