宮城の半導体工場急きょ白紙 背景

FXブログ
宮城の半導体工場急きょ白紙 背景
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 宮城の半導体工場急きょ白紙 背景

宮城の半導体工場急きょ白紙 背景

宮城県の熱量に合わせるかのように工場の進出決定後、県内の動きも加速していた。県は発表後すぐにプロジェクトチームを立ち上げ、約1ヵ月後の12月1日には県庁内に「半導体産業振興室」を開設させた。新年度予算には早速、工場建設前に入る台湾の従業員受け入れに関する予算も盛り込んだ。県以外にも、東北大学は台湾の世界最大の半導体受託製造企業TSMCが進出した熊本県の熊本大学と連携協定を締結し、人材育成のカリキュラムを充実させた。大衡村に近い自治体もそれぞれ従業員などの受け入れに向けた準備を始め、工場への期待は高まっていた。

「まさかこのような形になるとは夢にも思っておらず、大変残念に思う」 2024年9月30日、宮城県の村井嘉浩知事は報道各社の取材に対し、落胆した様子を隠さなかった。知事にとって今回白紙となった半導体工場はそれほど大きかったということだ。

PSMCとSBIホールディングスは2023年10月31日、全国31の候補地から宮城県大衡村で半導体工場を建設すると発表した。大衡村は人口6000人ほどの宮城県唯一の村だが、村井嘉浩知事が進める「富県宮城」の舞台として注目を集めてきた村だ。「富県宮城」とは企業誘致などを推進し「県内総生産10兆円」を目指す知事肝いりの政策で、2007年以降、この地域には「トヨタ自動車東日本」や「東京エレクトロン」などが進出してきた。もちろん県も支援を惜しまず、県主導で東北自動車道の大衡ICを開設させるなど、インフラ面でも充実した地域となっている。

両社の説明を受けた村井知事は「宮城県としてはどちらの言い分が正しいのか、正しくないのかということを判断する立場にはない」と責任の追及は行わない考えを示した。しかし、「県民が非常に大きな期待を持ったわけで、納得できたとはなかなか言えない」とも述べ、消化できない複雑な心境をのぞかせた。

宮城、岩手両県を中心に、半導体製造装置関連の部品工場新設が相次いでいる。半導体市況は調整局面にあるが、人工知能(AI)技術の進展や自動車のエレクトロニクス化の加速などで今後の需要拡大は確実。宮城県大和町や岩手県奥州市に拠点を持つ製造装置大手、東京エレクトロンと取引のある部品メーカーを中心に投資が続き、「東エレク経済圏」とも呼べる産業集積が加速している。

そして、もう1つ挙げたのが宮城県の熱心な誘致活動で、県職員はたとえ数日以内に資料の提出を求められても、休日返上で英語版とともに詳細な資料を作成した。2023年10月中旬には極秘で村井知事とPSMCの黄崇仁会長との面会も実現させるなど、他の候補地を抜きん出る動きを見せていた。

【職務内容】装置保全・台湾での半導体立ち上げ技術者として業務に携わっていただきます。...【業種・業界】半導体(装置) 【勤務地】宮城県仙台市 【職種】メンテナンス・設備保守 【担当者からのコメント】装置保全・台湾での半導体...

PSMCからは謝罪の言葉もあった上で「宮城県とはいい関係を続けたい」という話を受けたという。SBIホールディングスも「宮城県を半導体ビジネスの集積地の一つとするべく、複数の事業パートナー候補と協議・検討している」と表明している。村井知事は「今回の規模のような半導体製造工場はなかなか難しい」としつつ「人材育成については、今後とも東北大学とよく調整して止めることなく続けていきたいと思っている。引き続き企業誘致には取り組みたい」とした。

宮城の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。

【仕事内容】業務内容: フィールドエンジニア職・装置の立ち上げサポート...【求人の募集背景】大手半導体製造装置メーカーでのお仕事です 当社スタッフ複数名活躍中!...

