来週の為替予想(ユーロ/円 ポンド/円) 「仏・英財政問題が引き続きユーロやポンドの重し」ハロンズ FX 2024/10/20

FXブログ
来週の為替予想(ユーロ/円 ポンド/円) 「仏・英財政問題が引き続きユーロやポンドの重し」ハロンズ FX 2024/10/20
 

f:id:guh202109:20210908154742p:plain

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年10月18日 12時40分

仏・英財政問題が引き続きユーロやポンドの重し

ユーロ/円・ポンド/円、後半に明暗分かれる

ユーロ/円、ポンド/円は中銀の利下げを巡る期待感の強弱が明暗を分ける格好になりました。ユーロ/円は、予想通りECB理事会で0.25%の利下げに踏み切った場面で、材料出尽くし感から買い戻しが入る場面はあったものの、ラガルドECB総裁が「経済は予想よりもやや弱い」との認識を示すと、161.843円まで下げました。その後は下げ渋ったものの、12月理事会での利下げ期待もあり、上値の重い展開が続きました。かたやポンド/円は、英国のインフレ鈍化から193.696円まで下落しましたが、インフレ減速が一時的な要因による可能性が意識されて、その後は195.60円付近へ戻しました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX実践解説、祝:ドル円150円回復「強い米経済指標」(2024年10月17日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

ECB、英中銀を巡る判断に差

ECB理事会では、「特定の金利の道筋をあらかじめ確約することはせず、引き続きデータに依存し、会合ごとにアプローチしていく」との従来からの姿勢が維持されましたが、12月理事会での連続利下げ観測もじわりと広がっています。しかも、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)金利は、12月会合における50bpの利下げを織り込む動きが5割近くまで上昇しており、利下げペース加速が意識されています。また、フランスの財政再建が難航しそうなことも考えあわせると、ユーロは抑制された状態が続きそうです。

ポンドについては、英インフレ低下を受けてベイリー英中銀総裁がどのような認識を示すのか着目されます。ただ、今回のインフレ鈍化は航空運賃の下落など一時的要因が重なった部分もあって、中銀が利下げペースを加速させる材料となるか微妙です。賃金の伸びやサービス分野のインフレ率がまだかなり高いため、ベイリー総裁も利下げペース拡大を想起させるような発言は控えるのではないかと、考えています。企業景況感の改善が続けば、直近の下落の反動から買い戻しが優勢になっても不思議はありません。もっとも、今月末に発表される英国予算案への警戒は燻り、上値も限られると見ています。

ポンド/円、198円トライを期待(テクニカル分析)

ユーロ/円は日足一目均衡表の雲の中で200日移動平均線に頭を抑えられる形が続いています。このレベルでの推移が続けば、これまで支持線だった21日移動平均線の支持力も損なわれる危険があり、上値の重さが意識されやすそうです。161.702円(執筆時点)の21日線を割り込んだ場合、159.375円の日足一目均衡表・基準線を試す可能性を想定しておいても良いのではないでしょうか。

また、ポンド/円は、200日線や日足一目均衡表・雲上限を上回って推移している点で、底堅さが維持されていると感じます。短期上昇チャネルの上限付近となる198.00円トライが意識されます。ただし、付近を200日線が推移する193.50円を明確に下回れば、192.00円付近へ下げて、反発力を蓄えることになるのではないかと見ています。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:159.500-164.500

【ポンド/円チャート 日足】

GBP/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:192.000-198.000

10/21 週のイベント:

スケジュール

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

一言コメント

時事通信が実施した世論調査で、石破内閣の発足後初の支持率は28.0%と、2000年以降で最低となった。ただ、不支持は30.1%と岸田内閣の最後の調査での57.5%からは大きく改善しており、有権者が石破政権をまだ測りかねている様子が窺えます。

 
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 来週の為替予想(ユーロ/円 ポンド/円) 「仏・英財政問題が引き続きユーロやポンドの重し」ハロンズ FX 2024/10/20

来週の為替予想 ユーロ 円

また、日銀については、今週も中川審議委員をはじめ、田村委員も追加利上げを匂わす発言をしており、海外勢を中心に早期利上げ観測は根強く残っている。ただ、前回7月会合時に植田日銀総裁がタカ派発言をしたことで金融市場が大混乱に陥ったことを鑑みると、高田委員が指摘していたように今回は金融市場に配慮した姿勢を示す可能性もある。リーク記事などヘッドラインリスクに警戒しつつ、仮に金利据え置きが明らかになった場合には、ドル円には利上げを囃した向きからのショートカバーが一気に出ることを想定する必要があるだろう。

