27日の日経平均は大幅続落。終値は307円安の38134円。米国株の上昇は好感できず、3桁下落スタート。円高進行に対する警戒が高まり、安く始まった後も下押し圧力の強い地合いが続いた。前場では下げ幅を300円超に広げたものの、38000円は下回らなかった。しかし、後場は一段安となって一時下げ幅を400円超に拡大。14時台には38000円を割り込んだ。38000円を下回ったのは一瞬で、引けにかけては押し目を拾う動きも見られたが、戻りは鈍く300円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1700億円。業種別ではその他製品、医薬品、サービスなどが上昇した一方、輸送用機器、海運、非鉄金属などが下落した。公募・売り出しの価格が決まった関西電力が、商いを伴って3.9%高と大幅上昇。半面、円高を嫌ってトヨタ自動車が3.6%安と大きく下げており、自動車株が軒並み大幅安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり270/値下がり1354。レーザーテックやディスコなど半導体株の一角が上昇。売買代金上位ではソフトバンクG、フジクラ、任天堂などの動きが良かった。自己株取得・消却を発表したオリエンタルランドと、この買い付けに応募する意向を示した京成電鉄が大幅上昇。決算が好感されたダイドーGHDが急騰した。
一方、半導体株は濃淡がついており、アドバンテストが大幅安。三菱重工や川崎重工など防衛関連が弱かった。川崎汽船、商船三井など海運株や、三井金属、東邦亜鉛など非鉄株が全般軟調。今期の最終赤字見通しを公表したダブルスコープが年初来安値を更新した。売り出しを発表したサンリオは、前日には上場来高値を更新していたこともあり、14.4%安と派手な下げとなった。
日経平均は連日の大幅安。日中の動きもきのうと似ており、安く始まって下げ幅を広げ、38000円近辺まで下げたところでは切り返した。ただ、きょうは一時38000円を割り込んでおり、円高がネガティブとなる銘柄の下げが大きかった。プライムの値下がり銘柄は1000を超えている。これらの動きを見る限り、悪材料はきのうで消化しきっていなかったと考えられる。トランプ氏が大統領に就任してもいない段階で、しかもSNSによる発信に対して2日連続で大幅安となるようでは、先が思いやられる。
米国は28日が感謝祭により休場で、きょうは積極的な売買は限られるだろう。26日の米国株の上昇はきょうの日本株にはまったくプラスに作用しなかっただけに、きょうの米国株が上昇したとしても、あすの日本株が買われるかどうかは微妙。米国株が感謝祭を前に利益確定売りに押された場合、ネガティブな材料にはしっかり下に反応する可能性がある。金曜29日は米株休場で材料難となるため、あすの日本株が弱かった場合には見切り売りが加速しやすい。日経平均、TOPIXともにきょうの終値は75日線に近く、一段安となればテクニカル面からも売りが出やすくなる。踏みとどまって年末株高への期待をつなぐことができるかどうか、あすの動きが大きく注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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