トルコリラの焦点「個人のリラ買い1年で3倍に膨らむ…金利面の魅力が買いを後押し」FX予想 2024/11/21 #外為ドキッ

トルコリラの焦点「個人のリラ買い1年で3倍に膨らむ…金利面の魅力が買いを後押し」FX予想 2024/11/21 #外為ドキッ

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中東に位置するトルコの通貨リラを取り巻く環境を分析し、トルコリラの今後の値動きを予想した。

執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也 X(Twitter)

個人のリラ買い急増! マイナー通貨特有のリスクに注意

 外為どっとコム顧客のトルコリラ/円の買い持ちが増加している。相場が過去最安値を付けたのは9月17日(4.082円前後)だが、リラ買い・円売りポジションはそれ以前から増え始めており、8月以降の3カ月で30%超増加。前年比では実に3倍に膨らんでいる。

 個人FX投資家が足元でリラを選好する背景としてまず考えられるのは、トルコの超高金利だろう。かつてトルコではエルドアン大統領が提唱する「金利を下げればインフレも下がる」との異説に従って低金利政策をすすめたところ大幅なリラ安が進行。通貨安でインフレが制御不能となり、経済が混乱した。その反省を踏まえた中銀は2023年6月に金融引き締めに転じ、政策金利を8.5%から50.0%へと大幅に引き上げた。これが奏功してインフレはひとまず鈍化傾向にあり、それに伴って通貨安圧力も沈静化しつつある。そうした中で、日本との金利差に着目した、いわゆる「キャリートレード」が個人FX投資家の間で人気化しているようだ。

 トルコ中銀は、インフレが目に見えて低下するまで引締めスタンスを維持する姿勢を示していることから、当面は個人FX 投資家のリラ選好姿勢も維持される公算が大きい。ただ、トルコリラは世界の為替取引におけるシェアが0.2%程度しかない「マイナー通貨」である点には注意が必要だろう。ドルやユーロなどの「メジャー通貨」に比べると市場流動性が薄いため値動きが荒くなりがちだ。特にリラ/円は世界的に見ても個人FX投資家がメインプレーヤーであり、そのポジションは圧倒的な買い超に傾いている。このため、ひとたび悪材料が出るとストップロスを巻き込みながら想定以上に大きく下落するリスクを孕んでいる。リラ/円は、「もしも」に備えたリスク管理が必要な通貨ペアであることを意識しておくべきだろう。

トルコリラ/円(TRY/JPY) 日足チャート

ドル/トルコリラ(USD/TRY) 日足チャート

ユーロ/トルコリラ(EUR/TRY) 日足チャート

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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル トルコリラの焦点「個人のリラ買い1年で3倍に膨らむ…金利面の魅力が買いを後押し」FX予想 2024/11/21 #外為ドキッ

トルコリラの焦点 個人のリラ買い1年で3倍に膨らむ金利面の魅力が買いを後押し FX予想

2024年後半にかけては、エルドアン大統領およびトルコ中銀の金融政策運営に絡んだ相場が予想されます。トルコ中銀は2024年2月に新総裁が就任していますが、歴史的な高インフレを抑えるため、正常化路線の政策運営が継続されています。2024年6月の会合では、3会合連続で政策金利が50.0%に据え置かれ、今後の政策見通しについては、声明文にて「インフレ基調の大幅かつ持続的な低下に向け、引き締め姿勢を維持する」との考えを強調しています。中銀や経験値豊富なシムシュキ財務相の手腕による、正常化路線・原点回帰的な政策運営は、引き続きトルコリラの追い風となるでしょう。このほか、直近は緊急時に為替レートを安定させる外貨準備の増加や、大手格付け会社がトルコの格付け見通しを引き上げるなど、ポジティブな材料がみられ、海外からの資金流入を誘っています。また、日銀の金融政策運営や見通しも押さえておきたいです。2024年3月の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利解除とYCC撤廃が決定され、長らく続いた金融緩和路線から遂に脱却しました。今後は追加利上げを含む金融政策の動向を見極めていくことになりますが、”金利”に着目すればトルコと日本の金利差は健在でしょう。したがって、対円では両国の金利差による高いスワップポイントは投資先として大きな魅力であり、着実な経済成長の実現などの要因も踏まえ、市場におけるトルコリラ/円相場のさらなる回復に期待がかかります。一方で、トルコリラのリスク要因として、エルドアン大統領のスタンスや言動には注意を払いたいです。仮に金融政策の急転換や、中銀の独立性維持が危ぶまれるような事態となれば、リラ売り圧力が強まる可能性は否定できません。加えて、トルコは中東イスラム圏の玄関口であるため、地政学的なリスクを考慮する必要があるほか、トルコリラは主要通貨である米ドルやユーロに比べて流動性が低く、不安定な値動きとなる局面もみられます。したがって、トルコリラ/円の取引に際しては、余裕を持った資金管理の元で、安値更新の展開も考慮してストップを置きつつ、資源開発の開始などトルコ経済の将来性や、トルコ中銀の健全な政策運営に期待したいところです。