ユーロドルは、FOMCの政策発表を受けたドルの動向に振らされるだろう。欧州中央銀行(ECB)は12日の定例理事会で予想通り政策金利を引き下げたが、ラガルドECB総裁は定例記者会見で今後の金利見通しについて「特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と従来通りの姿勢を示した。市場では「改めてECBの政策に対する慎重な対応を確認しただけで、次回10月会合の追加利下げを示唆する内容ではなかった」との指摘があった。

ドルの代替通貨としての役割や、実際に世界の為替取引の約四分の一がユーロドルということもあり、ドルが上がるとユーロが下がり、ユーロが上がるとドルが下がる傾向にある。 中東・東欧・ロシア・アフリカとの関係が、他の先進国よりもつよく、これらの国で有事が起こった際には売りが出る傾向がある。

ドル円は、週明けから本邦実需勢から買いが観測されると143.80円まで上昇したが、上値は限られた。米長期金利の低下や日経平均先物の大幅安が嫌気されたほか、中川日銀審議委員のタカ派発言も売りを促し、年初来安値となる140.71円まで下落。強い米コアCPIを受けて反発すると日経平均株価の大幅反発も支えに143円台を回復する場面があったが、戻りは鈍い。

仮に、ドル円が先週と同じ歩調を辿り150円台に乗せるようなことになると、今度は日銀の追加利上げの可能性にスポットが当たることになるからです。今や、日銀にとって為替の水準は金融政策を決める上で重要なファクターになっています。「日銀の金融政策は『為替従属』の色彩を強めているので、輸入物価が抑制されていれば、物価見通しを上振れ方向に脅かすリスクは低下し、利上げを急ぐ必要性は低下する」(第一生命経済研究所主席エコノミスト藤代宏一氏)と見られているからです。さらに円安が大きく進むと、足許の原油高もあり、再びインフレ率が上昇するリスクがあります。9月20日の会見で植田日銀総裁は、「すぐに利上げとはならない」と述べながらも、「現在も実質金利が極めて低い状況であることを踏まえると、経済・物価の動向が日銀の見通し通りであれば利上げを検討することになる」と述べていました。

当サイト口座開設申込限定キャンペーン中!条件クリアで現金3000円がもらえる!

1999年に誕生した欧州の統一通貨。EU加盟全28か国中19か国で採用されている。統一通貨により域内の貿易障壁をなくし、単一市場を形成することで、域内の経済成長に寄与する。一方で、統一通貨の性格上、各国は経済状況に合わせた柔軟な金融政策の実施が難しい。また、単一市場を維持するために、財政赤字が単年度でGDPの3%を超えないこと、累積の国債残高がGDPの60%を下回ることという制限がかかっている。こうした状況から加盟国の一部でユーロに対して批判的な姿勢が見られ、ユーロ懐疑派が選挙で躍進する場面がみられる。 世界の外国為替市場ではドルに次いで取引量第2位。第3位の日本円とかなりの差があることもあり、ドルの代替通貨として、基軸通貨の役割を果たしている。 ユーロ圏全体の経済指標に加え、域内最大の経済大国であるドイツの経済指標でも相場が変動する。その他の加盟国の経済指標に対する注目度は低い。

「実質金利」は、一般的には「表面金利」から「インフレ率」を引いたものをいうことから、先ずは表面金利を上昇させるため、政策金利を引き上げ、それに伴って「表面金利」が高めに推移するよう誘導したい考えのようです。円安がさらに進めば、インフレ率が上昇してしまうことから、政策金利を引き上げても追いつかないことになります。日銀としては極端な円安を回避し、金融正常化を早く達成したいという意向もあるようです。また政策金利をある程度高めに維持しておかないと、いざという時に金融政策では対応できない点もあります。例えば、リーマンショックのような事態が再び起きた場合、政策金利が0.25%であれば、非常時に対応出来るとしても、わずか0.25%の引き下げしか出来ません。これはFRBにも当てはまることですが、彼らの政策金利は50bp下げた今でも、4.75−5.0%です。8月5日には米国株の大幅下落を受け、日経平均株価が過去最大の下げ幅となる4450円も下落したことを思えば、リーマンショック級の金融危機がないとは言えません。「金融正常化」とは、このように非常時にも対応できるような政策金利を維持している状況であることも、広い意味では当てはまるものと思われます。

【来週の注目材料】やや材料不足の中、要人発言、大統領選動向などに注目 来週はそれほど目立った指標発表予定はなく、市場の注目は中銀関係者の発言などになりそうです。米FRB関係者は26日土曜日から11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたブラックアウト期間に入るため、今週の発言が注目されます。 今のところ21日にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁、シュミッド・カンザスシ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました