独自性失った? ヴィレヴァン分析

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独自性失った? ヴィレヴァン分析
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 独自性失った? ヴィレヴァン分析

独自性失った ィレァン分析

●ヴィレヴァン苦境の元凶とは?

ヴィレッジヴァンガードの数字を見ていると、色々と経営視点で学ぶことが多いです。他人の会社なのでなおさらなんですが。商品仕入れの問題を除くと気になるのは「属人性の高さとバイト代問題」。でも僕はAI経営における「属人性」はいったん排して分析して、そこから「属人性の意味と価値」を試算するのが大事だと考えています。

さらに場合によっては売れる時期を逃したキャラクターグッズなどが店舗に届かず倉庫にしばらく眠っていたり、返品されて行き来していることすらあるそうです。これは店員さんの知人による独自情報ですが、ワゴンセール的な商品や福袋のカスをみるとそれはわかります。

10月からはパート・アルバイト店員さんたちも社会保険負担をせねばならないので、もっと大変になるんでしょうね…。「ヴィレッジヴァンガードらしさ」を懐古主義に求めると、これは個人商店にならざるを得ません。それはイトーヨーカドーが撤退する高集積化の後に「シャッター街直行コース」があると想像します。ここまで書き綴ってきたとおり、モールには歩合賃料があります。固定賃料で継続的に売上を出せるのは、無駄な雑貨を買ってくれる若者文化に支えられた大都市や大学や文化施設を擁する中野的な文化繁華街に限られると予想します。

2024年10月4日、経済産業省は「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表して、現在パブリックコメントを実施している。その中でも書店経営に関するさまざまな課題を抽出し、書店を残していくための問題提起がなされている。書店経営の1つの成功事例を作ってきたヴィレヴァンが赤字になったタイミングで思うのは、役所や書店関係者の力だけで何とかできる状態ではなく、書店の受益者である消費者も含めて、どうすべきか考える時ではないだろうか。

サブカルの担い手として知られるヴィレヴァンのビジネスモデルを簡単に説明すると、サブカル関連の雑貨をそろえた異空間のような売り場を構成し、雑貨を衝動買いしてもらいつつ、その世界観の軸となっている書籍を手に取ってもらう手法の書店である。赤字転落が取り沙汰される前から、ヴィレヴァンの業績は右肩下がり、収益は低空飛行の状態が長く続いていた。一方で、厳しさを増す書店業界で「なんとか健闘していた」ともいえる。ヴィレヴァンの現状を、データで分析してみよう。

人材に関して、かつて運営会社にインタビューしたことがある。ヴィレヴァンの“異空間店舗”は、店長やスタッフの運営におおむね任されている。スタッフは店に来ていたお客がアルバイトになり、バイト店長になり、そして正社員店長になる、という過程を経て、ヴィレヴァンへの適性を会社と社員が互いに判断する。こうして育成された人材は、いわば一人ひとりが店舗コンセプトなのだ。彼ら・彼女らを転勤させることが店舗のリニューアルにつながり、店舗が陳腐化することを回避できる、というロジックがあった。

ふりかえると、ヴィレッジヴァンガードには厨二病満載な店舗と、子供でも安心していけるゾーンとが混在しています。平均年齢が40歳台というところもおそらく、「サブカルで育てられた小学生マインドのあるお兄さん」と「キャラクターグッズ大好きお母さん」など2世代化が進行しているものと想像します。そこに中野ポップカルチャー地雷系女子がいい感じに店舗スタッフとして付き合ってくれている。お客さんには数百円の雑貨を買うのに悩んでいるティーンと、数千円の推し活やジョークグッズ、福袋をポンと買ってしまうオトナ買いが混ざっています。

まずヴィレッジヴァンガードの従業員は意外と少なく102名。グループ連結でも408名。

愛知県に本社を置く、小売企業大手。 書籍と雑貨を扱う小売店「ヴィレッジバンガード」を全国にチェーン展開している。

人材採用関係も、重要なナレッジです。例えば「K-POPが売れる地域」にはK-POPが詳しいスタッフを入れる。それが精一杯だと思います。店舗としての商人としての利益率を左右するのは「その分野が得意な店員と、その商品」のセットであり、「1ポスト3万円、最大13万円の予算」で考えると、4ポスト、つまり4ジャンルぐらいが精一杯だと想像します。ヴィレッジヴァンガードの棚構成からすると、K-POP・J-POP・書籍/マンガ/アニメ・キャラクターグッズあとは謎グッズ全ジャンル、といったバランス配置にせざるを得ないし、店長になるのは必然的に全ジャンルバランス型オタで、どこかの分野に片足突っ込みすぎない人物が理想ではないかと想像します。そういった全方位オタであればあるほど、特定ジャンルに詳しい他店舗のスタッフによるナレッジは役に立ちます。ライブやイベント、YouTubeチャンネルなど、URLや日付で記述できる情報があれば、それで十分なんです。全方位オタは全方位オタなりに、消費者の心理がよくわかりますので、それに対応できるようなポップ展開などで支えられます。

では、店舗数を急増させた時期に、地方のショッピングモール(主にイオンモール)に大量出店した店舗は、ヴィレヴァンに禍根を残したのだろうか。実際にピーク時である2013年度の地域ごとの店舗配置と、直近期の配置を比較してみた。これはピーク時に比べて生き残った店の割合を示しており、どのエリアで客離れが大きかったかを知ることができる(図表4)。

さてヴィレッジヴァンガードの場合、バイトさんは何人ぐらいいるのか?これは想像と数字から逆算するしかありません。IR情報にある「従業員」は「社員」であって各店舗のパート・アルバイトといったスタッフは数に含まれていません。また求人サイトには社員募集はあってもバイトの募集が出ていません。ヴィレッジヴァンガードには最低賃金でも働きたいバイトさんがたくさんいる状態で「Webを使って募集をかける人が居ない状態」なのかもしれないですね。

しかし、先生は、ヴィレッジヴァンガードの可能性を信じています。

こうなるとVV店舗のスタッフやバイヤーさんには「目標利益率は何%なのか」という質問をしたくなります。小売の利益率は一般的には20%程度、低いものでは10%、ドラッグストアなどでは26%程度だそうです。僕は物流は専門ではないのですが、調べてみると、雑貨の原価は売価の60%が基本とのこと。1000円の商品は、600円で仕入れて販売する、ということになります。ただし雑貨は当たり外れも大きいので、この辺の管理が雑になりがちであることも想像できます。IP業界として垣間見える特性としては、キャラクターグッズなどはアニメの放映期間や人気にあわせて作りたがるでしょうし、逆にその期間が終わってしまったら大量の在庫を抱えがちです。さらにIPひとつとっても、J-POP、K-POP、アニメ、漫画、ゲーム、キャラクターグッズなど多様性が八百万神のように存在します。この多様性を絞り込み始めると雑貨屋は雑貨屋ではなくなり、IP単位まで絞ればキャラクターグッズ専門店やポップアップストアになります。ヴィレッジヴァンガードの場合は「遊べる図書館」をコンセプトにしていますので、この部分の多様性や雑雑とした感じは維持したいでしょう。しかし利益率にはきちんと目を向けねば制御ができません。

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