このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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年内の成長・インフレ見通し引き上げ 25年は予測据え置き
メキシコ中銀は11月27日に発表した四半期報告で、メキシコの2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を前年比1.2%とし、前回予想を据え置いた。一方、24年の成長率は1.8%になると見込み、前回予想の1.5%から引き上げた。他方、25年末のインフレ率予想は前年比で3.0%に据え置いた。24年10-12月期の平均インフレ率見通しは前年同期比で4.7%とし、前回予想の4.4%から引き上げた。
翌28日、中銀は11月の金融政策決定会合の議事要旨を公表。「大半の委員が米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことに伴う不確実性が世界の金融市場を不安定化させた」と指摘したことが明らかになった。その上で、ある委員は「過去のサイクルの開始時期と比べて今回は金融政策運営により強い慎重さが求められている」と主張。別の委員も、最近ブラジルでインフレが再燃してせっかく始めた利下げから利上げに転換せざるを得なくなった事態を教訓に「利下げの幅やペースを入念に計算して、物価上昇率が目標付近にしっかり定着する前の早過ぎる利下げは避けなければならない」との考えを示した。
これらを受けて市場では、中銀が当面は制約的な水準に金利を維持し、漸進的に利下げを行うとの見方が浮上。12月19日の次回会合でも利下げ幅は25bp(0.25%ポイント)にとどまるとの見通しが強まった。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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メキシコペソ 円見通し 中銀はトランプ政策を警戒利下げはゆっくり慎重に進める姿勢
MSCIエマージング・マーケット・インデックスは年初来で約7%上昇しており、上昇率はS&P500種指数の2倍以上に達している。MSCIチャイナ・インデックスは大統領選以降、約4%上昇している。通貨では、ブラジルレアルが大統領選前の水準を上回り、トランプ氏の発言に特に敏感に反応するメキシコペソでさえ、ここ数週間、上昇している。
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