ドル円 FOMCで大幅利下げ決定もドル買い強まる
今週初めのドル円は、米FRBの大幅利下げ観測が意識される中、140円台後半でスタートしました。
FRBが米FOMCで大幅な利下げを行う可能性があるとの見方が強まる中、ドル円は16日(月)に一時昨年7月以来の安値となる139円台後半まで下落しました。その後、米長期金利の上昇や米9月ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことを支えにドルが買い戻され、140円台後半へと持ち直しました。
17日(火)は一時失速したものの、米8月小売売上高が予想を上回ったことでドル買いが強まり、ドル円は18日(水)早朝にかけて142.47円前後まで上昇しました。
19日(木)未明に米FOMCで0.50%の大幅な利下げが決定されたことが伝わると140.43円前後まで下落しましたが、パウエルFRB議長が会見で「今後も会合ごとに判断していく」「これが新しい利下げのペースだと考えるべきではない」と発言したことを受けてドルが買い戻され、19日午前には一時144円手前まで上値を伸ばしました。
20日(金)午前は日銀会合を控えて失速し、正午過ぎに日銀会合で政策金利の据え置きが決定されたことが伝わると、ドル円は一時141円台後半へと下落しました。
今週のドル円は米FOMC後に一時144円手前まで上昇する展開となりました。FOMCでは0.50%の大幅な利下げが決定されたものの、パウエルFRB議長の会見からFRBは今後の大幅な利下げには慎重と受け止められ、ドル買いが強まりました。
パウエル議長は今後の金融政策についてデータ次第だと強調しており、4年半ぶりの利下げを決定したFRBが年内残り2回の会合でどのような舵取りを行っていくのか、米指標を通して見極めたいとの思惑が広がっています。
来週は米8月個人消費支出(PCE)などの重要イベントが予定されています。FRBも重視するとされる米PCEでこのところ目立つインフレ率の低下傾向があらためて示された場合はドル売り圧力が強まることが予想され、相場変動に警戒が必要となります。
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ドル円相場9 16週振り返り FOMCで大幅利下げ決定もドル買い強まる
米国の10年国債利回り(長期金利)は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で参加者の政策金利見通し(ドットチャート)がタカ派的だったため、FRBが高水準の政策金利をより長く維持するとの観測が強まり、16年ぶりの水準に上昇しました。ドイツの長期金利は、ECBによる金融引き締め局面が長引くとの観測から12年ぶりの上昇しました。日本の長期金利は、日銀による早期の緩和修正観測から10年ぶり水準に上昇しました。
米国の長期金利低下は日米金利差縮小につながる円高要因だ。LSEGによると、日米の長期金利差は17日の終値時点で2.816%ポイント。4月25日の3.811%ポイントからやはり1%ポイント程度、小さくなっている。日米金利差縮小は、日本の長期金利が0.8%台で安定的に推移していることも理由のひとつ。日銀は3月19日に大規模金融緩和を終え、7月31日に政策金利を0.25%に上げた。植田和男総裁らは、経済や物価が見通しどおりに進めば、今後も利上げを検討するとの情報発信を繰り返している。
そしてドル円は現在、これら重要なテクニカルラインの攻防にある。ドル円がこれらのライン(特にトレンドライン)を下方ブレイクする場合は、さらに米ドル安・円高が進行するシグナルとなろう。
このため、今後の追加利上げ見通しなどに注目しながら、米ドル/円の値動きを荒いものにする可能性もあります。
そのうえで、2025年末のFFレートの予想中心値が、6月時点の4.1%からどこまでの下方修正が実施されるかも注目されるところです。米ドル/円は7月頃から、金融政策を反映する日米2年債利回り差との相関関係が復活しています(図表5参照)。
円の対米ドルレートは、米長期金利が大幅に上昇し、日米金利差の拡大を背景とした円売り・ドル買いが強まったことから続落し、149円台で終了しました。
しかし、9月のFOMCを前にドル円が139円台へ下落した状況を考えるならば、138円すら単なる通過点の一つとして下方ブレイクする可能性が高まってきた。
パウエル議長率いるFOMCが実際に利下げ転換を余儀なくされるか否かは、もはやインフレ動向や雇用、景気動向だけでなく、米銀破綻連鎖に伴う金融安定のリスク増大に掛かっていることは、間違いなさそうです。
●円の対米ドルレートは、日米の金利差から当面弱含むものの、FRBの利上げが最終段階に入りつつあるとみられることから、もみ合う展開を予想します。先行きは米国の景気とインフレが鈍化するため、FRBによる利下げが意識され、円が小幅に上昇すると想定しています。
”ハト派のFOMC”と”タカ派の日銀会合”が重なれば、ドル円(USD/JPY)は上で述べたとおり138円すら通過点の一つに過ぎない、とばかりに米ドル安・円高が進行する可能性がある。
リスクは、FOMCを受けて米金利が上昇に転じた場合、米ドル/円「下がり過ぎ」、円「買われ過ぎ」の反動に注意する必要が出てくるでしょう。そうなると、9月に入ってから続いてきた米ドル高・円安への戻りの鈍い流れが変わるかが注目されます。
その理由はなぜか。ひとつに、過去2カ月分の下方修正を経て、民間就業者数の過去3カ月平均は18.2万人増と2021年1月以来の低水準だった事実が挙げられます。明らかに雇用は減速しつつあり、加えて3月以降、3行の米銀破綻を受け規制強化観測を踏まえ融資基準がさらに厳格化したと想定され、米景気を下押ししかねません。これば、5月FOMCでも指摘されていました。
NFPの内訳をみると、民間就労者数は前月比23.0万人増と市場予想の16.0万人増を上回った。前月の12.3万人増(18.9万人増から上方修正)を超え、28ヵ月連続で増加した。民間サービス業は19.7万人増、前月の14.0万人増(19.6万人増から下方修正)を上回った。
米4月雇用統計が堅調だったものの、FF先物市場では6月13~14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で据え置きの織り込み度が91.5%へ上昇しました。
―金利据え置きについて「(十分に制約的との文言を削除したが、5.0-5.25 %はその領域に達したか否か)それは今後、データなどを通じて協議されていく・・我々は5%もの利上げが許され、1年先インフレ期待を差し引いたとして実質金利は2%と、多くの人々が仮定する中立金利水準を大きく上回る。金融政策は制約的(tight)であり、信用引き締まりなどを含めれば(十分制約的水準に)から遠くない、あるいはそこに到達している可能性がある」⇒経済指標、データ次第で据え置きとなる可能性を示唆したが、6月FOMCでの据え置き方針を明示せず。
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