ドル円、149円を挟んだレンジが続く?米長期金利や株価動向が手掛かりに
欧米時間のドル/円予想レンジ:148.500-149.900円
東京市場のドル/円は、方向感を欠く展開。安達日銀審議委員が「金融政策が正常化プロセスに入る条件はすでに満たしている」などと発言したことを受けて一時148.86円前後まで小緩む場面もありました。ただ、日本の金利市場への影響がほとんどなかったことからすぐに持ち直すと、欧州市場には149.49円前後まで切り返しました。
今夜はドル/円に直接関係しそうな経済指標の発表や米連邦準備制度理事会(FRB)高官の講演などが予定されていません。手掛かり材料に乏しい中で、米長期金利や欧米の株価動向を睨んだ相場展開となりそうです。これらに大きな動きがなければ、148円台半ばから149円台後半にかけてのレンジ相場が継続する可能性が高いでしょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線や心理的節目の149.00円をサポートに底堅い推移となっています。上値抵抗となっている80日線を突破すれば150円台への上昇が視野に入ってくる可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
10/16(水)
20:00 南ア8月小売売上高
20:30 モルガンスタンレー7-9月期決算
21:15 カナダ9月住宅着工件数
27:40☆ラガルドECB総裁講演
10/17(木)
08:50 日本9月貿易収支
09:30☆豪9月新規雇用者数
09:30☆豪9月失業率
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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ドル円 149円を挟んだレンジが続く米長期金利や株価動向が手掛かりに NY市場の見通し
先週のニューヨーク金先物価格(NY金)は、週間ベースでは前週とほぼ変わらずの0.70ドル高の1,999.20ドルで終了、4週続伸となった。高値は2,017.70ドルまでで、前週つけた約5ヶ月半ぶりの高値2,019.70ドルを超えることはなかった。
概ね今週は静かな週と想定するが、波乱があるとすれば中東など地政学リスクによるものとなりそうだ。今週のレンジはNY金が1,978.00~2,018.00ドル、国内金価格については9,470~9,680円を想定している。
米ドル/円は一時151.74円と2022年10月以来の安値を付けた。その後は週末にかけて、米長期金利の低下を映す形で、149円台前半で週末の取引を終了した。この円安の進行を受け、国内金価格は11月1日に一時9,743円と過去最高値を更新。終値ベースでも9,632円と高値を更新した。
人的被害の拡大が伝えられる中東情勢だが、市場ではここまで一連の動きは織り込みつつある。今週は米国関連で主要統計の発表も予定されておらず、やや手掛かり難の週となる。 NY金は2,000ドルを挟んだレンジ取引となりそうだ。
円の高値は142円20銭、安値は143円17銭だった。
結局、先週のNY金のレンジは1,978.20~2,017.70ドルとなった。先週のコラムでは想定レンジを1,980~2,040ドルとしていたが、上値では利益確定の売りが控え、2,020ドル近辺での売りの厚さを思わせた。10月下旬にかけてファンドの買い建て(ロング)が大きく膨らんでおり、利益確定の売りが控えている。
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