メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年9月27日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は3週間ぶり高値から反落
中国の金融緩和や不動産市場の下支えを好感してリスクオンの動きが強まる中でリラ買い・円売りが先行。週明け23日に4.18円台でスタートしたリラ/円は早々に4.20円台を回復し、4.22円台に上昇しました。24日にはエルドアン大統領が国連で演説を行い、イスラエルとイスラエルを支援する国を強く非難しましたが影響は限定的。25日には4.24円台へと続伸しました。27日には自民党総裁選挙を巡り、金融緩和志向が強い高市氏が優位との見方から円売りが強まる中で、今月4日以来の高値となる4.261円前後まで上昇しましたが、高市氏が決選投票で石破氏に敗れると円を買い戻す動きが活発化。16時過ぎには4.172円前後まで急落する場面もありました。結局、週初からの上昇をすべて吐き出してしまった格好です。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントは9月CPI
今週10月3日にトルコ9月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想は前年比+48.18%となっており、昨年7月以来の40%台に伸びが鈍化すると見られています。トルコ中銀は、インフレが鈍化基調にあることを踏まえ、今月19日の金融政策決定会合で声明から「引き締め」の文言を削除。タカ派姿勢を弱めました。ただし市場は、トルコ経済が正常化に向かいつつあることを示す中銀のスタンス修正として好意的に受け止めた模様で、リラは対円対ドルともにやや上昇しました。9月CPIについても、予想通りあるいは予想以上に伸びが鈍化すれば、市場が好感する形でリラが強含む可能性があります。一方、金融所得課税に前向きな石破自民党総裁の誕生で日本株の下落がどこまで進むかについては警戒しておく必要もあるでしょう。
来週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.100-4.300円
基調
方向感模索
来週の注目ポイント
☆10/3 トルコ9月CPI
・主要国株価、国際商品価格
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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トルコリラ 円 見通し
「中には一桁のところもあるので、もし今使っているFX口座のトルコリラ/円のスワップポイントがあまり有利でなければ、新たに口座を開設しても良いと思います」
次回のトルコ中央銀行の金融政策会合は6月22日の予定なので、まだ間があるが、例えば臨時会合で利上げを決定するという可能性もあるだろう。いずれにしても、再選したエルドアン政権で、本当に利上げに転換できるのか、そして、そうしたことを受けて、トルコリラ/円の90日MAかい離率がマイナス10%以上への拡大で下落一巡となるか。ここでも止まらなかった場合は、90日MAかい離率がマイナス30%以上へ拡大する「大暴落コース」が再現される可能性もあるだろう。
「そうですね。今からでも投資資金の一部をトルコリラ/円の買いポジションに回すのは、ありだと思います。というのも、実は今、JPモルガンやゴールドマン・サックス、シティといった大手金融機関もトルコ投資に前向きで、トルコへの純資金流入額はプラスになってきています」
トルコリラ円の9月17日は概ね4.18円から4.12円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.18円で前日終値の4.13円から0.05円の円安リラ高だった。
ちなみに、エルドアン大統領による政策変更などといった大きなニュースであれば、通常、FX会社が提供している一般的なニュースコンテンツからでも確認できる。トルコリラの取引だからと、トルコのマニアックな情報源を探し求めなくても大丈夫そうだ。志摩さん自身も日本国内の情勢と同じレベルで、トルコ国内の情勢を把握しているわけではないという。
スワップポイントでどれだけ稼げるかが、今回のトルコリラ/円トレード成功のカギでもあるので、口座選びは重要だ。資金とレバレッジの管理という点からも、長期トレードと短期トレードの口座を分けるのは賢明と言える。
