【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、トランプ関税への警戒感が重し

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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、トランプ関税への警戒感が重し

◆ポンド、英景気の不安定さを背景に買いづらい

◆加ドル、トランプ関税への警戒感が重し

◆加ドル、11月雇用統計に注目

予想レンジ

ポンド円 189.00-195.00円

加ドル円 106.00-110.00円

12月2日週の展望

 ポンドは、英景気の不安定さを背景に買いづらい展開となりそうだ。先週末22日に発表された10月小売売上高は、前月比が予想以上にマイナス幅を広げるなど総じてさえない結果となった。また、11月購買担当者景気指数(PMI)速報値もサービス部門・製造業ともに市場予想より弱かった。景況判断の境目50への回復が期待された製造業は、逆に48.6まで低下した。来週は11月PMIの改定値が発表される。仮に、PMI製造業が上向きに修正されたとしても、2カ月連続の50割れは避けられないだろう。英経済の回復基調の弱さが、ポンドの買いづらさに繋がりそうだ。

 なお、短期金融市場では「12月の英中銀金融政策委員会(MPC)で金利据え置き」との見方を維持。来年2月のMPCについては0.25%利下げを7割程度織り込でいる。ロンバルデリ英中銀副総裁は今週、「段階的な利下げを支持」と述べたが、市場の見立てに影響はなかった。

 加ドルはトランプ関税への警戒感が重しとなりそうだ。トランプ次期米大統領は週明け、「メキシコとカナダからの全輸入品に25%の関税を課す」との意向を表明。これまでも、メキシコへの関税については言及してきたが、友好国であるカナダに対しても厳しい姿勢を示したことは、市場にとってサプライズだった。25%の関税賦課となれば、総輸出額の8割弱が米国向けであるカナダ経済にとって打撃は大きい。加ドルにとってもネガティブインパクトであり、状況が好転しない限りレンジ切り下げに繋がるかもしれない。

 もっとも、米国は原油輸入の約6割をカナダに頼っており、米国内のエネルギー安定にカナダの貢献は欠かせない。その原油に25%の関税が課せられるようだと、トランプ氏が大統領選で公約として掲げた「エネルギー料金の大幅引き下げ」の実現が難しくなるのが明らか。今のところ、トルドー加首相は報復関税などによる対立ではなく、トランプ氏との関係構築に動いている。両者が落しどころを見つけることができれば、市場のセンチメントも改善するだろう。

 カナダの経済指標では、12月6日に発表される11月雇用統計に注目。10月分の失業率は市場予想より良く、前回から横ばいの6.5%だった。失業率悪化に一服感が出ており、11月は改善期待が高まりつつある。また、新規雇用者数は前回、予想に届かなかったものの3カ月連続の増加だった。発表の週末までは、数字への思惑で上下することになりそうだ。

11月25日週の回顧

 ポンド円は194円半ばから一時190円後半まで下落。加ドル円はトランプ次期米大統領の関税強化発言で貿易摩擦激化への警戒感からリスク回避ムードが強まった。カナダが名指しされ、110円後半から107円前半まで売られた。

 ポンドドルは1.25ドル台で伸び悩む場面もあったが、月末にかけたドル売りで1.26ドル後半まで上昇。ドル加ドルは、トランプ関税を嫌気して1.41加ドル後半まで加ドル安が進行。ただ一巡後は1.40加ドル前後まで加ドルが買い戻された。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、トランプ関税への警戒感が重し

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また、ポンド円相場でのポンド高には日銀の利上げ見通しの弱まりも影響していそうだ。日銀の植田和男総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、追加利上げの是非を判断する「時間的な余裕がある」と述べ、ドル円相場(USD/JPY)での円安を引き起こした。

ドル円相場をめぐっても円高圧力は続きそうだ。日銀が追加利上げから距離をとったとはいえ、金融市場ではFRBが年内にさらに0.75%幅の利下げを行うとみられており、日米金利差の縮小が進む見通しとなっている。ドル円相場での円高が進めば、ポンド円相場ではポンド安につながることが想定される。

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