ただ、2018年の10月からは、米中の通商交渉に端を発した「米中新冷戦」への懸念から、NY株価を中心に、世界の株価が年末から大きく下落したこと、更に2019年の1月3日には、円が急速に買い戻される「フラッシュ・クラッシュ」が発生したことで、トルコリラ円相場は、21.19を戻り高値として、年を通じてこの高値を超えることはありませんでした。 一方で中銀の利下げ効果で、トルコ経済には一定の立ち治りが見え、インフレ率も低下傾向となったことが、トルコリラ円相場の下支えとなりました。ただ、外的要因として、米中通商協議の混乱が続いたことで円相場の下値が堅かったこと、特に8月には、トランプ大統領が、中国に対する追加関税を強化したことで、一時的なショック安となり、年間の安値となる16.15まで一時下落しました。 この下げは、9月以降米中通商協議の雪解けもあって、一過性に終わりましたが、年後半には、エルドアン大統領が、ISの撤退後シリアのクルド人に対する弾圧を強化していること、東地中海のキプロス沿岸で資源開発を続けているトルコが、リビアと軍事協力を強める可能性が示唆されていること、ロシア製ミサイルの購入で、米国が不快感を示しており、更に米上院が、20世紀前半のオスマン帝国によるアルメニア人虐殺を認定し、米議会がトルコへの制裁を求めていることが、トルコリラ円相場の上値を抑ええています。 加えて年初には、米国によるイランのソレイマニ司令官の殺害事件を発端に、中東に緊張が高まっています。この展開はまだまだ不透明ですが、今後もこの緊張が続くと、トルコリラ円相場にも良い影響を与えることは、なさそうです。

足元のトルコリラ/円は、おおむね4.4円~6.6円で推移しており、近年は特に荒れた値動きとなる局面もみられました。2018年8月に米国がトルコに対して制裁関税を課したことを発端としたトルコショックは有名です。また、2021年にはエルドアン大統領による中銀総裁の解任や、リラ建て定期預金の為替差損を保証する「預金保護策」の発表を受けて、トルコリラ/円は乱高下しました。さらに、同年後半からはインフレ高進下ながら、景気浮揚を優先させるため利下げを行う「非伝統的な政策」を推進したことで、対ドルでトルコリラ安を進行させる大きな要因の一つとなり、金融政策への介入なども問題視されてきました。しかし、2023年のトルコ大統領選挙での勝利後、エルドアン新政権の誕生を契機に潮目が変わっています。中銀総裁の交代や内閣改造が実施され、中でも過去に副首相・財務相を歴任した、メフメト・シムシュキ財務相の就任は、マーケットでは金融政策転換への期待感が広がりました。そして、トルコ中銀は同年6月の金融政策決定会合にて、これまでの異例の緩和政策を終了し、2年3か月ぶりの利上げを決定しました。その後も政策金利は段階的に引きあげられ、2024年6月時点で50.0%まで上昇するに至り、金利面の優位性を大きな支えに、トルコリラ/円は持ち直し基調を印象付けています。

過去多くの例がありますが、トルコリラ円の取引では、トルコ独自の問題だけではなく、他国の政治や地政学リスク、株価の動きにも注意が必要です。 クロス円の取引は、みな同様の注意が必要ですが、直近でも例を挙げると2019年1月3日のフラッシュ・クラッシュの時は、米中通商協議の混迷で、世界的な株価の暴落懸念からドル円相場が瞬間的に、大きく下げたことで、トルコリラ円相場も大きく値を崩しました。 また、新興国・高金利通貨は、特に流動性の低い取引です。悪材料が出た場合に、下落幅の拡大やスピードが速くなる傾向が強いことも、留意してください。

また、景況感を見る上で重要な製造業PMIもチェックしておきましょう。 こちらもトルコリラ・ショックで42.7%まで低下しましたが、現状は戻り歩調をみせています。ただ、現状景気の好不況を判断する基準となる「50」をしっかりと超えていません。こちらも今後しっかりと「50」台を上回る位置を確報できるか、注目しましょう。

「スプレッド」とは、FXにおける実質的な取引コストのこと。FXの場合、自動売買などの特殊な注文機能を使わなければ取引手数料は“無料”となっているものの、実際には「売値(Bid)」と「買値(Ask)」に差(=スプレッド)が生じており、これがFXにおける取引手数料に相当するのだ。つまり、FX投資で取引コストを抑えたいなら「スプレッドの狭さ」に注意してFX口座を選ぶ必要があるということ。

