嘆くシングルマザー 物価高に不安
支援を受けた家庭に対するアンケート調査によりますと、物価高騰によって「とても厳しくなった」が80%、「やや厳しくなった」が19%、計99%(ほとんどの家庭)が、厳しいと回答しています。
10月に入り、また4600品目以上が値上がりしました。物価高騰が続いて、ほとんどの人が家計への影響に頭を痛めていますが、中でも経済的に困窮している家庭への打撃は想像以上の大きさとなっています。この夏、困窮子育て家庭への食糧支援を行ったNPO法人『キッズドア』が、「夏休み緊急支援」の実施報告会を9月27日に開きました。
さらに、家庭で余っている食品を集めて、支援団体などに寄付する「フードドライブ」活動を行っている現場を取材すると、物価高による“寄付する側”の悩みも聞こえてきました。
しかし、ネット上では「生活が厳しいなら物価の高い文京区から引っ越せば良い」いう厳しい声もあります。そんな疑問を、こども宅食を利用している田中さん(仮)に聞いてみました。
ーそんな中で物価の高い文京区に住み続ける理由は何ですか?
支出を抑えるために様々な工夫をしています。しかし文京区は物価が高く、限界があるのも事実です。
読谷村在住で9~17歳の4人の子どもを持つ40代のシングルマザーの女性は、物価高の影響で月の出費が2万~3万円増えた。パートで働いていたが退職し、正社員になることを目指し資格取得の勉強中だ。児童扶養手当や児童手当などの収入でやりくりするものの、親からお金を借りざるを得ないことが増えた。
8日に発表された沖縄子ども調査「高校生調査報告書」では、過去2回の調査同様に、低所得層ほど家庭環境や進路選択、心身の健康に影を落としている現状が改めて示された。本調査では新型コロナウイルスや物価高騰の影響もあり、低所得層の割合が増加する結果となった。行政の支援により、所有物の欠如感などに改善が見られる部分もあったが、構造的な課題は変わらない。低所得層の生徒や保護者からは、八方ふさがりの未来を嘆く声も目立つ。
原材料費や物流コストの上昇から、食品やガソリンの値上げが続いている。特にコロナ禍で厳しい状況にある一人親世帯に、物価高が追い打ちをかけている。沖縄県内で4人の子どもを持つひとり親からは「物価高がいつ終わるのか先が見えず経済的にも精神的にもきつい」との声も。子ども食堂のニーズも高まっている。
寄付をしたい気持ちはあっても、自身も物価高で生活が苦しい中なかなか寄付を十分にすることができないといいます。
キッズドアの渡辺由美子理事長は支援を通して、「お金は、本当に無い時は無い、本当に買えない」家庭を見てきました。実際この夏の食糧支援アンケートでは「子どもに栄養バランスの良い食事を与えられない」という回答が88%、「子どもに十分な食事を与えられない」という回答も60%ありました。キッズドアでは、この冬も間違いなく物価高騰は続き、クリスマスやお正月など楽しいはずのイベントがむしろ困窮家庭には辛く厳しいものになるであろうと予測して、冬の食糧支援の準備も進めています。
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