船井電機破産 不可解な資金の流れ
21年には出版社、秀和システムの子会社である秀和システムホールディングスのTOB(株式公開買い付け)を受け入れて上場廃止に。23年に持ち株会社制に移行し、船井電機HD傘下に事業会社の船井電機を置く体制となった。
さらに、不可解な点が複数あると指摘します。
ミュゼプラチナムの事業継続のために、船井電機の信用力や資金を活用するための買収だった可能性があるという事ですね。
「まず、船井電機HDと、一般的に長らく認知されてきた船井電機は別物です。船井電機HDの23年3月期の事業報告書で、21年度に420億円あった純資産が22年度には256億円に減っていることが明記されています。総資産は724億円から757億円と逆に増えています。注釈には船井電機の22年度の純資産は439.5億円と書かれており、増えています。なので、少なくともこの時点で船井電機が新しくグループの支配者になった秀和システムHDなどによって何か財務の影響を受けたわけではないでしょう。船井電機HDの資産額も一緒に減っていたならば現金が流出したようなことがあり得るでしょうが、資産額は減っていません。
船井電機ほど認知度の高い会社が、そのようなことなく破産に至ったのは、支援しようとした会社がデューデリジェンス(資産の調査)において何かとんでもないリスクや瑕疵を見つけて支援を断念したのか、あるいは、そうした手続きを進める間もなく一瞬にして現金が外部流出して運転資金が枯渇したという可能性があります。
船井電機は2024年10月24日に東京地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けました。負債総額は約460億円とも言われ、全従業員の約2000人が解雇される、という事態になっています。
同社の財務状況をめぐる不自然な動きも注目されている。船井電機・ホールディングス(HD)の財産等の状況をみると、2020年度には518億円あった純資産が、21年の秀和システムHDによる買収を経て23年度には202億円にまで減少。半減以上の幅で減っているのだ。
これまで船井電機の社長には秀和システム代表取締役の上田智一氏が就いて再建に取り組んできたが、今年9月に退任。今月3日には、社長後任には元日本政策金融公庫専務の上野善晴氏が、会長には元環境相の原田義昭氏が就任すると発表されていた。29日現在、同社公式サイト上の会社概要の役員一覧に上野氏の名前はなく、また社長の名前も記載されていない。
船井電機は創業者・船井哲良氏が08年に退任後、赤字が常態化して経営が安定しない状況が続いた。17年に船井氏が死去すると、北海道の病院で院長を務める長男は船井電機株の34.18%を相続。長男は複数の投資ファンドなどから株売却の話を持ち掛けられたが、船井電機に株譲渡の意向を示し、これを受け同社は秀和システムと協議し、秀和によるTOB(株式公開買い付け)によって上場廃止となり秀和の傘下に入ることで合意。秀和の上田智一社長が船井電機社長に就任して再建に取り組んでいたとみられるが、今年9月に上田氏は船井電機の社長を退任した。
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負債総額は800億円とも…船井電機「衝撃な破綻」に残る謎…一連の倒産劇の主導者は何者なのか?
1961年にトランジスタラジオなどの電機製品のメーカーとして設立された船井電機が大きく成長する契機となったのが、米ウォルマートとの取引開始だった。1990年代にウォルマートと提携し、全米の同社店舗で船井のテレビをはじめとするAV機器を販売。OEM(相手先ブランドによる生産)供給の拡大やオランダのフィリップスからの北米テレビ事業取得(2008年)などもあり、世界的に名を知られる存在となった。
船井電機が破産手続きが開始された後の今後は大まかに次のような流れになりそうです。
実際の暮らしの中で船井電機の製品を使用中のユーザーがこのニュースを受けて今後が心配になるのは当然のことです。
船井電機の倒産によって今までのお客様相談窓口やカスタマーセンターはなくなるの?
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