ドル円 トランプ氏勝利でドル高進む
今週初めのドル円は、米大統領選後の反落を経て152円台後半でスタートしました。
11日(月)はダウ平均株価が史上最高値を更新し、ドル円も154円手前まで上昇しました。
12日(火)には一時153円台前半へと失速する場面もあったものの、米長期金利の上昇を背景にドル買いが強まり、154円台後半へと続伸しました。
13日(水)に発表された米10月消費者物価指数(CPI)は概ね市場予想通りの結果となり、発表直後はドル売りが強まって154円台前半までドル安に振れましたが、その後米ダラス連銀のローガン総裁が利下げに慎重な姿勢を示したことなどを背景にドルが買い戻され、14日(木)未明にかけて155円台半ばへと上昇しました。
その後、米議会で共和党が上下両院で多数派となることが確実となったことでさらにドル買いが進み、14日夜に発表された米指標が予想より強い結果となったこともドル買い材料となって、ドル円は15日(金)午前には一時156円台後半へと上値を伸ばしました。
今週のドル円は156円台へと上伸する展開となりました。先週米大統領選挙で勝利したトランプ氏が主張する関税引き上げなどの政策によって物価が上昇し、インフレが再燃してFRBの利下げのペースが緩やかになるとの見方からドル買いの流れが続き、一段と円安ドル高が進行しました。
来週は日本の10月全国消費者物価指数(CPI)などの重要イベントが予定されています。米議会の上下両院で共和党の多数派獲得が確定したこともドル買い材料となる中、当面ドルは底堅く推移するとの観測も出ており、米長期金利の動向やトランプ政権発足に向けた動きを意識した相場展開が続きそうです。
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ドル円相場11 11週振り返り トランプ氏勝利でドル高進む
以上のように見ると、「米金利上昇=米ドル高・円安」は、すでにいつ終ってもおかしくない局面を迎えている可能性が高そうです。ただし、先の日本の総選挙での与党過半数割れ、そして11月5日(火)に投開票が予定されている米大統領選挙でのトランプ氏の大統領返り咲きの可能性は、ともに日米金利差米ドル優位・円劣位拡大要因との見方が強いもの。
何しろ、前述のように、今回円安の進行が激しくても(10月にて10円近く円安が進行、ここ35年で最大の月間値幅のようだ)、主な原因は「トランプトレード」がもたらした米ドル全体の反発であり、円売りが主因ではなかった。
遅くても11月上旬にて米大統領選挙の結果がわかるから、相場はすでに転換の準備を始めているとも思う。ドルインデックスの伸び悩みや波乱があればその前兆とみなし、また米選挙の結果を問わず、ドルインデックスの反落を見込める。
米大統領選挙、そしてFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されている今週(11月4日週)は重要な分岐点になるでしょう。注目イベントの結果を受けて、値動きは荒くなる可能性が高いでしょうが、結果的には米ドル高・円安への戻りの限界、米ドル安・円高トレンドへの転換を確認する見込みが高いと考えています。以上を踏まえ、11月の米ドル/円は、147~156円で予想したいと思います。
一時的、限定的な米ドル/円の上昇は、普通なら足下で150円程度の52週MAを大きく、長く越えない程度にとどまるもの。これまで見てきたようにトランプ勝利を受けた米金利上昇が終了したのであれば、米ドル/円の上昇も先週までで終わった可能性が注目されることになりそうです。
ゆえに、遅かれ早かれ「トランプトレード」の終焉があれば、日銀の政策判断は、為替の要素に配慮しなくてもよいかと思う。市況はいかに。
CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、5日現在で売り越し(米ドル買い越し)が4.4万枚に拡大しました(図表5参照)。
すでに述べたように、先週で米ドル/円の反発が終了したと考えると、今週の米ドル/円の予想レンジ上限は155円とします。一方で下限は、先週の安値の151.2円を割れるようなら、米ドル買いポジションの手仕舞い売りが拡大する可能性から150円としたいと思います。
以上から、今週の米ドル/円の予想レンジは150〜155円で想定します。
米ドル/円に関して、一般論としてドルインデックスの値動きとも乖離があって、ドルインデックスの頭打ち、また反落に対して遅れがちである。
繰り返し述べてきたように「米金利上昇=米ドル高」がどこまで続くかが2月の米ドル/円を考える上での最大の焦点だと考えています。一方で、すでに循環的な円安限界圏にある中では、そうした「米金利上昇=米ドル高」も限られ、2023年11月に記録したこの間の米ドル高値151円の更新はないとの考え方から、2月の予想レンジは145~151円で想定したいと思います。
では、仮に米ドル/円の反発が先週で終了したとして、逆に下落に向かう可能性について考えてみましょう。ちなみに、過去2年は、11月中旬頃から年末に向けて米ドル/円は比較的大きく下落するところとなりましたが、この2024年はどうなるのでしょうか。
それでも「トランプトレード」の一環として買われすぎの段階にあること自体は間違いないので、これから頭打ちを果たし、早ければ2024年年内、遅ければ来年(2025年)春にて再度140円の節目トライがあるとみる。
1年前は、2月3日の米1月雇用統計発表をきっかけに、米10年債利回りは3.3%程度から一気に4%を超える上昇に向かいました。今回も同じように米金利が大幅な上昇に向かうのかが、2月の米ドル/円の行方を考える上では最大の焦点ではないでしょうか。
ゆえに、目先までの米長期金利の急騰は、昨年(2023年)高値を起点とした反落(下落)変動における調整波動と位置付けられ、トランプ氏の勝利をほぼ織り込み済である以上、仮にトランプ氏の当選があっても大きな上昇余地を見込めない。
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