スギ薬局調剤ミス 遺族と和解成立
ドラッグストアのスギ薬局で調剤された薬を服用した70代の女性がその後死亡したことをめぐり遺族が訴えた裁判は、スギ薬局がミスを認め、遺族におよそ4200万円を支払うことで和解しました。
訴状によりますと都内の70代の女性は3年前、スギ薬局で調剤された薬を服用して1か月後に意識を失い翌年に亡くなりました。その後、持病ではない糖尿病の薬が含まれていたことが分かり、遺族がスギ薬局などに賠償を求める訴えを起こしました。22日、東京地方裁判所で裁判が始まりましたが、スギ薬局が「調剤ミスによって意識障害に至らせ、ご遺族とお話もできずお亡くなりになったことについて深く謝罪する」と伝え、遺族におよそ4200万円を支払うことで和解が成立しました。都内で開かれた会見で、死亡した女性の長男は「スギ薬局には人の命が亡くなったことの責任の重さを受け止めて反省してほしい」と話していました。スギ薬局の親会社の「スギホールディングス」は「深くおわび申し上げます。店舗管理と再発防止を徹底して参ります」とコメントしています。
条項にはないものの、スギ薬局親会社のスギホールディングスの榊原栄一会長も遺族に直接謝罪する意向だという。
訴状などによると、東京都在住の田村マキさん=当時(74)=は令和3年10月、都内のスギ薬局店舗に持病の薬の処方箋を提出。薬剤師は処方薬に加え、高齢者にはリスクがある別の患者の糖尿病の薬も混ざった包みを渡した。薬を服用した田村さんは翌11月に意識不明となり救急搬送。翌年5月に亡くなった。
遺族側はこの日、「二度とこのような事故を起こさないよう会社として最善を尽くしてほしい」などとするコメントを公表した。
遺族側の代理人弁護士によると、和解条項には、女性が調剤過誤によって意識不明となり、会話ができないまま亡くなったことについて、法人としてのスギ薬局と、処方に関わった薬剤師ら3人が深く謝罪することが盛り込まれた。
遺族側は薬剤師が確認を怠ったほか、スギ薬局側の管理体制にも問題があったと主張していた。
訴状によると、女性は2021年11月、スギ薬局から処方された薬の服用後に意識不明となり、低血糖脳症で搬送され、約5カ月後に死亡した。薬の小分け包装の際に、女性の持病と関係ない血糖値を下げる薬が混ざっていたとされる。
ドラッグストアのスギ薬局で調剤された薬を服用した東京都内の女性(当時74歳)が死亡したのは調剤ミスが原因だとして、遺族がスギ薬局側に約4000万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、東京地裁(堀田次郎裁判長)で和解が成立した。スギ薬局側が遺族に同額を支払い、謝罪する内容。
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