18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが低下する中で全般的なドル売りの流れとなったほか、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローなども合わさり、149.37円まで下落。ただ、17日安値149.25円がサポートとして意識されたほか、ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことが相場を下支えした。ユーロドルは米長期金利の低下に伴うドル売りなどを受けて1.0870ドルまで上昇した。
本日のドル円相場は、東京市場で主だった経済イベントや要人発言が予定されていないこともあり、本邦株価の推移を見極めることになるか。前週末に米株が上昇した流れを引き継いで本邦の株式が堅調に推移するようならば、前週末に下値の堅さを確認したドル円は17日に付けた直近高値150.32円に向けて上値を伸ばす展開も考えられる。
また、27日に投開票を迎える衆議院選挙での争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われる。17日には一部通信社が「今月末の日銀会合では据え置き、その後は利上げ排除せず」という内容の観測報道を伝えたことで円買いが強まる場面が見られた。引き続き関連報道には注意したい。
他方、中国では1年と5年の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)が発表予定。18日に新華社が中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁の発言として「LPRを20-25bp引き下げる」と伝えたほか、銀行の預金準備率を流動性の状況次第で年末までに0.25-0.50%引き下げる方針を示したことが伝わっている。発表後に中国株や人民元相場に動きが出るか注目したい。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
市場概況 東京為替見通しドル円 株価眺めて方向感模索か
昨日のドル/円は140円台半ばまで下落したのちに142円台後半まで持ち直す荒い展開となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が50bp(0.50%ポイント)の利下げを実施。市場では50bp利下げが優勢との見方ではあったが、完全に織り込みきれていなかったこともあり利下げ発表直後には140.43円前後まで下落した。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「適切であれば利下げを早めたり遅らせたり、一時停止したりする」と述べるなど、大幅利下げの継続が既定路線ではないと強調したことで米長期金利が上昇に転じると142円台後半まで反発した。FOMCを通過したことで市場の注目は米国の労働市場を中心とする経済データに向いている。本日発表される米新規失業保険申請件数は12日を含む週のものであり、米雇用統計のデータが集計されるのと同期間のものとなるため注目が集まる。ドル/円は次のテーマを探しながら方向感を模索することになりそうだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の記者会見で「我々は金融政策を再調整することで、米経済と労働市場の強さを維持しつつ、さらなるインフレの抑制のため、より中立的な政策スタンスへと移行する」と発言。また、「我々はあらかじめ定めた路線を進んでいるわけではない。決定は依然として会合ごとに下す。我々は時期尚早な緩和がインフレに関する進捗を妨げる可能性があると理解している。同時に、緩和が遅すぎれば、経済活動と雇用の弱体化につながる」との見解を示した。その上で、今後の利下げペースについて「会合ごとに判断していく。メンバーが利下げを急いでいるという状況ではない。今回の50bp利下げはインフレ率が2%の目標に向かって持続可能なペースで向かっているという我々の自信の表れである」と述べた。さらに、「今回の決定(50bp利下げ)を受けて、『これが新たな利下げペースだ』とは誰も捉えるべきではない。経済見通し(SEP)を見れば、時間をかけて政策をより中立的な水準に調整し、経済の動向を踏まえて適切と思われるペースで動いているということがわかる」と説明した。パウエル議長が継続的な大幅利下げに慎重な姿勢を示したとの見方からドルが反発。米長期金利は上昇に転じ、米国株は下げに転じた。
29日の東京外国為替市場で、ドル・円は方向感の乏しい展開とみる。前週末の12月PCE(個人消費支出)デフレーターは市場予想を下回り、一時はドル売り・円買いが強まったが、米長期金利の上昇を受けて持ち直した。30-31日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える一方、きょうは注目したい経済指標の発表やイベントが少ない。手控えムードも強まりやすく、持ち高調整を主体に株式市場や債券市場を眺めながらの展開となりそうだ。
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