総括
FX「天敵ルビオ氏登場で米中緊張さらに高まるも、人民元は米に協調」人民元見通し
(通貨4位、株価8位)
予想レンジ 人民元/円 21.2-21.7
(ポイント)
*対中関係緊張も人民元だけはドルに協調
*対中強硬派のルビオ上院議員を米国務長官に指名
*ルビオ氏は中国から制裁を受けている
*ルビオ氏は親日、親台湾
*10月消費者物価伸びず
*10月米関税引き上げ前で輸出は駆け込みで大幅増も輸入は落ち込む
*米中首脳が16日にAPECで会談
*李首相、5%成長に自信
*EU、中国製EVへ追加関税、最大45.3%。中国は対抗措置
*工業部門利益、9月は27.1%減
*3Q・GDPは鈍化
*最優遇貸出金利0.25%引き下げ
*ゴールドマン・サックスなどが成長見通し引き上げ
(対中関係緊張も人民元だけはドルに協調)
対中強硬派で現在、中国から制裁対象となっているマルコ・ルビオ上院議員が米国務長官に指名された。後述のごとく、ルビオ氏と中国との関係は最悪だ。一方ルビオ氏は親台湾派、親日本派でもある。
ルビオ氏の指名で上海・香港株価は下落しているが、11月の人民元は対ドルで小幅安に留まっている。1-7月の安定レベルの7.20-7.30に戻っている。対円では7月の日銀の円買い介入で一時19円に下落するも現在は21円台半ばへ回復している。年間では米ドルが3位、人民元が4位と寄り添っている。
(対中強硬派のルビオ上院議員を米国務長官に指名)
トランプ氏は対中強硬派のルビオ上院議員を国務長官に指名した。トランプ氏の対中政策が第1期よりも強硬になるだろう。トランプ氏を巡る不確実性により、中国に対する短期的なセンチメントは弱いままとなる可能性が高い。
(これまでのマルコ・ルビオ氏と中国の関係)
ルビオ氏は東アジア通であり、対中戦略のエキスパートである。 日本については、尖閣諸島を明確に日本領と認めるべきだと主張している。ウイグル問題では「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」の議長を務めている。
台湾に関しては「北京が常に台湾に対し軍事的圧力をかけているのは尋常ではないことだ」としている。WHO参加も積極的に支持している。
香港の人権問題に関しても積極的に取り組んでおり、2019年の黄之鋒の米議会講演ならびに香港人権法案を主導した。米国は香港の前・林鄭月娥行政長官を含む中国と香港の当局者11人を制裁対象とした。中国政府はその報復として、ルビオ氏を含む11人に制裁を行った。
(10月消費者物価伸びず。景気対策の効果見えず)
10月の消費者物価は、前年比0.3%上昇し、9月の0.4%から伸びが鈍化、4カ月ぶりの低い伸びとなった。 食品価格の下落が前月比の消費者物価指数を押し下げた。
人民銀行は9月に経済成長を押し上げるため、新型コロナ禍以降で最も積極的な金融支援策を発表した。
(10月輸出は駆け込みで大幅増も輸入は落ち込む)
中国の10月の輸出は約2年ぶりの大幅な伸びを記録した。中国製品への高関税賦課を公約に掲げるトランプ氏の米大統領選勝利に備えて駆け込み的に輸出が膨らんだ。一方、輸入は予想以上の落ち込みとなり内需の弱さを示した。
輸出は前年比12.7%増加した。9月の2.4%増、予想の5.2%増を大きく上回った。
輸入は2.3%減少と、4カ月ぶりにマイナスに転じた。予想は1.5%減少。
テクニカル分析(人民元/円)
続、月足、8月、9月は下ヒゲ長く10月は反発、11月も陽線スタート
日足、ボリバン2σ上位で推移。雲の上。11月12日-13日の上昇ラインがサポート。10月31日-11月6日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から雲の上まで急騰し小康。10月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。7月8日週-11月4日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン上位。5週線上向き20週線を上抜く。
月足、ボリバン下位から上位へ反発。8月、9月は下ヒゲ長く10月は反発、11月も陽線スタート。10月-11月の上昇ラインがサポート。7月-10月の下降ラインを上抜く。5か月線下向き、20か月線は上向き。
年足、4年連続陽線。22年-23年の上昇ラインがサポート。一時1993年以来の22円台のせも円買い介入で19円台へ下落。一時陰転も現在は陽転21円台。
チーファンラマ
米中首脳が16日にAPECで会談
バイデン大統領が11月16日にペルーで中国の習近平国家主席と会談する。 ペルーのリマで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の合間に会談する予定で、米中の緊張の高まりや世界の紛争について協議する見通し。
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