地熱発電 国が掘削調査など支援へ

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地熱発電 国が掘削調査など支援へ
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ここでは 日本での地熱発電開発への取り組みについて解説します

岩手県八幡平市 岩手県八幡平市にある日本初の商用地熱発電所である松川地熱発電所では、発電所の蒸気による温水の供給により約700軒の施設に温泉を供給し、さらに地熱蒸気を使った地熱染めなどをおこなっています。

地熱発電は運転開始までに時間がかかることが課題の一つです。実際に、どのようなプロセスがあるのかを解説します。

秋田県湯沢市 大規模地熱発電所である山葵地熱発電所は、国内で23年ぶりに運転を開始した地熱発電所です。「地熱のまち“ゆざわ”」として、観光スポット「ゆざわジオパーク」や、地熱を利用した乾燥野菜、地熱で低温殺菌した乳製品なども製造されています。

地熱発電では、抜本的な拡大を図るために地熱貯留層のない地域などでも、地熱ポテンシャルを最大限に活用するための革新的技術として、高温岩体地熱発電技術(貯留層造成型EGS)や超臨海地熱発電技術(超臨界型EGS)が検討されています。 EGSとは、Enhanced Geothermal Systemsの略で、地熱強化システムのことです。

今後のエネルギー源として期待される地熱発電の資源量や発電量などの現状は、どのようになっているのでしょうか? 世界の活火山の約7%を占める日本では、地熱資源が豊富で世界3位の資源量となっています。(注1)日本以外の国でも環太平洋造山帯に属する国では、地熱発電の利用には大きな期待が寄せられています。日本と世界の地熱発電の現状について解説します。

エネルギーは現代の暮らしに欠かすことのできないものですが、温室効果ガスの排出や資源の枯渇などの問題を抱える石油や石炭といった化石燃料での発電が見直され、再生可能エネルギーへの関心が高まっています。再生可能エネルギーとは、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスにより発電されたエネルギーであり、発電時に温室効果ガスの排出や環境への負荷が少なく、資源が枯渇することのないエネルギー源です。 本記事では、再生可能エネルギーである地熱発電に注目し、地熱発電による発電方法や課題、国内外の現状について解説します。

北海道森町 北海道唯一の大規模発電所である森地熱発電所では、発電に使用しない熱水の一部から温水を生成し、農業ハウスの暖房に利用することで、一年を通してトマトやきゅうりが栽培されています。

地熱発電は、資源も豊富で今後のエネルギー源として期待されていますが、次のようなデメリットもあります。

地熱発電の資源量調査・理解促進事業とは、日本での地熱資源開発を促進すること、また、地熱資源開発地域における周辺住民などへの理解を促進することを目的とした事業です。 そのために、地域住民を対象とした勉強会事業や、地下構造の把握、資源調査にかかるコストを軽減させるなどの取り組みを行っています。 実際の取り組みとして、次のようなものがあります。

多くの地熱資源を持つ日本では、地熱発電への関心が高まっています。しかし、コストや開発期間、地域住民への理解促進など多くの課題があるのが現状です。 これらの課題を解決し、世界3位という多くの資源量を保有する地熱発電は、クリーンなエネルギーとして大きなポテンシャルを持つ将来の重要なエネルギー源となることが期待されます。

日本での地熱発電導入量を増加させるために「地熱発電の資源量調査事業費助成金交付事業」が取り組まれています。 地熱発電開発の課題の一つである高いコストに対して、JOGMECが国から補助金を受け、日本の企業が日本で地熱資源調査を行う場合に、調査費用の一部(地質調査・物理探査・地化学調査等に関する経費や坑井掘削調査等にかかる経費)を助成金として交付する制度です。 地熱資源の多くが自然公園内や温泉地にあることから自然との調和や温泉への影響を考慮し、モニタリング調査や環境事前調査が必要とされるため、助成金の対象となります。 この事業では、令和3年度に20件の調査事業に対して助成金が交付されています。

地熱発電に利用する熱水や蒸気は、雨が地下深部(地下数km)に浸透し、地下にある高温の岩石によって温められることで軽くなり、上昇することで比較的浅い場所(地下1~3km)にある地熱蒸留層に溜まります。そこに穴を開け(ボーリング作業)、熱水や蒸気を取り出し利用します。 地熱発電に利用する熱水や高温の蒸気である地熱流体は、マグマによって熱せられることで高いエネルギーを得ているため、高温で高圧となっています。この地熱流体を気水分離器で蒸気と熱水に分離し、蒸気はタービンを回転させることで発電を行い、熱水は地中に戻されます。 そして、仕事を終えた蒸気は、復水器で冷却され凝縮して圧力が急減することで、タービンを回す蒸気の効率を高めています。復水器に溜まった温水は、冷却塔を通りさらに水温が下がり、冷却水として蒸気の凝縮に再利用されています。

超臨界地熱発電技術(超臨界型EGS) 超臨界地熱発電とは、超臨界水を利用する発電方法のことです。水は1気圧の場合、通常100℃になると気体(水蒸気)となります。しかし、圧力を上げた場合は沸点が上昇し2気圧での沸点は121℃ほどになります。このように圧力を上げると218気圧(22.1Mpa)で374℃に達し、それ以上になると液体と気体の区別が無くなります。そのため、374℃、218気圧(22.1Mpa)を臨界点と呼び、臨界点以上の温度と圧力を持った水を超臨界水といいます。 この超臨界地熱発電とは、地下5kmの深い位置にある超臨界水を利用して発電する方法です。これまでの地熱発電で利用される蒸気は、高くても200℃であったため、超臨界水を利用する発電では大出力化が可能と考えられ、原子力発電所と同程度の発電量が得られるとも言われています。 しかし、次のような課題もあります。

日本は環太平洋造山帯に位置しているため、地熱資源に恵まれています。そのため、地熱発電は安定的でクリーンな国産のエネルギーとして期待されています。 地熱発電のメリットは3つあります。

日本では、2030年のエネルギーミックスの目標である、地熱発電による発電量140〜155万kWの達成に向け、さまざまな取り組みが行われています。 特に日本では、事業対象地域の地元住民や自治体から、開発事業への理解を得ることが一つの課題となっています。そのため理解促進事業や、地熱発電導入拡大のための技術開発が行われています。 ここでは、日本での地熱発電開発への取り組みについて解説します。

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