トルコ中央銀行は19日の金融政策決定会合で、通貨トルコリラの安定とインフレ抑制のため、主要政策金利である1週間物レポ金利を高水準にある50%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。
2024年後半にかけては、エルドアン大統領およびトルコ中銀の金融政策運営に絡んだ相場が予想されます。トルコ中銀は2024年2月に新総裁が就任していますが、歴史的な高インフレを抑えるため、正常化路線の政策運営が継続されています。2024年6月の会合では、3会合連続で政策金利が50.0%に据え置かれ、今後の政策見通しについては、声明文にて「インフレ基調の大幅かつ持続的な低下に向け、引き締め姿勢を維持する」との考えを強調しています。中銀や経験値豊富なシムシュキ財務相の手腕による、正常化路線・原点回帰的な政策運営は、引き続きトルコリラの追い風となるでしょう。このほか、直近は緊急時に為替レートを安定させる外貨準備の増加や、大手格付け会社がトルコの格付け見通しを引き上げるなど、ポジティブな材料がみられ、海外からの資金流入を誘っています。また、日銀の金融政策運営や見通しも押さえておきたいです。2024年3月の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利解除とYCC撤廃が決定され、長らく続いた金融緩和路線から遂に脱却しました。今後は追加利上げを含む金融政策の動向を見極めていくことになりますが、”金利”に着目すればトルコと日本の金利差は健在でしょう。したがって、対円では両国の金利差による高いスワップポイントは投資先として大きな魅力であり、着実な経済成長の実現などの要因も踏まえ、市場におけるトルコリラ/円相場のさらなる回復に期待がかかります。一方で、トルコリラのリスク要因として、エルドアン大統領のスタンスや言動には注意を払いたいです。仮に金融政策の急転換や、中銀の独立性維持が危ぶまれるような事態となれば、リラ売り圧力が強まる可能性は否定できません。加えて、トルコは中東イスラム圏の玄関口であるため、地政学的なリスクを考慮する必要があるほか、トルコリラは主要通貨である米ドルやユーロに比べて流動性が低く、不安定な値動きとなる局面もみられます。したがって、トルコリラ/円の取引に際しては、余裕を持った資金管理の元で、安値更新の展開も考慮してストップを置きつつ、資源開発の開始などトルコ経済の将来性や、トルコ中銀の健全な政策運営に期待したいところです。
中銀は5月会合で、「トルコリラ建て金融資産に対する強い内需や外需に起因する過剰流動性を不胎化(吸収)する」としたが、今回の会合でも「流動性状況は注意深く監視され、引き続き、不胎化措置を効果的に実施する」とし、金利据え置きが長期化する一方で、その間のインフレ抑制のため、マクロプルーデンスな政策に移る方針を示している。
先週のトルコリラは、トルコ中央銀行が金融政策委員会にて、「タカ派」から「ややハト派」に転じたことから景気への安心感が意識されて、4.2円台まで上昇した。
「これから先が美味しい」なら、今から新たにスワップポイント狙いでトルコリラ/円の買いポジションを建てるのもあり、と考えて良いのだろうか。2023年の6月からポジションを保有している志摩さんから遅れること約1年だが、まだ間に合うのかどうかを知りたい。
確かに、輸入物価の高騰が、通貨安によってもたらされているだけに、逆効果になっています。となると逆に、中銀が政策金利を引き下げた方が、経済の回復期待となり、好循環を生むのかもしれません。これは個人的な見解ですが、2024年、今年の利上げの効果もあって、インフレの落ち着きが見えて、政策金利の引き下げが実現した場合の方が、トルコリラの買い戻しのチャンスを生むのかもしれません。
ザイFX!編集部が毎月調査している、各FX口座のトルコリラ/円のスワップポイントを確認すると、高いところで1万通貨あたり1日40円~50円くらいスワップポイントが付くことがわかる。
トルコリラは週明け早々に史上最安値を更新するも、米FOMCでの大幅利下げ決定や、トルコ中銀会合でのハト派な声明発表を背景に、週央以降持ち直す動きとなりました。
トルコリラ円の9月25日は概ね4.24円から4.18円の取引レンジ、26日早朝の終値は4.24円で前日終値の4.20円からは0.04円の円安リラ高だった。
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