本日のロンドン為替市場のユーロドルは、複数のECB高官の講演や11月の独・ユーロ圏ZEW景況感指数に注目する展開が予想される。
ホルツマン・オーストリア中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演では、来年以降はトランプ関税によるユーロ圏のさらなる景況感悪化が予想されるため、12月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げへの言及に注目しておきたい。
11月独ZEW景況感指数(予想:13.0、10月:13.1)やユーロ圏ZEW景況感指数(10月:20.1)では、ネガティブサプライズによるユーロ続落の可能性に警戒しておきたい。
ポンドドルは、英国の雇用統計やタカ派のピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストの講演での追加利下げの時期やトランプ関税に対する見解に注目しておきたい。
英国の雇用統計が悪化していた場合、12月のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での追加利下げ観測が高まることになる。
ピルMPC委員は、先日、スターマー英新政権が打ち出した予算による一時的なインフレ上昇は看過すべきだが、長期的に物価上昇圧力が高まる可能性には注視する必要がある、と述べていた。一方で、ベイリー英中銀(BOE)総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0728ドル(11/11高値)
・ユーロ円:164.27円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2974ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.46円(11/11高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0572ドル(ピボット・サポート2)
・ユーロ円:162.00円(10/21安値)
・ポンドドル:1.2819ドル(200日移動平均線)
・ポンド円:196.90円(11/11安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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