午前の為替予想は… 一時153円台 東京時間も上伸の余地あり
作成日時 :2024年10月24日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 研究員 中村勉
ドル円予想レンジ
151.800-154.000円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は続伸。週末に控えた衆院選での与党過半数割れの可能性を意識した円売りが持ち込まれたほか、米大統領選でトランプ氏優勢との見方から米長期金利が上昇したことによるドル買いもあり、一時7月31日以来となる153円台へ上昇した。終値は前日比約1.1%高の152.76円前後だった。
日本の政局を巡る不透明感から円売りの圧力は強く、本日もドル/円は上値をうかがう展開が続きそうだ。10月に入り10円近く円安が進行しているが、ワシントンで開催されているG20財務相・中央銀行総裁会合に三村財務官、加藤財務相、植田日銀総裁が出席していることから東京市場における口先介入の可能性が低いと市場は見ているようだ。なお、本日はNY時間に米新規失業保険申請件数が発表される。米国の労働市場の堅調さを示す結果となれば、155円に向けて上値余地が広がりそうだ。
今朝 最新のドル/円チャート
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 一時153円台 東京時間も上伸の余地あり
34年ぶりの円安水準となっていることで、市場関係者の間では、次の焦点は政府・日銀が市場介入に踏み切るかどうかだとしてさまざまな観測が出ています。政府・日銀は2022年に、3回にわたって円安の進行に歯止めをかけるための市場介入を行っています。2022年9月22日には1ドル=145円台後半の水準で24年ぶりにドル売り円買いの市場介入に踏み切りました。そのおよそ1か月後、10月21日には1ドル=151円台後半まで下落したところで介入の事実を明らかにしない「覆面介入」を実施、3日後の10月24日にも同様に覆面介入を行いました。今回は、この水準を突破して円安が進んでいることから、市場関係者の間では政府・日銀による市場介入をめぐってさまざまな観測が出ています。このうち、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは過去の財務大臣や財務官の発言から、政府は1ドル=152円を防衛ラインとしてきたと考えられるとしたうえで「今回、まず海外市場で1ドル=153円をつけたことに加え、岸田総理大臣が訪米中であることが判断の制約になったのではないか。ただ、今後はいつ介入してもおかしくない状況で、一日で1円以上、円安が進む局面などでは介入に踏み切る可能性がある」としています。また、大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「午前中の財務大臣と財務官の発言は少しトーンダウンした印象で、市場にヒントを与えない『死んだふり』だとすれば演技派だが、すぐに市場介入だという緊迫感は感じられなかった。介入の水準は読みづらくなったが、これだけ口先介入を重ねてきた以上、1ドル=155円までは待たずに介入するのではないか」と指摘しています。一方、三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「前回の市場介入の時は円安方向へのスピード感が速かったが、今回はそこまでのペースとは言えず、円安が定着してきていることもあって、すぐに介入に踏み切る可能性は低い。1ドル=155円程度が心理的な節目で、この水準まで円安が進めば政府も看過できなくなるのではないか」と指摘しています。
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