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◇政策金利の引き上げ通常は、政策金利を引き上げると、その国の通貨を保有することで受け取れる金利が上がり、通貨の魅力が高まる=その通貨が買われる。という流れが発生します。あくまで為替レートが教科書通りの動きをすると仮定すると、トルコが政策金利を引き上げる場合、トルコリラ円通貨ペアはトルコリラ買いにより円安傾向に向かうと考えられます。しかし、為替レートが素直にそのような動きをすることは少なく、それぞれの国の置かれた状況・相場状況によって、反応は様々なものとなります。

「恐らく通貨の歴史に長く刻み込まれる事件になるだろう」。長年為替相場を見続けてきた三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏はそう振り返る。日本時間8月10日(金曜日)から13日(月曜日)早朝にかけてのトルコリラ大幅下落のことだ。24時間(営業日ベース)に対円相場の急落が3回も発生。合計の下落率は2割を超えた。まさに「魔の24時間」だ。

トルコは、アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがり、北は黒海、南は地中海に面し、西でブルガリアとギリシャ、東でジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、イラン、イラク、シリアと接しています。古代から東西交通の要となっており、国家としても過去いくつかの支配の変遷がありましたが、13世紀からは「オスマン帝国領」となり、1923年にケマル・アタチュルクによって、現在のトルコ共和国が生まれています。トルコには、トルコ人以外にもクルド人、クリミア・タタール人、アラブ人などの少数民族が多く、住民の97%がイスラム教徒ですが、地理的な特殊性から不安定な政情が続きました。第二次大戦後は、ソ連と国境を接することで、トルコは冷戦の最前線基地となり、その後も中東紛争の重要な拠点として、近隣諸国との軋轢や民族紛争など常に対立や混乱が続いています。その政変や軍事クーデターが続いていたトルコで、安定政権の樹立に成功したのが、現トルコ大統領の「レジェップ・エルドアン氏」です。2002年に同氏が率いる公正発展党(AKP)が単独与党の座を獲得するや落ち込んでいた経済の立て直しに着手しました。2004年にEU加盟交渉国となり、海外からの投資が相次ぎ経済も大きく発展しました。 しかし、エルドアン大統領が率いる公正発展党はもともと親イスラム政党であり、政教分離を快く思っていなかったエルドアン氏と政教分離を守ろうとする軍部との対立が次第に激化し、遂に2016年には、エルドアン大統領の追い落としを狙った「軍事クーデター」が発生しました。この時も、トルコリラ相場は、大きく調整しました。公正発展党による低所得者対策などが功を奏し、国民がクーデターを支持しなかったことでクーデターは、失敗に終わりましたが、現在もエルドアン大統領の独裁的・強硬姿勢から政権の不安定さは続いています。

概ね連動している形が見えますが、現状は、金利やインフレの低下にも、ドルトルコリラ相場が、若干離れた動きとなっています。これは、恐らくトルコの政治面や地政学面のリスクが、トルコリラ買いを押さえてしまっていることが影響していると想定されます。そうなると、こういった面で、今後改善が見えないとトルコリラ相場の上昇も難しい状況が続きそうです。

それでは、トルコの直近のGDPの推移を見てみましょう。2018年のトルコリラ・ショックで、▲3.0%まで落ち込んだ後は、2019年の第3四半期は、プラス圏を回復しています。特に一2019年トルコリラ相場が、およそ30%下落したことを受けて、インフレ率と金利が急上昇し、内需を圧迫しましたが、個人消費は好調で、トルコリラ安もあって純輸出の増加が寄与し、景気は回復しつつあるようです。今後もトルコ経済の回復傾向が継続できるか注目です。

問題はこの過程で外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける日...

◇CPIとは消費者物価指数のことを指し、消費者が購入するモノやサービスなどの物価動向を知ることができる経済指標であり、「経済の体温計」と言われることもあります。物価は、国民がお金を多く消費するほど上昇(インフレ)します。良好な経済成長には消費活動が不可欠であり、緩やかなインフレは経済成長において良い材料です。しかし急激なインフレは消費活動を阻害し、通貨売りの材料となる場合があります。まさに2018年のトルコショック時のCPIは悪性インフレと見てとれます。

「トルコリラ/円」は「米ドル/トルコリラ」と「米ドル/円」のクロス通貨(合成通貨)で、「トルコリラ/円」が外国為替市場で直接取引されることはあまりない。しかし、「トルコリラ/円」は日本のFXで取引できる通貨ペアの中では金利水準が高く、値動きが荒くなりやすいことから、一部のFX投資家から高い注目を集めている通貨ペア。また、「トルコリラ/円」のスプレッドはここ数年で狭くなってきているので、昔に比べて短期や中期の取引もやりやすくなっている。「トルコリラ/円」のスプレッドは、1.0銭あたりがFX業界の最狭水準。仮に「トルコリラ/円」のスプレッドが1.0銭なら、1000通貨取引では往復10円、1万通貨取引でも往復100円のコストで取引できる計算だ。

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