午前の為替予想は… 植田総裁は円安を問題視せず 新規材料に乏しく方向感模索
作成日時 :2024年11月19日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 研究員 中村 勉
ドル円予想レンジ
153.800-155.800円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%の円安・ドル高とほぼ横ばいだった。注目が集まった植田日銀総裁の講演内容が警戒されたほどタカ派的ではなかったことで底堅く推移すると、海外時間には米10年債利回りの上昇を背景に、155.36円前後まで上値を切り上げる場面も見られた。ただ、その後は新規の取引材料に乏しく、米10年債利回りが低下に転じたことで上昇幅をほぼ吐きだす形となった。
植田総裁は昨日の記者会見で、現在の円キャリートレードについて「7月初めに見られたような大きなポジションの偏りはない」と述べている。このところの急速な円安はトランプ・トレードによるドル高が主因であり、日銀が円安をそれほど問題視していない点からみれば、ドル/円は引き続き買われやすい地合いが続きそうだ。ただ、本日も新手の取引材料に乏しいことから、昨日同様に米長期金利の動向を眺めた動きとなるだろう。153円台では押し目買いの好機ととらえられる一方で、155円台では戻り売りが強まりそうだ。
今朝 最新のドル/円チャート
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 植田総裁は円安を問題視せず 新規材料に乏しく方向感模索
ゆえに強い米雇用統計は、米ドル高の圧力を再び高める要因となろう。
ドル円が61.8%の水準をもあっさりと下方ブレイクすれば、21日線のトライを想定しておきたい。
ドル円が半値戻しの水準を完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準150.92レベルの攻防が焦点に浮上しよう。このテクニカルラインの攻防では、151円を維持できるかどうか?を確認したい。
今週に入り発表されたアメリカの雇用指標は、9月のJOLTS求人件数が744.3万件と、8月の786.1万件から減少する一方、10月のADP雇用統計は23.3万件と、前月の15.9万人から増加した。そして昨日の週間新規失業保険申請件数は21.6万件と3週連続で減少するなど、まだら模様にある。
ドル円の反発局面では、153円台への再上昇が最初の焦点となろう。153円台へしっかりと上昇する場合は、レジスタンスラインとして意識されている153.30レベル、そして10月28日の高値153.88レベルのトライが焦点に浮上しよう(いずれも上の日足チャートを参照)。
ドル円が21日線を目指すサインとして注目したいのが、半値戻しの水準151.48レベルである。この水準は、10月24日のNY時間から翌25日の東京時間にかけて相場をサポートした経緯がある。
10月の米雇用統計が強い内容となれば、米ドル高の要因となろう。米ドル高はドル円(USD/JPY)を下支えするだろう。
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