東京市場は上値の重い展開か。米国株は下落。ダウ平均は207ドル安の43750ドルで取引を終えた。パウエルFRB議長が講演で利下げを急ぐ必要がないと言及したことが警戒材料となり、3指数とも終盤にかけて下げ幅を広げた。10月の生産者物価指数(PPI)は市場予想並みの結果となった。ドル円は足元156円20銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて390円高の38970円、ドル建てが415円高の38995円で取引を終えた。なお、引け後に決算を発表したアプライド・マテリアルズは時間外で下落している。
CME225先物は上振れスタートを示唆しており、円安が一定程度日本株にプラスの影響を及ぼすと思われる。ただ、米国株が下げているだけに、高く始まったとしても場中は伸び悩むだろう。アプライド・マテリアルズの時間外の下落を受けて半導体株は敬遠されそう。国内は今週で決算発表がほぼ出そろい、来週からは材料難となる。買われる場面があってもさほど楽観ムードは高まらず、方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは38300円-39000円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 今日の株式見通し上値が重いか 利下げ期待が後退して米国株は下落
上旬は、米国で労働市場の悪化を示す指標が相次いだことから、FOMC(連邦公開市場委員会)での大幅利下げに対する警戒が広がり、円高ドル安の進行につれて下落した。中旬も利上げ継続を支持する日銀審議委員の発言などにより上値の重い展開が続いたが、堅調な米小売売上高や、パウエルFRB(連邦準備理事会)議長が景気に対し楽観的な見通しを示したことをきっかけに上昇に転じた。下旬は、米半導体企業の市場予想を上回る売上見通しや中国当局の大規模な景気支援策の発表を受け回復基調が続いたものの、最終日は自民党総裁選挙の結果を受け大幅に反落した。業種別には、繊維、倉庫、空運などが上昇し、医薬品、鉱業、証券などが下落した。
エヌビディアが今回発表予定の2024年5-7月期の売上高は前年同月比3.3倍増の見通しですが、この非常に高いハードルをさらに上回ることが株価続騰には必要です。
8日(水)の取引時間中に決算発表したトヨタ自動車の今期2025年3月期の営業利益は約20%減益の見通し。
②<米国金利の動向>米国では、9月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)において、0.5%の利下げが実施された後も、大幅利下げ継続観測が燻っている。今後発表される雇用統計などの経済指標の結果によっては、金融政策の見通しを巡る思惑から、米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。
9月の米国株式市場は、S&P500指数で2.02%の上昇となった。雇用統計で雇用者数の伸びやISM製造業景況指数が予想を下回り、景気減速懸念が高まり軟調に推移した。その後は、半導体大手各社により、AI需要に対し前向きな見通しが示されたことやFRB(連邦準備理事会)による大幅利下げが好感され上昇し、史上最高値を更新した。セクターでは、一般消費財・サービス、公益、コミュニケーション・サービスなどが上昇する一方、エネルギー、ヘルスケア、金融が下落した。
多くの企業が2024年3月期の好決算を発表したものの、今期2025年3月期の見通しが保守的で、材料出尽くし売りや失望売りで下落するケースが目立った背景にも「いつ何時、また為替介入があるかもしれない」という恐怖感があったのかもしれません。
①<日銀の動向>植田日銀総裁は、経済・物価見通しが実現していけば利上げを継続していく方針を繰り返す一方で、米国経済を巡る不透明感や物価上振れリスクの減少などについても言及し、追加利上げに慎重な姿勢を示したことなどから、市場における追加利上げ観測は後退したままである。但し、今後、米国経済の動向や物価動向などを受けて、徐々に追加利上げが意識される展開になるであろう。
市場予想を大幅に上回る今期2025年3月の業績見通しを発表した川崎重工業(7012)の株価は前週比19.9%高。
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