ドル円午前の為替予想、底堅さを示すも徐々に上値を追いにくくなる 2024/11/21

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ドル円午前の為替予想、底堅さを示すも徐々に上値を追いにくくなる 2024/11/21

午前の為替予想は… 底堅さを示すも徐々に上値を追いにくくなる

作成日時 :2024年11月21日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所  研究員 中村 勉

ドル円予想レンジ

154.700-156.500円

前日の振り返りとドル円予想

昨日のドル/円は前日から約0.5%上昇。米10年債利回りの上昇を背景に全般的にドル買いが強まると、一時155.88円前後まで上昇した。その後、ウクライナが英国製巡航ミサイルでロシアを攻撃したことが伝わると、地政学リスクへの懸念から155.06円前後へと上げ幅を縮小する場面も見られたが、対ユーロなどのストレートドルでドル買いが進んだ影響から下げ渋った。
本日は植田日銀総裁の講演が予定されている。植田総裁は18日の講演で、追加利上げのタイミングについて「先行き経済・物価・金融情勢次第」との見解を示していた。そのため植田総裁の見解に大きな変化はないとみているが、念のため注意しておきたい。ドル/円は20日移動平均線を下値支持に底堅い動きを続けている。目先の上値目途は昨日上値を抑えた156.00円前後や、15日高値の156.75円前後となりそうだ。ただ、ウクライナがロシア領内への攻撃姿勢を強めており、さらに来週には米感謝祭休暇が控えている。そのため、積極的に上値を試す動きにはなりにくく、徐々に様子見姿勢を強めていきそうだ。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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ドル円午前の為替予想 底堅さを示すも徐に上値を追いにくくなる 2024

10月7日のIG為替レポート「ドル円の週間見通し 米雇用統計の衝撃、米利下げペースの思惑とドル安シナリオの修正、ドル円は150円が再び視野に」で述べたとおり、解散総選挙(10月27日投開票)後も政治サイドから追加利上げに対するけん制が相次げば、今年末に向けて再び円安が進行するシナリオも用意しておきたい。

(A)については、日米の金融政策の方向性の違い(FRBの金融引き締めと日銀の金融緩和維持)が円の先安感に寄与した。しかし、今後については、2024年はFRBの利下げと日銀のマイナス金利政策終了が材料視されるなか、一方的に円の先安観が高まるとは考えづらい。

しかし、現時点ではその可能性は低下している。米金融政策の不透明感に加えて、先週もうひとつ大きな動きがあったからだ。それが、国内政治の面で日銀の追加利上げに対するハードルがジワリと高まってきたことである。

一方、民主党のカマラ・ハリス候補がアメリカ大統領選挙で勝利する場合、米ドルはどのような展開となるのか?

前回のレポートでは、アメリカ大統領選挙でトランプ候補が勝利をおさめても、パウエルFRBによる大幅利下げが米ドル高圧力の後退要因となり、緩やかな米ドル安へ転じる見通しを示した。

米ドル高の進行、そして日銀の追加利上げ観測の後退による円安が重なる場合は、152円の上方ブレイクを想定しておきたい。このケースでは、今年7月の高値と9月の安値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準153.40レベル、そして76.4%の水準156.67レベルのトライが焦点として浮上しよう。

特に、共和党のトランプ候補がアメリカ大統領選挙で勝利する場合は、米ドル高が予想外に進行するシナリオを考えておきたい。このケースでのドル円は、140円や短期サポートラインの維持よりも、「どの水準までドル円が上昇するのか?」この点が焦点となりそうだ。

2023年のドル円は、日米の金融政策見通しに振り回される1年となった。

以上を踏まえ、2024年のドル円は円高・ドル安を予想するが、円安リスクも2点指摘したい。

投機筋の円売りポジションが高水準である点も、円高要因として作用しよう。(A)ドルの先高感・円の先安感、(B)円売りドル買いのキャリー取引の活性化等が主な要因だ。一方、今後は、(A)一方的な円の先安観は高まりにくく、(B)日米金利差の縮小に伴ってキャリー取引は減少する、と考えている。

米ドルのトレンドを考えるうえで重要な指標であるドル指数(DXY)は先週、中期の移動平均線である50日線のみならず、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準102.45レベルをも突破した。今週は、半値戻しの水準103.15のトライそして上方ブレイクが焦点となろう。

日米の金融政策に対して市場の思惑が揺れている。この状況は、米ドル安と円高の圧力をジワリと後退させる要因となろう。よって、今年末に向けたドル円(USD/JPY)は節目の140円、テクニカルの面では短期サポートラインの維持に注目したい(下の週足チャートを参照)。

一方、ドル円が140円を下抜ける場合は、前回のレポートで取り上げた138円または137円のトライが焦点となろう。

一方、仮にハリス候補が大統領選挙で勝利した後、さえない米経済指標が続きパウエルFRBの利下げペースが速まるとの思惑が再び強まれば、米ドル安優勢へ転じるシナリオを用意しておきたい。

11月中旬以降、ドル円は一転円高基調となった。下値支持線の100日移動平均線(MA)を下回り、少なくとも短期的には円安トレンドから転換した。足元は、200日MAの1ドル=142円台で推移している(図表2)。背景には、①FRBによる利下げ観測の高まり、②日銀による金融緩和策の修正観測がある。11月1日時点で、米債券市場は2024年の利下げ回数を3回程度とみていたのに対し、12月27日時点では、6回の利下げを織り込んでいる。11月までの円安要因がはく落し、逆に円高要因として作用する構図だ。

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