米大統領選直前の激戦区でハリス氏が優勢との報道を受けて、ドル円は週明け早朝から売りが先行し、一時151.60円まで下押した。欧州勢参入後はやや買い戻しが先行したものの、戻りを152.30円近辺にとどめ再び151円後半に押し戻された。
本日のNY市場での経済指標は9月米製造業新規受注程度で、5日の米大統領選が迫るなか米大統領選関連のヘッドラインで、ドル円は神経質な動きが続きそうだ。先週末は10月米雇用統計が予想を大幅に下回り、ドル円も売りで反応したが、トランプ前大統領の返り咲きへの警戒感で米長期金利が一転急上昇し、ドル円も153円台を回復して取引を終えた。
米大統領選では、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領が大接戦を演じ、予断を許さない状況である。最近の世論調査ではハリス氏が激戦区でやや優勢との報道もいずれも誤差の範囲内であり、ほぼ互角となっている。大統領選の不透明感で少なくとも結果が判明するまで金融市場の神経質な動きは続くだろう。トランプ氏の勝利であれば米金利上昇・ドル高に動くとの見方が強い。ハリス氏優勢との報道にドル売りで反応したものの、これはトランプ氏との比較でのドル売りであり、両氏ともバラマキ色の強い政策を掲げており、どちらが勝ってもさらなる金利上昇を招く可能性がある。よって、米大統領選はどんな結果になってもドル高要因になりやすく、ハリス氏が勝利したとしても大きくドル売りが進む可能性は低いと見ている。
・想定レンジ上限
ドル円、先週末1日の高値153.09円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、10月23日の安値151.03円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY為替見通しドル円 米大統領選のヘッドラインに注目
(今後の円相場の見通しは)145円ぐらいを年末の中心レベルということで置いている。かなりレンジは広く見ていて上が155円とすると、下が142円あたりを見ておく必要がある」としている。
また為替市場では素直に円売りとなっていますが、株式市場では売られた直後に急速に値を戻し金曜の高値を超えてきました。これは石破退陣、高市新総裁を軸にした連立を予想した向きによる買いが入っている動きのようですが、どの国のどのような選挙でも証券会社は常に都合よく楽観的なシナリオを示すことで株安を阻止するという、これもまた典型的な動きで8年前のトランプ大統領誕生の時の米国の証券会社の動き(トランプ大統領誕生は株価暴落見通しが、当選が決まった途端にポジティブな面だけをレポートにまとめて投資家に配った)を思い出しました。さて、為替市場特に円相場がどうなるかですが、既に金曜高値から1円50銭ほど円安が進行しています。今週の日銀会合は現状維持でしょうが、会合後の総裁会見には注意が必要でしょうし、週末には米国雇用統計もあります。一方的な円安が進むと考えるよりは適宜利食いの下げも挟みながら着実に押し目買いが出てくる展開が最もありそうな流れかと思います。テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
総選挙は当初自公連立では過半数は確保するだろうとの見方でしたし、石破総裁もそう思って解散総選挙に賭けたということになりますが、投票日が近付くにつれ雲行きが怪しくなり、先週の金曜時点では与党過半数割れの可能性が高いという見方に変わりつつありました。一部のサイトでも与党の過半数割れの確率は99%といった見通しが出ていましたが、裏金問題が予想以上に自民離れを起こしていること、またその影響が連立与党の公明にも波及していました。開票後の出口調査でも与党大敗の予想が出され、早い段階で与党の過半数割れはほぼ確実というヘッドラインが流れ、最終的な議席数は与党215議席、野党・その他が250議席と与党は過半数233議席を大きく下回る結果となりました。政権を維持するには18人を連立与党に加える必要がありますが、無所属の追加公認では足りませんし、可能性を探るとなると立憲以外で維新か国民と組む可能性はあるかもしれません。
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