新田智紀記者「約8000億円を投じて建設される予定だったPSMCの半導体工場撤退の報を受け、宮城県には大きな衝撃が走っています」 大衡村民「結構がっかりですよね。栄えるのかなと思ったので撤退を聞いた瞬間びっくりという感じですけど。はじめ信じられなかった。白紙になったと聞いてびっくりしましたね」「企業ができて働く人も多くなって、栄えてほしかったと思いますね」 9月27日に突然発表された、台湾の半導体大手PSMCが大衡村に予定していた工場建設計画の撤退は、政府の補助金交付の要件だった10年以上の継続生産が台湾の法令に抵触する可能性があることや、今後、インドへの進出を検討していることなどが理由として伝えられたということです。 PSMCの撤退で最も影響を受けた大衡村の小川ひろみ村長は、撤退を聞いた時のことを振り返ります。 小川ひろみ大衡村長「びっくりすると同時に衝撃は大きかったです。期待もしていましたのでとても大きな企業でしたので、そういう部分では期待感が大きかった分ショックの大きさも大きかったのは嘘ではない」 小川村長は今回の一件で、全国的に知名度が上がったことを次の企業誘致につなげたいと話します。 小川ひろみ大衡村長「全国的に半導体イコール大衡村ということを皆さんに広めていただいた。これは大きな収穫だと逆に考えればいいんじゃないかと思っていますので、トレンド入りするくらい大衡村の名前が上がりましたので、それはとてもうれしかった。今後そこを有効に活用しながら企業誘致していきたいと思っています」 村井宮城県知事も大きな衝撃を受けたうちの1人です。 村井嘉浩宮城県知事「宮城県の市町村、県民の皆様が大変大きな期待を寄せておられました。まさかこのような形になるとは夢にも思っておりませんでしたので、大変残念に思います」 富県宮城を掲げ県内総生産10兆円を目指している村井知事は、大台に乗せる矢先の撤退に失意を隠せません。 村井知事は6月に、PSMCの誘致に自分が一定の役割を果たしたと誇らしげに語っていました。 村井嘉浩宮城県知事「SBIホールディングスが、半導体工場の新設に向けてPSMCと基本合意を発表したと新聞に出たんですよ。あのベタ記事見てですね、おっと思ったんですよ。SBIの北尾さんにつながって話をしたら、まだ何も決まっていないと話になりまして。で、PSMCさんの誘致に名乗りを上げたということでございます。31自治体が手を挙げた中で宮城県はどちらかというと後発組だったらしいんですけど、結果的には勝ち取ったということで小川村長、誠におめでとうございました」 しかし、このわずか4カ月後に村井知事の期待はもろくも崩れ去りました。 村井嘉浩宮城県知事「海外の企業は色々ルールが違うので簡単にはいかない部分もあるが、これで駄目なのではなく1つの教訓として次にチャレンジしていかないといけないと思っております」 もし、PSMCの半導体工場が計画通り進出していればどのような効果があったのでしょうか。経済、金融の専門家、七十七マーケティング&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは次のように話しています。 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「年間売上高1900億円を前提に簡単に経済波及効果を試算しますと、1000億円を超える経済波及効果がありまして県内総生産を1.1%押し上げる効果があると言えます。この1000億円という数字は、東北6県の基幹産業の水産業の合計額を上回る金額になります。極めて大きなインパクトだと思います」 それだけにPSMCの撤退は、宮城県経済にとって大きな損失となりました。田口さんは、宮城県は企業誘致にとって良い条件を備えているとして次の企業へのアプローチを急いだほうが良いと指摘します。 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「この高まった期待の火をなるべく消さないうちに次の案件に取り掛かっていく。今回(PSMCが)宮城県に進出を決めたのも、その様々なサプライチェーンの条件が良かったということで企業進出のポテンシャルは高いことは間違いないと思う。この強みを生かしてスピード感を持っていくことが大事だと思う」

コメント

タイトルとURLをコピーしました