トルコリラ/円 見通し「高金利維持の姿勢に変化は?…17日に中銀政策金利」注目の高金利通貨 10月13日号

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トルコリラ/円 見通し「高金利維持の姿勢に変化は?…17日に中銀政策金利」注目の高金利通貨 10月13日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2024年10月11日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

トルコリラ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週のトルコリラ/円は1カ月半ぶり高値圏で推移

 4.301円前後で取引が始まった今週のリラ/円は、9日に4.358円前後まで強含んで8月19日以来の高値を付けました。それ以降は、上値こそ伸びなかったものの4.3円台を中心に強保ち合いの動きが続き、11日の15時30分時点でも4.324円前後で推移しています。イスラエルとイランを巡る中東の地政学リスクがくすぶる中で、リラの上値が抑えられた一方、中国の景気・財政刺激策への期待などから世界的に株価が上昇する中、リラ買い・円売りが強まる場面もありました。

今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀

 今週17日にトルコ中銀が政策金利を発表します。カラハン総裁は今月3日、9月消費者物価指数(CPI)が予想ほど鈍化しなかったことを念頭に、利下げには「まだ一定の距離がある」として「金融引き締めの維持を継続する」と述べました。このため、政策金利は今回も50.00%に据え置かれる可能性が高いでしょう。市場にも利下げ観測は皆無です。従って、今回は声明の中で引き締めスタンスを示す文言に修正があるかが焦点となります。中銀は前回の会合で、従来「インフレ悪化が見込まれる場合、金融政策スタンスを引き締める」としていた一文の後半部分を「金融政策手段が効果的に使用される」に修正。市場はこれを、将来的な利下げに向けた地ならしと受け止めました。今回は、声明にどのような変化があるのか注目されます。

 

来週のトルコリラ/円の見通し

予想レンジ
4.250-4.450円

基調
もみ合い

来週までの注目ポイント
☆10/17 トルコ中銀政策金利
主要国株価、国際商品価格

 

トルコリラ/円(TRY/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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この時も トルコリラ相場は 大きく調整しました

8月5日にトルコリラ円は、安値4.13レベルまで下落する局面が見られた。今日以降4.166レベルのみならず、4.13レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、61.8%水準4.10のトライが視野に入ろう。

そのドル円は現在、143円台へ下落している。ゆえにトルコリラ円も、さらなる下値のトライを意識する状況にある。

トルコリラ円(TRY/JPY)のトレンドを4時間足チャートで確認すると、ボックス相場から下落相場へ転じている。8月中旬以降、ドル円の下落幅が拡大している。トルコリラ円も同じタイミングで下落相場へ転じた。ドル円の動向がトルコリラ円のトレンドに大きな影響を与えていることを示唆している。

陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『19日のトルコ中銀会合がポイントとなろう。トルコ中銀会合で、政策金利は50.0%に据え置かれる見込みで、市場の関心は声明内容になろう。大統領府とトルコ中銀の中期的なインフレ見通しに対する見解の相違が修正されるかどうか注目したい』と述べています。

このまま実質金利がマイナス状態だと、トルコリラは売られる可能性が高くなります。

またコロナウィルスの蔓延、ロシアのウクライナ侵攻を受けた商品や穀物価格の高騰で、トルコのインフレは、既にハイパーインフレ状態です。一方エルドアン大統領は、全く考えを変えず、トルコリラの歴史的な下落が続いています。国民の不満も高まっていますが、2023年の総選挙では、エルドアン大統領が再選されました。また、同氏は中銀の総裁として、初めて女性で、元ファースト・リパブリック・バンクの共同最高経営責任者である、ハフィゼ・ガイ・エルカン氏を指名しました。同氏は、それまで政権よりだったカブジュオール元総裁とは異なり、インフレの撲滅のために、政策金利を強く引き上げていますが、それでもトルコリラ安は全く止まっていません。2024年もトルコでは、インフレの抑え込みと通貨安の防衛が、最大の課題となりそうです。

一方、トルコリラ円が10日線の上方ブレイクに成功しても、すぐ上には21日線と上値抵抗線が控えている。特に今の下落トレンドを象徴する上値抵抗線を完全に上方ブレイクしない限り、トルコリラ円の下値トライを常に警戒する状況が続こう。

強いアメリカの経済指標が米ドル買いの要因となる場合は、「ドル円の反発→トルコリラ円の反発」を予想する。

トルコリラ円が4.10レベルを完全に下方ブレイクする場合は、4.0レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

トルコリラ円の今週のレンジについては、『4.00円~4.40円』と予想しています。

それでは、最後にトルコリラ円の月足を見てみましょう。

しかし、FRBの政策転換が意識されても対米ドルでトルコリラは下落し続ている。そして、ドル円はトレンドの転換を意識する状況にある。これらの動向を考えるならば、トルコリラ円の買いは“超”短期の勝負と意識し、リミットやストップでのリスク管理を徹底したい。

トルコリラ円の下落局面で注目したいのが、節目の4.0レベルの維持である。この水準はフィボナッチ・エクステンション76.4%水準(4.018)にあたる。この水準をトライするシグナルとして、まずは50.0%水準4.166レベルの攻防に注目したい。

しかし、エルドアン大統領が率いる公正発展党はもともと親イスラム政党であり、政教分離を快く思っていなかったエルドアン氏と政教分離を守ろうとする軍部との対立が次第に激化し、遂に2016年には、エルドアン大統領の追い落としを狙った「軍事クーデター」が発生しました。この時も、トルコリラ相場は、大きく調整しました。公正発展党による低所得者対策などが功を奏し、国民がクーデターを支持しなかったことでクーデターは、失敗に終わりましたが、現在もエルドアン大統領の独裁的・強硬姿勢から政権の不安定さは続いています。

2023年の相場環境を踏まえて、2024年のトルコリラ円相場の注目点をまとめてみました。

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