中華店とラーメン店 倒産数なぜ差

中華店とラーメン店 倒産数なぜ差
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中華店とラーメン店 倒産数なぜ差

8月の企業倒産は29カ月ぶりに前年同月を下回った。資材や燃料代の上昇が激しかった運輸業や建設業など一部で価格転嫁が緩やかに進み、その効果がジワリと出た格好だ。だが、28カ月連続で倒産が増加したシワ寄せで「連鎖倒産」が過去10年で最多ペースを呼び込んでいることがわかった。

ラーメン店の倒産が過去最多ペースを辿るなか、中華料理店は対照的な動きをみせている。街中でよく見かけるラーメン店と中華料理店は、どちらも野菜や肉を使い、火力も必要で物価高の影響を大きく受けている。

日本経済新聞の「ラーメン・中華料理店業界 市場規模・動向や企業情報」によると、業界シェア上位3社の売上高が市場規模に占める割合はハンバーガーが92%、牛丼が88%と寡占なのに対し、ラーメン店は8%程度にとどまり、業態が乱立していることが読み取れるかと思います。

2023年のラーメン店の倒産(負債1,000万円以上)件数は、前年比で114.2%増となる45件となり、2009年以降では2013年の42件を超え、最多を記録したと報じられている。

このように倒産数こそここに来て多いという話はあるものの、依然として新規出店数も多いこともあって、人気としてはまったく衰えていない印象のラーメン。

いずれの業態も、原油価格高騰の影響を受けての食材価格や光熱費の高騰、さらに人手不足やそれによる人件費上昇などのコストアップが、資金繰りに暗い影を落とし、最終的には倒産に至るといったことが、その原因として取沙汰されているのだが、今回のラーメンもほぼ同様の状況といったところ。

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いっぽうで、今回報じられた調査では“負債1,000万円以上”の倒産が対象になっているのだが、それよりも少額の負債で、あえなくパンクしてしまうケースもあり得るわけで、実際のラーメン屋さんの倒産・閉店数はさらに桁違いに多いことも、当然考えられるところ。

TSRの倒産集計における業種分類は、総務省の日本産業標準分類に準拠している。ラーメン店も中華料理店も「中分類・飲食店」、「小分類・専門料理店」に属する。 ラーメン店は「主としてラーメンをその場所で飲食させる事業所」と定義され、ラーメン店や中華そば店が該当する。一方、中華料理店は「主として中華料理をその場所で飲食させる事業所」で、中華料理店や上海料理店、北京料理店などで、ぎょうざ店、ちゃんぽん店も含まれる。 2024年1-8月の倒産は、ラーメン店が44件(前年同期比57.1%増)で、2009年からの統計では同期間で最多だった2020年の31件を大幅に上回っている。 一方、中華料理店は7件(同36.3%減)で、コロナ禍の資金繰り支援で最少だった2022年の4件に次いで2番目の低水準にとどまる。

最近では、一時は出店ラッシュの活況ぶりだった唐揚げ専門にくわえ、コロナ禍においては勝ち組とされた焼肉店などが、揃って過去最高ペースの倒産数などと報じられるなど、苦境が続く飲食産業。

2009年以降の倒産動向をみると、ラーメン店は2013年に29件を記録した。その後、インバウンド(訪日外国人客)の来店増や、若い人を中心としたラーメンブームなどで2016年は16件まで減少した。 しかし、新規参入が相次いで熱い激戦市場になったことや、2020年はコロナ禍の休業要請などもあり、倒産は年間最多の31件に急増した。その後、ゼロゼロ融資など官民あげての資金繰り支援の効果もあり、2022年は8件まで減少した。

信用調査会社・東京商工リサーチの調査によれば、倒産したラーメン店の資本金は、「1千万円未満」が40件で、構成比88.8%と最も多く占める結果に。また従業員数別も「5人未満」が39件が最多となるなど、小・零細規模店の倒産が大半を占めるようである。

(株)王将フードサービス(TSR企業コード:641133189)の8月の月次売上高(直営全店)は88億7,300万円で、単月では創業以来、最高売上を更新している。 「日高屋」などを運営する(株)ハイデイ日高(TSR企業コード:310463149)の8月度の売上高速報(全店)も前年同月比11.7%増と好調だ。3月から8月までの2025年2月期上期計は前年同期比13.2%増で、客数も伸びている。 中華料理店チェーンの(株)浜木綿(TSR企業コード:400782928)の2024年7月期の売上高は57億7,400万円で、3期連続の増収を確保した。大手チェーンは軒並み好調を持続している。

ラーメン店の倒産が増えた要因は明白だ。ラーメン店は参入障壁が低く、ブームに乗じた出店も多い。また、味や提供レシピには流行もある。物価高で食材や光熱費が上昇しても、値上げは「1,000円の壁」を乗り越えるのは容易ではない。こうしたことから収益悪化で倒産に至るケースが多いのが特徴だ。 一方、中華料理店も置かれた環境は同じだ。

2023年、ラーメン店の倒産は前年比で大幅に増加しました。

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