ドル円相場9/30週振り返り 首相発言受け円安加速

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ドル円相場9/30週振り返り 首相発言受け円安加速

ドル円 首相発言受け円安加速

今週初めのドル円は、先週末の自民党総裁選を受けての乱高下を経て142円台前半でスタートしました。

先週末、自民党の新総裁として利上げに肯定的とされる石破氏が選出されたことで、ドル円は142円台前半まで下落しました。週明けの30日(月)は日経平均株価が大きく下落する中で141円台後半まで下値を拡大しましたが、その後米長期金利の持ち直しとともにドルを買い戻す動きが強まりました。

さらにパウエルFRB議長があらためて利下げを急がない姿勢を示したことでドル買いが加速し、1日(火)には一時144円台半ばまで上昇しましたが、その後イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を受けて中東情勢をめぐる懸念が強まり、142円台後半へと下落しました。

2日(水)には石破首相が「現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言したことが伝わって円を売る動きが強まりました。さらに米9月ADP雇用統計が予想を上回る結果となったことでドル買いが強まり、3日(木)午前には一時147円台までドル高が進みました。

その後は146円台後半で揉み合いとなり、米9月ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことを受けて再び147円台に乗せる場面もあったものの、上昇の勢いは続かず4日(金)午後には一時146円を割り込んで下落しました。

今週のドル円は中東情勢をめぐる懸念から下落する場面もありつつ、石破首相が利上げに慎重な姿勢を示したことで大きく上昇し荒い動きとなりました。

来週は米FOMC議事要旨や米9月消費者物価指数(CPI)などの重要イベントが予定されています。市場で次回FOMCでの利下げ幅を見極めたいとの思惑が広がる中、来週の重要イベントを受けて米金融政策をめぐる見通しがどのように変化するか注目されます。

 

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ドル円相場9 30週振り返り 首相発言受け円安加速

世界各地のドル不足が明らかになり始めたのは20年末からです。日本も20年秋以降の貿易収支悪化を受けて、20年末から円安・ドル高が始まりました。日本もそこそこあった観光による外貨収入が消え、原発が止まっていることもあり、エネルギー価格上昇がドル高につながりやすい構造でした。

そもそも、なぜ円安が進んだのでしょうか。重要なのは、ドルの上昇は対円だけではなく、世界中の通貨に対してだということです。ここまでの円安・ドル高水準は24年ぶりですが、対ドルではユーロも20年ぶり、英ポンドは37年ぶりの安値。円が独り負けではないのです。

21年以降のドル独歩高をもたらしたファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)要因は終わりつつあります。しかし円については、22年後半にさらに急激な円安・ドル高が進みました。日米の金融政策の違いを材料に、ゼロ金利の円を調達してドル資産を買う「キャリートレード」や、ヘッジファンドによる投機的な円売りが増えたためです。日本の将来を悲観した円売りではなく、投機筋が積極性を増したゆえの「リスクオンの円安」だったと言えます。

今回のレポートでは、日銀の円安に対する考え方を整理します。はじめに植田和男総裁の最近の発言を振り返ると、植田総裁は4月26日、(ここまでの)円安が基調的な物価上昇率に与える影響は無視できる範囲との見解を示しました(図表1)。これを受け、為替市場ではドル高・円安が進行しましたが、その後、4月29日と5月1日に大きくドル安・円高に振れる場面がみられ、市場では為替介入が実施されたとの見方が広がりました。

しかし、22年も終わりが近づいた今、状況は異なります。ドル独歩高の主因と言えた原油価格は天井を打ち、6月以降は9月まで、4カ月連続の下落となっています。背景にあるのは世界経済の減速ですが、特に大きいのが中国の需要減で、今年は前年比で2.7%減の見込み。中国の原油需要が減るのは1990年以来で、世界全体の原油需要への影響度も大きいといえます。石油輸出国機構(OPEC)の減産があっても、原油価格は低下トレンドが続くでしょう。

植田総裁は5月7日、岸田文雄首相と会談し、「最近の円安について日銀の政策運営上、十分注視していくことを確認した」ことを明らかにしました。翌8日の国会答弁では、「(円安の)動向次第で金融政策運営上の対応が必要になる」考えを示し、同日の読売国際経済懇話会の講演で、「過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」と述べました。そのため、このところ植田総裁は円安けん制姿勢を強めたとの声も聞かれます。

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