本日の東京市場では、本邦休場の中でドル円は149円割れの水準では底堅く推移するも、10日高値149.55円が目先の抵抗として意識されるなど、149円台前半で方向感を模索する展開となった。
NYタイムは、ニューヨーク市場がコロンブスデーで休日のため債券市場が休場となる。また、主だった経済指標の発表や米企業の決算発表も予定されていないため、引き続き149円台前半で動きづらい展開が予想される。
注意しなければならないのは、流動性が乏しいなか、ある程度まとまったフローが出てきた場合だろう。その場合は瞬間的かもしれないが、特段の材料を伴わなくとも相場が上下へ振れることが予想される。追随すると高値を掴んだり、安値を売り込んでしまったりしかねない。判断できないまま値動きを追うことは避けたい。
要人発言では、NY時間午前にカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、午後にウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が予定されている。カシュカリ総裁は7日に「インフレが2%の目標に回帰するという自信は大きい」「リスクのバランスは雇用増加の方向にシフトしている」などと話した。また、ウォラー理事は先月20日に「雇用市場が悪化すれば、再び0.50%の利下げの検討あり得る」「データが軟調になれば、利下げペースが速まる可能性がある」などと話している。内容に変化がないか確認したい。
想定レンジ上限
・ドル円は10日高値149.55円。超えると心理的節目の150円
想定レンジ下限
・ドル円は5日線148.86円。割ると11日安値148.41円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通しは予告なく変更されることがあります
さらに、前述のように原油価格も中東情勢の緊迫化であがっている。日本のCPIは2024年夏以降に、輸入物価上昇を受けて、輸入割合が高い食料品・エネルギー価格が予想外に上ぶれする可能性がある。政府は、経済見通しとして2024年度2.5%の消費者物価の伸び率を予想するが、それよりも物価は上昇率を高める可能性も否定できなくなる。すると、この見通しの修正は、同時に日銀の金融政策を考える上での物価の前提を変えることにもなるだろう。
■例えば、8月30日のニューヨーク市場では、米国の雇用関連指標やGDPの改定値が市場予想を下回り、米国債利回りは政策金利の見通しに敏感に反応する2年債を中心に大きく低下しました。一方、同日のドル円は、米金利の動きに逆行して、145円台後半から一時146円台半ばまでドル高が進みました。
日銀の田村審議委員は岡山県で講演を行い「(展望リポートの見通し期間である)2026年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」と語った。午後の会見では、今後の利上げについて「過剰に市場が不安定な状況にあるときは、期間を置くことが必要なケースもある」と指摘。年内利上げの可能性は「あるかもしれないし、ないかもしれない」とし、そのタイミングは経済・物価・金融情勢次第で「予断を持って語ることはできない」とした。先行きのパス(経路)は「欧米とは異なり、ゆっくりとしたペースになる可能性が高い」とも述べた。
次に、4月初発表の3月米雇用統計の非農業部門雇用者数が、強い数字だったこともドル高要因である。雇用拡大は、米経済の好調さを裏付ける。インフレ圧力によって米CPIは、前年比3%台から、目標の2%へと鈍化していかない。すると、自ずと利下げ見通しは遠のくことになる。
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