ユニチカ 繊維事業から撤退へ

ユニチカが繊維事業から撤退することが２８日、関係者への取材で分かった。三菱ＵＦＪ銀行などが３００億〜４００億円規模の債権放棄に応じる。

ユニチカが繊維事業から撤退することが28日、関係者への取材で分かった。三菱UFJ銀行などが300億～400億円規模の債権放棄に応じる。

大手繊維メーカーの「ユニチカ」は、赤字が続いていた祖業の繊維事業から、撤退する方針を固めました。これに伴って主力銀行などは300億円から400億円規模の債権放棄に応じる方向で調整を進めています。

大阪に本社がある「ユニチカ」は、1889年に「尼崎紡績」として創業したあと、主力メーカーの一角として、化学繊維の輸出などを手がけ、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えてきました。関係者によりますと、衣料品向けなどの繊維事業は、近年は、中国メーカーなどとの競争の激化で赤字が続いていたことから、撤退する方針を固めたということです。今後は、需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中するとしています。祖業の繊維事業の撤退に伴って会社は、主力銀行の三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などに対して債権放棄を要請し、各行は合わせて300億円から400億円規模の債権放棄を行う方向で調整しています。かつて日本の主力産業だった繊維産業は、国際競争の激化で国内市場の縮小が続く中、メーカー各社の間で事業の縮小や撤退の動きが相次ぐ一方、高機能繊維の開発などによる競争力の強化が求められています。

ユニチカが繊維事業から撤退することが28日、関係者への取材で分かった。三菱UFJ銀行などが300億～400億円規模の債権放棄に応じ、官民ファンドが出資して筆頭株主となり支援する。繊維事業は低迷が続き、2025年3月期連結決算は2年連続の赤字を見込んでいた。今後は食品用包装フィルムなどの高分子事業に注力する。

ユニチカの今後は？