今晩のNY市場は上値の重い展開か。昨日は半導体株が下落したことでナスダック総合が0.06%高と小幅な上昇にとどまったものの、次期トランプ政権の政策期待を背景としたトランプ・ラリーが続き、ダウ平均が304.14ドル高(+0.69%)と2日続伸し、終値で初めて44000ドルを突破した。S&P500も0.10%高と小幅ながら5日続伸し、終値で初めて6000ポイントを上回った。小型内需株が多いラッセル2000は1.47%高と主要3指数をアウトパフォームし、2021年11月に付けた史上最高値まで1%未満に迫った。
個別ではトランプ前大統領の選挙戦を応援したイーロン・マスク氏のテスラが約9%高と大幅続伸したほか、規制緩和期待を背景にゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融株も2%超上昇した。ビットコイン価格が87000ドル台に上昇したことでコインベース・グローバルが約20%高と急伸するなど、仮想通貨関連株も上昇した。
今晩の取引では、次期トランプ政権の政策期待や12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待を背景に引き続き堅調な展開が期待される。ただし、主要3指数が連日で史上最高値更新していることや、翌日以降に10月消費者物価指数(CPI)や10月生産者物価指数(PPI)の発表を控えていることで上値も重い展開か。企業決算発表は寄り前にホーム・デポやモザイク、タイソン・フーズなどが発表予定で、消費動向を巡り、決算やガイダンスが注目される。
今晩の米経済指標は10月NFIB中小企業楽観度指数など。このほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演も予定されている。企業決算の引け後では、オキシデンタル・ペトロリアム 、スカイワークス・ソリューションズなどが発表予定。
(執筆:11月12日、14:00)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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●中国は、不動産市場の低迷に加え、海外企業の投資減少や若年層の雇用悪化などから個人消費も力強さを欠き需要不足が続くことから、景気が徐々に減速するとみられます。ただし、金融緩和や政府の住宅対策、拡張財政により急激な減速は避けられる見通しです。
●FRBは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利(フェデラルファンド(FF)金利)の誘導目標を0.5%引き下げ、4.75~5.00%としました。FOMC参加者による金融政策の見通しは、年内残り2回の会合で0.25%で2回分の利下げを行う内容となりました。
6日08:54 9月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨 「金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にするのが妥当」 「緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面」 「見通しが実現していけば、政策金利引き上げを共有」 「実質金利は、マイナスで推移している」 「企業の資金調達コストは上昇しているが、総じてみればなお低水準で推移している」 「ある委員、現時点では本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利変更は望ましくない」 「1人の委員、今後の政策運営は下方リスクに十分配慮し、データを慎重に確認して進める必要」 「海外経済や市場動向が、日本経済や物価見通し等に及ぼす影響を見極める時間的な余裕ある」 「1人の委員、金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはできない」
ダウ平均構成銘柄以外では、デジタルトランスフォーメーシ(DX)を強みとするIT企業のイーピーエーエム・システムズ[EPAM]が第3四半期決算で市場予想を上回る増収増益を達成し、通期の見通しも引き上げたことで、14.9%上昇しました。また、配車サービスのリフト[LYFT]は、第3四半期決算で、新機能の「プライス・ロック」が好調で、市場予想を上回る売上高と総予約額を達成し、22.8 %上昇しました。一方で、大統領選挙に勝利したトランプ氏が運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ[DJT]は6日に6%近く上昇したあと、7日の取引では23.0%下落しました。また、Tinderなどの出会い系アプリを運営するマッチ・グループ[MTCH]は第3四半期で減益となり、第4四半期決算の見通しを引き下げたことで、17.9%下落しました。
●日本では、インフレ圧力の継続により個人消費が力強さを欠くものの、賃金の上昇、経済対策(定額減税・給付金)、省力化やデジタル化などの設備投資の増加、堅調なインバウンド消費、底堅い米景気を背景に持ち直し、緩やかな成長軌道を辿る見通しです。
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