南アフリカランド 月間為替予想「南ア国内情勢と米景気から南アランドの堅調推移の持続性を確認」FXレポート 2024年11月

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南アフリカランド 月間為替予想「南ア国内情勢と米景気から南アランドの堅調推移の持続性を確認」FXレポート 2024年11月
 

南アフリカランド相場見通し

南アフリカランドは相対的に底堅い推移

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと基本的に連動性が高い(第1図)。

ドルは9月半ばにかけては米経済の緩やかな減速とFRBによる利下げ見通しを受けた米金利低下で下落が進んで来た。もっとも、9月後半頃から米経済が予想以上に底堅いとの見方が次第に強まり、FRBによる利下げ見通しがより緩やかなものになるとの織り込みから米金利が反発に転じ、10月以降はドルも反発に転じた。さらに米大統領選において、トランプ氏が激戦州で幾分か有利になりつつあるとの見方から、一部でトランプ氏の大統領返り咲きを見込む向きが出ていることも、ドル高の支援材料となっているようだ。こうした情勢を受けて、10月以降、ランドも対ドルでは下落に転じたが、主要な先進国通貨・新興国通貨に比べて下落は限定的であり、相対的に底堅い推移となっている(第2図)。

南アフリカの政治・経済

今年5月に総選挙で誕生した国民統一政府(GNU)の運営で引き続き大きな支障は生じておらず、ビジネス・フレンドリーな民主同盟(DA)などが新たに加わった連立政権による構造改革進展への期待は続いており、ランドの支援材料となっている。国営電力会社エスコムによる今年3月以来の大規模計画停電の見送りも続いているようだ。また、南アフリカにとっての主要な貿易相手国である中国において、これまでよりも踏み込んだ景気支援策が実施され始めたこともランドにはプラス材料になっている可能性がある。

南アフリカランドの見通し

今後も南アフリカの国内情勢と共に、特に米経済のソフトランディングが実現し、グローバルにリスク選好的な地合いが維持され得るかが、ランドの相対的な堅調推移の持続性をみる上で引き続き重要となろう。この点、11月の米大統領選で、トランプ氏が政権に復帰することになれば、市場も完全には織り込み切れていないだけに、波乱材料となる可能性もあり注意が必要だ。

南アフリカランド/円 週足チャート

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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
橋本 将司氏

公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。

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南アフリカランド 月間為替予想 南ア国内情勢と米景気から南アランドの堅調推移の持続性を確認

10/12の会見で中国政府が地方政府の債務枠を大幅に引き上げる方針を示したことを好感した10/14 の8円58銭を高値にFRBの緩やかな利下げペースを示唆する要人発言などを受けた米長期金利の上昇を背景に上値の重い動きを続け、10/15発表の9月企業マインド指数や8/16発表の8月小売売上高が市場予想を上回ったものの反応は限られ、10/17には8円42銭へ反落。ただ、ドル円が150円台前半へ反発したことにサポートされたほか、南ア全株指数が週末にかけて3連騰と9/27以来の高値を回復したことも好感され8円54銭へ反発し8円50銭で取引を終えました。日足・転換線(8円49銭)を下値支持線として7/23の8円60銭を上回り、7/15以来の8円80銭まで一段高となるか、あるいは転換線を上値抵抗線として、雲の上限/基準線(8円27銭/8円24銭)に向けて反落するか注目されます。そのため、10/23発表の9月消費者物価指数の結果を受けて11/21の南ア中銀政策委員会で9月に続いての利下げ観測が高まるか、FRBの利下げペースが緩やかなものになるとの観測の下、対ドルでのランド売りが対円での下落を招くことになるか注目されます。加えて、ドル円が10/17の150円32銭で当面の頭打ちとなるか、本邦通貨当局による円安牽制発言も相次いで聞かれるだけに、ドル円の動向と合わせて注目されます。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/21午前5時00分現在)では、8.24円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア7月小売売上高(結果+2.0%、予想+2.8%)は市場予想を下回る結果となりましたが、南アランド売りでの反応は限定的となりました。

今後も南アフリカの国内情勢と共に、特に米経済のソフトランディングが実現し、グローバルにリスク選好的な地合いが維持され得るかが、ランドの相対的な堅調推移の持続性をみる上で引き続き重要となろう。この点、11月の米大統領選で、トランプ氏が政権に復帰することになれば、市場も完全には織り込み切れていないだけに、波乱材料となる可能性もあり注意が必要だ。

先週のランドは、4年ぶりに南アフリカ準備銀行(SARB)が利下げを実施したことで、南ア経済持ち直し期待が高まり、8月20日以来の8.269円水準まで買われた。

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、一時8.70円まで上昇するなど、約3カ月半ぶり高値を更新しました。

先週のランドは、17−18日のFOMCや19日の南ア準備銀行理事会、19−20日の日銀金融政策決定会合の開催を前に様子見姿勢が強まり8円手前でのもみ合いとなった。

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