女性社長わずか08 役員は急増
女性の活躍推進のために自社で行っていることについて尋ねたところ、「性別に関わらず成果で評価」が59.0%でトップ、「性別に関わらず配置・配属」(48.2%)が続き、男女平等に関わる項目が上位に並んだ。次いで、「女性の育児・介護休業を取りやすくする」(40.1%)といった、女性に特化した働きやすい環境づくりに関する対応策が続いた。
女性取締役あるいは外国籍取締役を登用している企業は70.2%と前年より8.6ポイント増加し、女性取締役のみ1人以上存在する企業も62.4%と前年より8.1ポイント増加した。一方、外国籍取締役のみ1人以上存在する企業は1.6%(前年比-0.4ポイント)、女性取締役と外国籍取締役の両方が存在している企業は6.1%(前年比+0.8ポイント)と前年から大きな変化は見られなかった。また、執行役員における女性もしくは外国籍人材の登用状況を見ると、いずれかを登用する企業は22.0%にとどまり、取締役と執行役員では多様性の状況が乖離していることが分かる。 また、女性の取締役あるいは執行役員が1名以上いる企業について、1社におけるその登用割合をみると、取締役と執行役員のいずれも15.7%(平均)であった。プライム上場企業に限ると、女性取締役の1社平均は15.5%、女性執行役員の1社平均は11.6%と全体結果を下回った。既に女性役員を登用していても、政府目標として掲げられた女性役員30%の達成には、まだ多くの企業において課題が残っていると言える。
政府が昨年6月に打ち出した「女性版骨太の方針2023」では、東証プライム上場企業に対し、2030年までに女性役員比率を30%まで高めるよう求めている。企業活動において女性活躍が叫ばれ、女性リーダー育成の必要性が指摘される中、実際のところは十分に進んでいないのが実情だ。
自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均13.1%と、前年(12.7%)から0.4ポイント増加し、過去最高となった。一方で、役員が全員男性とする企業は53.0%と依然として半数を超えている。
変動報酬の導入増加に伴い、変動報酬に紐づける指標の検討・議論も各社で進んでいる。トップエグゼクティブの報酬に最も採用されている指標は、短期インセンティブ、長期インセンティブともに営業利益(短期インセンティブ41.6%、長期インセンティブ40.1%)であった。短期インセンティブでは続いて、当期純利益(30.1%)、長期インセンティブではROE(22.4%)が採用されている。 また、近年の気候変動対応や人的資本経営の要請に伴い、ESG指標を役員報酬の決定に活用する企業も増加している。短期もしくは長期インセンティブのいずれかを導入し、ESG指標を役員報酬に連動させる企業は全体で13.2%(前年比+5.3ポイント)、売上高1兆円以上の企業では61.1%(前年比+18.2ポイント)に達した【図2】。大手企業を中心に、ESG対応が重要な取り組みであると認識され、役員報酬のKPIとして採用されてきたと言える。採用が多いESG指標は「従業員エンゲージメント」50社、「CO2排出量」44社、「女性管理職比率」40社、「GHG排出量」35社と、気候変動および従業員関連指標が先行している。
帝国データバンクの担当者は「女性の登用は拡大しているものの、海外に比べるとまだまだ低水準で、芳しいとは言いがたい」と指摘。また「比率の向上を目的にした起用には落とし穴も多い。ポジションを用意しても適材適所でなく、役職が務まらないといったケースも散見される」と課題を述べている。
東京証券取引所の市場再編で誕生したプライム市場には、トヨタ自動車や日本製鉄をはじめとする日本の主要企業約1600社が集まります。これらのうち、社長を女性が担っているのは何社ぐらいあるのでしょうか。企業が公表した有価証券報告書に基づき、共同通信社が行った大規模な調査によると、女性社長は13人にとどまり、全体に占める比率はわずか0.8%であることが分かりました。女性役員数が伸びていることに照らすと、社長の少なさは一段と際立ちます。経営トップのジェンダー格差は大きく、多様な視点からの経営判断を妨げかねない現状が浮き彫りになりました。
また、男女問わず働き手の家庭と仕事の両立への支援となる「就業時間の柔軟化」(27.8%)および「時短勤務の対応」(25.5%)に取り組んでいる企業はそれぞれ4社に1社だった。他方、政府が特に強化している「男性の育児・介護休業の推進」は15.7%(前年比3.1ポイント増)で前年からの上昇幅は全項目のうち最大となった。しかし、「キャリア開発・育成の充実」(7.3%)や「キャリアに関するモデルケースを提示」(2.6%)といった女性のキャリア支援となる項目はわずかな上昇にとどまり、低水準だった。
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:木村 研一)は、日本企業における役員報酬の水準や株式報酬制度等の導入状況、役員指名、コーポレートガバナンス領域も含めた中長期的な企業価値向上に資するトピックを包括的に調査した『役員報酬サーベイ(2023年度版)』の結果をお知らせします。
最近では、昨年6月に就任したマネックスグループの清明祐子社長(46)や、森トラストの伊達美和子社長(52)ら大手企業トップへの女性就任も増えてはきているが、まだまだ少数派だ。
異例ずくめのトップ就任で注目されたJALだが、そもそも女性が社長を務める企業はどのくらいあるのだろうか。
4月1日付で新社長に就く鳥取三津子氏(59)は客室乗務員(CA)出身。女性としても初めての社長となる。伝統的な日本の大企業で女性がトップに就くのは異例だ。
CEO・社長の後継者が準備できていると回答した上場企業は44.2%(483社)であり、社内取締役・執行役(CEO・社長除く)の56.3%(614社)、執行役員の64.8%(611社)を下回った。後継者人材プールを設定している企業割合も、次期CEO・社長で25.9%(283社)、次期取締役・執行役・執行役員で31.7%(346社)、次期部長クラスで33.9%(370社)と、CEO・社長の後継者管理が遅れている様子がうかがえる。持続的に企業価値を高めるには経営状況や経営計画を見越した適切なタイミングで後継者に経営のバトンを渡せる仕組みが重要となる。現CEO・社長が次期CEO・社長を指名しない限り交代がなされないような慣習にとらわれず、計画的なサクセッションプランの実施が求められる。
女性役員については、今後「増加する」と考えている企業は13.4%となった一方で、「変わらない」は56.5%と半数以上を占めた。
売上高1兆円以上企業におけるCEO・社長の報酬総額(中央値)は、12,341万円で、前年の11,224万円から10%の増加となった【図1】。従来の参加企業より報酬水準が高い企業が新たに参加したことに加えて、報酬水準の見直しや株式報酬導入等の制度改革が実施された結果と見られる。役員報酬水準の引き上げを実施した343社の回答(売上高1兆円未満企業を含む)を見ると、従業員報酬の賃上げに伴う見直し(35.3%)、制度改定による見直し(35.0%)、物価上昇による水準の見直し(13.7%)が理由として多く挙げられた。
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