NYタイムは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策発表内容へのマーケットの感応度を見定める展開となる。政策金利であるフェデラル・ファンド・レート(FF金利)誘導目標レンジを4.75-5.00%から25bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)引き下げ、4.50-4.75%にすることが予想されている。
利下げ幅が予想通りとなるかに加えて、今後の利下げペースを声明内容やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見から推し量ることになるが、利下げ方向の意向がうかがえるなかでも、トランプ政権後の財政状況を見越して金利水準の低下が限定的にとどまることになるか否かなどにも注目したい。
ペースの速さの違いこそあれど利下げ方向が示唆されるなかでも金利の上昇圧力が感じられようであれば、FRBの金融政策よりも新政権後の動きへの関心がより強まっていることの示唆となる。
一方でFRBのハト派な姿勢を背景にトランプトレードの巻き戻しが進展するようであれば、しっかり腰を据えて米新政権の政策を材料として取引に臨んでいる市場参加者が乏しことを表す証左になるかもしれない。トランプトレードが短期投機的な一過性の動きにすぎず、今後も報道のヘッドラインに振らされるリスクを示すことになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、本日ここまでのレンジ上限154.71円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、1日高値153.09円。
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
第1に 輸出国の経済見通しは米国よりも良好である
為替見通しのベースとなるマクロ経済見通しは、主要国のインフレ圧力が弱まり、それを受け中央銀行が利上げサイクルを終了させ、いずれ利下げを行えるようになることを想定している。
一方円は、今後6~12カ月の間に円高が加速し、ドル円は1米ドル120~122円まで下落するとみている。ドル円は日米金利差の影響を非常に強く受ける。我々はFRBの利上げ局面は終盤に近づいているとみており、また米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の政策金利見通しによると2024年に利下げに転じることから、ドル円の潮目は変わると考える。またFRBが今年後半に金融緩和を検討する余地もあると我々はみている。一方で、日本の景気・物価動向は改善し、日銀は今年7月から10月のどこかの時点でイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を修正すると考える。日銀は10年国債利回りの上限を現行の0.5%から0.75%(または1.0%)まで引き上げると我々は予想する。この日米の景気動向と金融政策の乖離は、今後数四半期の間に米ドルが円に対して下落するという我々の見方の主たる根拠となっている。
米大統領選はトランプ前大統領が勝利し、第47代大統領に就任する見通しである。投資家にはトランプ氏の勝利を踏まえ、将来を見据えた投資判断を行うことを勧める。
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経済指標としては11月6日にNZ7−9月期雇用統計が発表される。就業者数は4−6月期比で減少を見込み、失業率は4−6月期から上昇の見通し。27日に開催のRBNZ(NZ準備銀行)では0.5ポイントの利下げが有力視されているが、それを裏付ける結果になるかが注目される。
豪ドルについては、オーストラリアの国際収支の黒字と中銀のタカ派姿勢維持の見通しを勘案すると、売られ過ぎと我々は見ている。よって、豪ドルは、特に成長重視の投資家には魅力的と考える。また、リスクオフの市場環境では、豪ドルが上昇する可能性は低いだろう。
今回は2023年6月の見通しを終了し、新たに2024年6月の予想を加えた。2024年6月予想は、米ドルがそれまでにさらに下落するとの我々の見方を反映している。第1に、輸出国の経済見通しは米国よりも良好である。第2に、我々のバリュエーション・モデルは米ドルが非常に割高であることを引き続き示唆している。経済環境を考慮すると、米ドルとその他G10通貨の間のバリュエーション格差は今後数四半期の間に縮小すると考える。
また賃金と物価の好循環については、「物価上昇を反映した賃上げが実現するとともに、賃金上昇が販売価格に反映されていくことを通じて、賃金と物価の好循環は引き続き強まっていくとみられる」との見通しを示した。日銀会合の結果を受け、円相場は円高で反応した。
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