今週のNY市場は決算発表と9月小売売上高などの経済指標注目。先週はダウ平均が1.21%高、S&P500が1.11%高、ナスダック総合が1.13%高と主要3指数がそろって5週続伸。10月月初来ではダウ平均が1.26%高、S&P500が0.91%高、ナスダック総合が0.85%高となった。中東情勢の緊迫化による供給不安からNY原油が上昇したことや、米10年債利回りの上昇が嫌気され週明け7日は下落してスタートしたが、その後、原油相場や米10年債利回りの上昇が一服したことで反発すると、好業績見通しを背景にエヌビディアなどのハイテク株が上昇したことや、週末は好決算を発表したJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが大幅高となったことも相場を押し上げた。ダウ平均は9日、11日に終値の過去最高値を更新し、11日は10営業日ぶりに取引時間中の史上最高値も更新した。S&P500も9日と11日に取引時間中と終値の最高値を更新した。利上げ見通しを巡って注目された9月消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、インフレの根強さが意識されたが、9月生産者物価指数(PPI)は強弱まちまちの内容となった。CMEのフェドウォッチ・ツールの11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は前週末の3%から13%に上昇し、0.25%の利下げ確率は97%から87%に低下した。
今週は発表が本格化する第3四半期決算と9月小売売上高などの経済指標に注目が集まる。決算発表は火曜日にバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、水曜日にモルガン・スタンレーの大手行が発表するほか、ユナイテッドヘルス、ジョンソン&ジョンソン、トラベラーズ、ネットフリックス、プロクター&ギャンブルなどS&P500採用の43銘柄が発表予定で、決算やガイダンスが注目される。経済指標では足もとの景気動向を巡り、木曜日に発表される9月小売売上高が注目されるほか、10月NY連銀製造業業況指数、新規失業保険申請件数、9月鉱工業生産、10月NAHB住宅市場指数、9月建設許可件数、9月住宅着工件数などが発表される。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演なども予定され、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩はコロンブスデーで債券市場が休場。主要な経済指標や企業決算の発表はなし。(執筆:10月14日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通し今週は決算発表と9月小売売上高などの経済指標注目に注目
東京株式市場では、値動きの激しい取引が続いています。日経平均株価は9/26(木)に前日比1,055円の大幅高。米国の大手メモリ・メーカーであるマイクロン・テクノロジーの強気見通しが好感され、東京市場でも半導体関連株が買われました。さらに、9...
先週は、生成AI市場の企業業績への広がりを見るうえで注目の2社、オラクル(ORCL)とアドビ(ADBE)が2024年6-8月期決算を発表しました。市場の反応は明暗分かれ、オラクルは決算発表翌日の10日(火)に前日比+11%超となった一方、アドビは決算発表当日12日(木)の時間外取引で終値比-9%超となりました。オラクルは売上高・1株当たり利益とも市場予想を上回ったほか、12日(木)に2026年度の売上高見通しを従来の650億ドルから660億ドル以上に引き上げました。一方で、アドビは9-11月期の売上高・1株当たり利益がともに市場予想を下回りました。両者を生成AI関連銘柄として見た場合に、オラクルはクラウドサーバーなど川上に強みを持つ一方で、アドビはエンドユーザー向けの画像生成ソフトなど川下に強みを持ちます。2社の決算からは、生成AIを稼働させるために必要なデータセンターやプラットフォームのサービスは業績に反映されつつあるが、生成AIを利用して企業や個人の生産性を向上させるようなソフトウェアの業績寄与は道半ば、ということが示唆されます。今週以降の決算発表でも、川上ではデータセンター向けメモリーが好調とされたマイクロン・テクノロジー(MU、25日)、川下ではITコンサルティングを利益の柱とするアクセンチュア(ACN、26日)などに注目し、生成AI市場の業績動向について確認したいと考えます。
野村では、3ヶ月ごとのFOMCで発表されるドッツ(政策金利見通し)について、今回は2024年末4.625%、2025年末3.625%、2026年末3.125%、2027年末2.875%、長期2.750%と予想しています(前回6月時点:5.125%、4.125%、3.125%、NA、2.750%)。これは、2024年内は0.25%ポイント×3回分、25年内は0.25%ポイント×4回分の利下げを示唆する数字です。ドッツの分布は下方に広がり、より大幅な利下げやより多くの利下げが妥当との見方を持つ参加者もいることが示唆される一方で、ドッツの長期水準については中立金利が低い時代に適切であった平均インフレ目標を修正することを前提に、小幅引き上げられると見ています。
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