それが その他のカフェと十分競合できる空間をミスドにもたらした
つまり、ミスドが表面上は「なくなっている」ように見えるのは、逆にミスドが躍進していることを表してもいるのだ。
「ファミレスとカフェの中間のようで、なんとなく使いやすい」というのも、ミスドの空間としての価値だろう。そして、現在の改装でも、ミスドはカフェ化をどんどんと推し進めている(ように見える)。
日本フードサービス協会が発表したデータによれば、2023年の飲食業全体の売上高は2019年比で107.7%。物価高の影響があるものの、特にミスドなどが属すると思われるファストフードは2019年比で120.1%で、かなり伸びている。コロナ前よりも多くの人が訪れているのだ。
「ミスタードーナツ、いつどの店舗に行ってもめちゃくちゃ混んでるのに、めちゃくちゃ閉店している」という旨のポストがX上でバズった。 【画像で見る】ミスドの店舗数は減ってる? 客数や客単価は この投稿の背景には、10月31日にミスド秋葉原店が閉店したことがある。秋葉原店の開業は1972年。2024年で開業52年となる長寿店舗だ。近年では外国人観光客の増加に伴い、週末ともなればその店舗には多くの行列ができ「なぜそんな店舗が閉店を?」ということが、ちょっとした違和感をもたらしたのだろう。
ミスドの改装の要点は「店内飲食の重視」だったが、まさにこの方向は期せずしてコロナ以後の動向にマッチしていたのだ。
しかも、これは私がインタビューなどをしていて気づいたことなのだが、ミスドではコーヒーのおかわりが自由だったり、コンセントがある空間もあって、だらだらいやすい。それが、その他のカフェと十分競合できる空間をミスドにもたらした。
特に筆者は、ここ最近、カフェなどをはじめとして「1000円以内ぐらいでだらだらといられる空間」を「せんだら空間」と名付け、そうした空間にニーズがあることを様々な媒体で述べてきた。まさにそうした「せんだら空間」的な方向として、ミスドはピッタリだったのではないか。
「ミスタードーナツ、いつどの店舗に行ってもめちゃくちゃ混んでるのに、めちゃくちゃ閉店している」という旨のポストがX上でバズった。この投稿の背景には、10月31日にミスド秋葉原店が閉店したことがある。秋葉原店の開業は1972年。2024年で開業52年となる長寿店舗だ。
ここからは筆者の持論なのだが、ミスドの「空間への注力」は、コロナ禍以後の成長を大きく支えたのではないかと感じている。
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