シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート2週連続で大幅に減少
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショート大幅に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート2週連続で大幅に減少】
11月26日時点で円のポジションは、ドルに対して約2.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットショートは前週から約2.4万枚減少。
期間中のドル/円相場は156円手前まで上昇するも、その後は売りが優勢となり152円台まで下落する場面も見られた。
トランプ次期米大統領の関税政策が世界的な貿易摩擦につながるとの懸念が強まった。また、日銀が12月の金融政策決定会合で追加利上げに動くとの思惑が広がったため、投機筋は円先安観の修正に動いたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショート大幅に増加】
11月26日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約5.6万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートが大幅に積み増されたことで、ネットショートは前週から約1.3万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の弱い経済指標やウクライナ情勢悪化への警戒から、一時約2年ぶりとなる1.033ドル台へと下落。
欧州中銀(ECB)の12月会合での追加利下げが50bp(0.50%ポイント)になるとの見方も浮上したことで、投機筋はユーロ先安観を強めたようだ。
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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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大口投資家の動向は ドル円 円ネットショート2週連続で大幅に減少
売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約10.3%減り、売り建玉(円ショート)も前週比約9.9%減りました。売り、買いともに縮小していますが、枚数では円売り建玉が円買い建玉の約3.6倍も減っています。ドル円が一時110円台後半まで円高が進んだことで、円ショートポジションの解消が出たと思われます。
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