【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・NY原油先物市場は続伸。終値は前営業日比+0.23ドルの1バレル=69.39ドル(11月19日)。
・11月14日発表の豪10月雇用統計は、雇用者数が1.59万人の増加と市場予想(2.50万人増)を下回った。失業率は4.1%で予想通り前月から横ばいだったが、労働参加率は市場予想や前月(67.2%)を下回る67.1%だった。
・11月5日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。声明は「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要性」など、前回会合から大きな変化はなかった。
・10月31日に発表された豪9月小売売上高は前月比+0.1%と市場予想(+0.3%)を下回った。
・10月30日に発表された豪7-9月期消費物価指数(CPI)は前年比+2.8%(予想:+2.9%、前四半期:+3.8%)、同時に発表された豪9月CPIは前年比+2.1%(予想:+2.3%、前月:+2.7%)となり、いずれも予想以上の鈍化となった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
ウクライナ情勢悪化は資源国通貨豪ドルの買い材料?
昨日はウクライナが米国製ミサイルATACMSを使用してロシア領内を攻撃したことで、ウクライナを巡る地政学リスクが高まり、リスクオフの動きから円や米ドル買いが一時強まった。ただ、その後ロシアのラブロフ外相が「ロシアの核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)は米国のものと変わらない」、「核戦争を起こさないことがロシアの立場」と述べたことが伝わったことで、リスクオフの動きも一服している。
豪ドルはリスクセンチメントに敏感な通貨であるため、今後もウクライナ情勢の悪化には売りで反応する可能性が高い。ただし、2022年にロシアがウクライナへ侵攻を開始した際には、豪ドルは初めは売り圧力に押されたが資源価格の上昇などを支えに次第に下値を切り上げる動きとなった。豪州は地理的にも南半球に位置しており、距離的にも遠いことも一因のようだ。今後もウクライナ情勢を巡る地政学リスクが高まった際には同じような値動きをする可能性があることは留意しておきたい。
本日は豪州や米国にて主要な経済指標の発表は予定されていない。そのため、豪ドルは米国をはじめとした株価指数や原油などの資源価格の動向を眺めた展開となりそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米国株価指数の動向
原油価格の動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は晴れ、豪ドル/米ドルは曇り。午前2時に豪ドル/円の移動平均とMACDでシグナルが点灯
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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23日午前の東京市場での豪ドル円相場は 1豪ドル=98円台で推移
また、足元の豪ドル高の背景には、日銀の追加利上げ見通しが弱まったこともある。植田総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、利上げの必要性を判断するための「時間的な余裕がある」と言及。金融市場では利上げに距離をとったとの見方が広がり、ドル円相場(USD/JPY)は1ドル=144.39円まで円安が進んだ。こうした円安は豪ドル円相場での豪ドル高要因として働いている。
ただ、FRBは18日に0.5%の利下げを決め、今後も追加利下げを行う方向性を示した。このため、今後のドル円相場の見通しが円高方向に戻ることも考えられる。米国経済の堅調さが続けば、日銀が再び追加利上げへの意識を強める可能性もあり、豪ドル円相場での豪ドル安材料となる可能性もありそうだ。
豪ドル円相場で豪ドル高が進んでいる。23日午前の東京市場での豪ドル円相場は、1豪ドル=98円台で推移。13日につけた93.88円から5%近い豪ドル高水準だ。19日にオーストラリアの労働市場の強さが確認され、オーストラリア準備銀行(RBA)が年内に利下げに踏み切る見通しが後退したことが要因。RBAの24日までの理事会では、声明文などで示される今後の金融政策の方向性が焦点となりそうだ。また豪ドル円相場では、日本銀行の植田和男総裁の20日の記者会見後、日銀の追加利上げに対する期待が遠のいたことも豪ドル高要因として働いている。ただ、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ方向に舵を切っている中で、ドル円相場が再び円高方向に動きだせば、豪ドル円相場での豪ドル安要因になる可能性もある。
先週末16日早朝の豪ドル円は、99.80付近で越週。
豪ドル円相場(AUD/JPY)は23日の東京市場では一時、1豪ドル=98.44円をつけた。豪ドル円相場は9月2日に一時、99.83円をつけた後、オーストラリアの経常収支の悪化などをうけて豪ドル安が進行。同時にFRBの大幅利下げ見通しの強まりで円が買われやすくなり、豪ドル円相場は1週間前の16日には93.88円の安値をつけていた。23日の水準は、ここから4.9%ほどの豪ドル高水準だといえる。
これにより、約65円(2020年3月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約98円(2023年11月時点)まで上昇しています。
OANDA証券では、初心者の方でも取引を始めやすいよう1通貨から取引を行えます。 たとえば1豪ドル95円とした場合、約4円から取引を始めることが可能です。
そのため、2024年の豪ドル円を予想する上で、インフレ対策によるRBAの金融政策動向が大きなカギを握っていると言えるでしょう。
豪ドル関連に投資する上で、しっかり確認しておきたいリスク要因は、「財政引き締め」「新興国経済の落ち込み」「一段の利下げ懸念」「資源価格の下落」「世界的な天候不安」などが挙げられます。
20日の豪ドル円は、101.00付近で推移。
2019年7月2日時点の先物市場が織り込む2019年末の政策金利予想では、もう1回の利下げが実施される確率が38.3%とメインシナリオとして見込まれています。RBAの利下げ決定当日の豪ドル相場の反応は、概ね横ばいでの推移となりました。利下げ決定は大方の市場参加者の予想通りの結果であったことから、実際のRBAの利下げ決定は豪ドル相場にとっての悪材料とは捉えられていない模様です。
このためRBAが24日午後2時30分(日本時間24日午後1時30分)に発表する理事会の結果では、声明文やミシェル・ブロック総裁の記者会見で示される今後の金融政策の方向性が焦点になりそうだ。オーストラリア経済をめぐっては労働市場の強さという物価上昇圧力があるものの、経常収支の悪化や中国経済の減速といった不安要素もある。利下げと利上げの両方をにらむ姿勢をとってきたRBAの軸足が利下げ方向にシフトすれば、豪ドル円相場で豪ドル安の見通しが強まる可能性もある。
むしろ、RBAの利下げ決定によって豪州の金融政策を巡る不透明感が払しょくされ、金融緩和による先行きの景気下支え効果への注目が高まれば、豪ドル相場の見直しに繋がる可能性があると考えられます。
2024年前半の豪ドル円見通しを解説する前に、2023年はどのような相場だったのかをざっと振り返りましょう。
豪ドル円相場が豪ドル高に転じた背景にはオーストラリアの労働市場の強さがある。オーストラリア統計局が19日に発表した8月雇用統計では就業者数が前月比4万7500人増となり、ロイターがまとめた市場予想の2万5000人増を上回った。19日のFX市場では豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)が0.75%も豪ドル高に振れている。
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