ドル円、154円台へ上昇…米大統領選挙でトランプ氏が勝利宣言!
欧米時間のドル/円予想レンジ:152.500-155.500円
東京市場のドル/円は、一時154円台へ上昇する展開。米大統領選挙の開票速報でトランプ氏の優勢が伝わると米長期金利の上昇と共にドル買いが強まり、午後には154.34円前後を付けました。ただ、ハリス氏の追い上げなどを背景にやや上げ幅を縮小する場面もありました。
その後もトランプ氏が優勢な状況は変わらず267人の選挙人を獲得。過半数(270人)には届いていないものの勝利宣言をしました。米下院議長も「トランプ氏が次期大統領に」などと発言しています。議会選挙においても共和党は上院で過半数を獲得し、下院では優勢な状況となっています。足元では利益確定売りなどから154円台前半で伸び悩んでいますが、同党が大統領、上下両院の主導権を握る「レッド・スウィープ」となればドル高の後押しとなる可能性があります。その場合は155円台へ上昇する展開も考えられそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、20日・200日移動平均線が下値支持となり切り返すと154円台へ上昇しました。大陽線を形成して高値を切り上げたこともあり上昇の勢いは強いと見れます。本日の高値(154.38円前後)を更新する値動きとなれば155円台に向けた値動きとなる可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
11/6(水)
19:00 ユーロ圏9月生産者物価指数
23:00☆ラガルドECB総裁講演
23:30 デギンドスECB副総裁講演
24:30 EIA週間原油在庫統計
26:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
27:00 米30年債入札(250億ドル)
—– 米大統領選挙・議会選挙投開票
11/7(木)
08:30 日本9月毎月勤労統計調査・現金給与総額
09:30 豪9月貿易収支
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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ドル円 154円台へ上昇米大統領選挙でトランプ氏が勝利宣言 NY市場の見通し
ドル円が156円台へ上昇するきっかけとなり得るのが、上で述べた「トリプルレッド」となろう。
一方、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加の利下げが意識されているにも関わらず、外為市場では米ドル高優勢の状況にある。このタイミングでアメリカ大統領選挙が米ドル高の要因となれば、今週のドル円(USD/JPY)の焦点は、新たな上値水準の見極めとなろう。
だが、日足のMACDはデッドクロスへ転じるムードにある(上のチャート、赤矢印を参照)。一方、RSIは買われ過ぎの水準付近ですでにデッドクロスの状況にある。MACDが明確にデッドクロスへ転じる場合は、10月雇用統計の時を同じく不意打ちのようなドル円の下落を警戒したい。このケースでは10日線のみならず、21日線をも下方ブレイクする展開を想定しておきたい。
ドル円が155.00の水準を完全に突破した後、反落の局面で155円台を維持する局面が見られる場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準156.52レベルを視野に上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。
その候補として注目したいのが、155.00レベルである。IG為替レポートで注目しているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準153.30レベルの突破は、ドル円が154円を目指すシグナルとなろう(下のチャート、黒矢印を参照)。このテクニカルラインのサポート転換、そして154円台への上昇はいずれも、ドル円が155.00レベルをトライするサインと捉えたい。
今週、ドル円が下落するきっかけに得るのが、後編で述べる米議会の「ねじれ」と米連邦公開市場委員会(FOMC)である。
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