石破ショック? 東京株下落の原因

石破ショック? 東京株下落の原因
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石破ショック 東京株下落の原因

円は石破氏の選出が決まる直前には1ドル=146円台前半で推移しており、3円超の円高・ドル安が進んだことになる。石破氏は円安に伴う物価上昇を問題視する姿勢を示していたこともあり、日銀の金融正常化路線が維持されるとの見方が円買いを促した面もある。

東京市場のドル/円は、142円を割り込む展開。序盤に142.90円台の高値を付ける場面もありましたが、日本株安が意識されて円買いに傾きました。午後には141.64円前後と18日以来となる水準へ下値を切り下げました。ただ、欧州市場に入ると、米長期金利が上昇したことなどから下げ止まると142.50円台まで切り返しています。今夜はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されています。市場では次回会合での利下げ幅が50bp(0.5%ポイント)になるとの見方がやや優勢となっており、今後の利下げペースを巡る発言に注目が集まります。ただし、今週金曜日に米9月雇用統計を控えているため、パウエル議長がデータ重視の姿勢をあらためて示すようなら、ドル/円の反応は限定的となるでしょう。他方で、本日は月末・四半期末にあたることから、リバランスなどの特殊フローによる不規則な値動きには注意が必要です。ドル/円をテクニカル分析で見ると、3本の移動平均線を下抜けてRSIが50ライン割れとなっていることから下落基調は継続していることが分かります。足元では141円台半ばで下げ渋っていますが、10・20日線が位置する143.00円付近を抵抗に上値の重い相場展開が続きそうです。

自民党・石破総裁誕生後の経済の動きですが、日経平均株価は大きく下落しました。その原因や今後の見通しについて、日本テレビ経済部、日銀・金融担当キャップの渡邊翔記者が解説します。

国内債券市場では、石破総裁の就任で日銀が利上げを続けやすくなったとの見方から利回りが上昇(債券価格は下落)している。長期金利の指標となる新発10年物国債は一時0.855%と、結果発表前の0.805%から急上昇した。金融政策の見通しを反映しやすい2年債は0.315%から0.37%に上がった。

石破氏は金融所得課税強化に言及したこともあり市場に警戒感が広がっていた。

「高市首相誕生」への期待が高まった市場では、9月26日時点から株高、円安の動きが始まり、27日にはドル円相場は1ドル=146円台までドル高円安が進んだ。日経平均株価も3万9829円と4万円一歩手前まで急伸。だが、石破首相誕生が報じられると、ドル円相場は一時142円台まで円高が進み、先物市場の日経平均は3万8000円を割りこんだ。

27日の東京外国為替市場で円が対ドルで急騰し、一時1ドル=142円台後半を付けた。同日実施した自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出された。市場では日銀の利上げ停止を求めていた高市早苗氏が勝利するとの思惑から事前に円売り・ドル買いの動きが膨らんでいたため、石破氏の勝利で巻き戻しの円買いが生じた。日経平均先物も夜間取引で2000円超急落した。

今週一番の注目ポイントは、自民党新総裁に選出された直後に日経平均先物価格が2,000円以上急落するなど、株式市場から徹底的に嫌われた感のある石破氏の発言や行動以外にないでしょう。

【注】金融所得課税の強化 株式の売買益や配当金などにかかる金融所得課税は、現在一律20.315%(復興特別所得税を含む)となっています。累進課税となっていないため、高所得者の恩恵が大きくなります。岸田文雄首相は、2021年の自民党総裁選で、格差是正の一環として、金融所得課税の見直しを公約に盛り込み、税率引き上げを目指していました。ところが、総裁選で勝った後に株価が下落したことに加え、多方面から反対が多かったことから、金融所得課税の強化は見送りました。石破氏は2日のテレビ出演で、この経緯に触れた上で、金融所得課税強化を「実行したい」と発言しました。

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