カスハラに「切電」運用する企業

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カスハラに「切電」運用する企業
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 カスハラに「切電」運用する企業

まず カスハラに対する社内での認識を統一してください

「カスハラには必ずコールセンターのスタッフ全員、企業全体で立ち向かう」というスタンスを持ちましょう。「お客さまは神様」の精神を全てのケースで意識・体現できる時代ではなくなって来ているからです。

最近のニュースや報道を見ていると、コンタクトセンターのカスハラ対策は他業界と比較して進んでいないように感じていました。理由は様々です。おそらく、対面の接客業務よりも先に「カスハラ」(当時はクレーマー)が発達したことから、人を変える、時間を変える 等のクレーム対応のテクニックが育っていたことがあげられます。また、通話の録音や、CRM等での対応記録が残す文化もあり、証拠が残るため、ある程度のけん制機能が働いているということもあります。一方で、報道の通り、今後「カスタマーハラスメント」の法整備が進むと、従業員をカスハラにさらすことや、カスハラから守らないことは企業の責任となります。コンタクトセンター業界のカスハラ対策もさらに高度化していかなければ、従業員から選ばれない企業になる可能性があります。

まず、カスハラに対する社内での認識を統一してください。カスハラは通常のクレームや苦情とは違い、「主に嫌がらせを目的とするものであるということ、だからこそ特定のオペレーター対応に責任があるわけではないこと」を、各オペレーターやSV、そして組織上層部の人たちの共通認識としましょう。カスハラは「ハラスメント」であって、「いじめ」や「いやがらせ」と同等の意味を持つ行為です。

繰り返しになりますが、企業はカスハラに対してあくまでもオペレーターを守ることを最優先に考えてください。オペレーターがいないことには、顧客満足度向上やロイヤルカスタマーの新規獲得が困難になるからです。

こうした状況を受け、多くの企業がカスハラに対する具体的な対策指針を策定し、公表しています。

相手のリアルタイムな様子を見れれば、ある程度はオペレーター側で会話の雰囲気をコントロールすることが可能です。相手が気分を害してしまう前に適切な対応を取れるので、手遅れになってクレームへとなり、クレームがカスハラになり…という事態を防ぎやすくなります。

カスハラ対応に関するマニュアルを作成するときには、具体的なNGワードや通話時間の目安など、誰もが明確にカスハラかそうでないかを見分けられる基準付きのマニュアル作りを目指してください。カスハラに対するオペレーターの許容度が異なるので、オペレーター本人がカスハラだと気づかない、または必要以上に頑張ってしまう可能性があるからです。作成済みのマニュアルが、カスハラに気づくための指針を明確にしているかどうか今一度確認しましょう。

小野解説委員「カスハラに対応する動きも広がっています。学生時代のアルバイトなどで、カスハラを受けたことがある、最近見たことがあるという方はいますか?」忽滑谷アナウンサー「客室乗務員として働いている友人が、お客さんから『連絡先教えて』と言われてお断りしたところ、『僕は客だぞ。会社に言うぞ』と高圧的な態度を取られたと聞いたことがあります。ただ実際に自分が受けた経験はないですね」小野解説委員「経験がない方は多いですが、カスハラを体験できるAIが開発されました。富士通が、東洋大学社会学部の桐生正幸教授と共同開発したものです」「4日、every.のスタッフがドラッグストアの店員役で体験してきました。AIがカスハラ客です。店員の言葉によって客の態度を変えていくシステムです」「買い物をしてポイントが付いていなかったことに激怒している客が『ふざけんじゃねえよ。年寄りだからってバカにしてるのか』と言い、店員役のスタッフは『すみません。ポイントを付けます』と伝えました」「すると、『そうやって言っとけば済むと思ってるんだろう。追加でポイント付けるとか誠意みせるとかできないのか!』と迫ってきた。こういうやり取りでした」

ここまで、厚生労働省のガイドラインを元に、企業が実施するべき対応についてお話ししてきました。 カスタマーハラスメントの中には、確かに電話がかかってきた初めから、様子がおかしいケースもあります。しかし、多くのカスタマーハラスメントには、「そのお客様にとっての」(何かしら)企業の瑕疵があるから、発生しているということも多いです。その瑕疵を「私たちのせいではない。言いがかりだ」というスタンスで初期対応をしてしまうと、本来はカスハラではなかったお客様をカスハラにしてしまう可能性もありえます。多くのお客様は、「わかってもらいたい」という気持ちを持っているはずです。それをこのカスハラの風潮に乗っかって、テクニカルに「これは企業の瑕疵、これは企業の瑕疵ではない」と分類して対応をするのではなく、まずは「お客様がその会社のサービスや商品を利用して、何に困ったのか」を想像し、お困りであった状況に共感してあげること。それはお客様対応の基本です。きちんとお客様の状況を理解し、共感したうえで「申し訳ありません、どうしてもこの内容ですとご希望通りに承れないのです。本当に心苦しく思っております。申し訳ありません」と言われれば、お客様は「あなたに言ってもしょうがないわね。会社が悪いのね」となります。このオペレーターの初期対応がうまくないと、初めは会社への不満だったものが、オペレーターへの不満にすり替わってしまいます。 その時に、カスハラが極めて発生しやすくなるのです。日ごろから、応対品質の向上に向けて、オペレーターを指導することが、オペレーターをカスハラからしっかりと守ることになり、お客様を犯罪者にしないことに繋がります。今後の法令化を見据えて、コンタクトセンター業界も様々な仕組みづくりが求められることが想定されますが、まずは日ごろの指導をしっかりと行うこと。そのうえでカスハラ対策をしっかりと行っていきましょう。

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