総括
FX「リセッション入り。今夜のCPIは利下げへの重要指標」トルコリラ見通し
(通貨11位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.0-4.5
*リラ円は年初来9.24%安。株価は世界最強
*3Qで経済はリセッション入り
*今夜は注目のCPI、利下げに繋がるか
*政策金利決定は12月26日
*隣国シリアの紛争激化はリスク
*11月製造業PMIは改善
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
*4か月連続経常黒字、源泉はインバウンド
*リラ円は11か月以上、4円台で推移
*トルコ長期ソブリン格付けを「BB-」に引き上げ
*リラの持続的急騰はないだろう 急騰時にはリラ売り介入あり
*IMFの2024年成長見通しは3.0%
*BRICS加盟に意欲、中国との経済関係を強めている
*エネルギー自給を目指している
(リラ円は年初来9.24%安。株価は世界最強)
11月のトルコ・リラは月間4位で終わる。年間では対円9.24%安。「トランプ関税発言」の影響を受け弱含み。
10年国債利回りは29.6%で30%を割り込んでいる。イスタンブール100株価指数は上昇し年初来29.60%高で現在は世界最強。
(リセッションへ)
3Q・GDPは前期比では0.2%減で2期連続のマイナス成長、リセッション入りとなった。前年比では2.1%増で予想を下回った。高金利が重しとなりサービス部門で需要が減少した。
リセッションとなったことで中銀への利下げ圧力は強まるだろう。今夜のCPI発表がより注目される。
(今夜はCPI発表)
今夜は11月消費者物価(CPI)が発表される。中銀は常々、CPIが前月比で低下する傾向が明らかになるまで利下げはしないとしている。
予想は前月比1.91%の上昇、前月は2.88%の上昇だ。前年比では予想が46.6%上昇、前月は48.58%上昇。政策金利決定は12月26日。
(11月製造業PMIは改善)
11月製造業PMIは48.3、前月の45.8より改善した。
トルコの製造業は11月に回復の兆しを見せた。11月に見られた改善には、インフレ環境の弱まりが影響した可能性が高い。過去5年間で最も緩やかな生産価格の上昇が、一部の顧客の新規注文を促した。こうしたインフレ傾向は、今後数カ月間も継続し、需要をさらに刺激することを期待する。
「中銀の目標は政策金利を21%へ引き下げること」
カラハン中銀総裁は、2025年末までに政策金利を21%に引き下げることを目標としていると述べた。インフレの基調的傾向に関する予測は予想よりは遅いものの改善していると述べた。
「デフレーションプロセスが継続し、それに続いて物価安定が確立されれば、予測可能性は高まるだろう」と述べた。中銀は年末までにインフレ率が44%になると予想している。
「コア商品のインフレ率が低いことに加え、改善の兆しがより顕著になっているサービス部門のインフレ率もこの動向に影響している」と付け加えた。
総裁は、デフレーションの継続を確実にする形で金融引き締め政策の姿勢を維持すると強調しつつ、インフレの基調的傾向の減速が続いており、インフレの基調的傾向を注意深く監視しているとした。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
3σ下限へ急落、雲の下に落ちるか
日足、ボリバン中位越えきれず、3σ下限まで下落。9月30日-12月2日の上昇ラインがサポート。雲の下に落ちるか。11月29日-12月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。11か月4円絡みが続く。
週足、先週は9週ぶり陰線。再びボリバン下位へ下落。9月16日週-30日週の上昇ラインがサポート。11月18日週-25日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、2σ下位で推移。8月の月足の長い下ヒゲ効果が薄れてきた。11月は陰転。8月-10月の上昇ラインを下抜く。7月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、9年連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。再び円との熾烈な最下位争いをしていたが7月の大規模円買い介入もあり円に抜かれた。
メルハバ
隣国シリア紛争が激化
エルドアン大統領は、ここ数日の隣国シリアの紛争激化を非常に懸念していると述べた。トルコの外務大臣と国家情報機関のトップは関係国の担当者と緊密に連絡をとっている。シリア紛争に関する大統領の立場と基本的な優先事項は一貫しており、明確であると強調した。大統領はまた、シリアの領土保全と国家統一への支持を繰り返した。「我々の最大の願いは、シリアが領土保全と国家統一を維持し、シリア国民の正当な要求に沿った合意を通じて紛争を終わらせることである」とし、トルコはリアルタイムの追跡と分析を行っていると述べた。シリア情勢の進展を監視し、現状に悪影響を与える可能性のある行動を防止するために必要な措置を講じるとした。
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FX リセッション入り 今夜のCPIは利下げへの重要指標
また、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の経済データの悪化、すなわちリセッション(景気後退)リスクの高まりとインフレ鈍化を受けて、来年の利下げの必要性を強調している。市場では、春頃に利下げが開始され、年内6回、160bpの利下げが織り込まれている。
米利下げのための最重要データ発表!今夜のCPI、何を見ればいい?
-リセッション懸念に要警戒- 本日のイベントは、中財新製造業PMI、香港GDP、独小売売上高、欧失業率、米ISM製造業景況指数が予定されているほか、オーストラリア・カナダ・スイスが祝日休場となります。特に注目すべきは、米ISM製造業景況指数です。 先月28日に発表された米四半期GDP(4-6月期)では前期比-0.9%と2期連続のマイナス成長となったことで、リセッション懸念が強まりつつあります。全米経済研究所(NBER)の発表を確認すると、まだリセッションを宣言していないものの、今後米国株式が大きく売られるなどの兆しが見えるか否かを注視していく局面であり、今後マーケットでリセッション入りとして受け止められた場合は、リスク回避の動きが加速すると想定されます。 このような状況の中、本日のISM製造業景況指数のコンセンサスは52.0で、前回からはやや低下の予想です。仮に景況悪化の節目となる50を割り込んだ場合は、過熱するリセッション懸念も相まって、ドル売り圧力が強まると想定されます。また、足元のドル円は先月27日のFOMC後からポジション調整が進み、ドル売り・円買いの地合いとなる中で、この流れが一段強まり継続する展開は考慮しておきたいです。対して、予想を上回る結果となった場合はドル買いのサポート要因となるほか、ドル円については、市場のリスクセンチメントの改善や押し目買いを誘発するポジティブなシナリオも想定されるため、両シナリオを念頭に指標結果を注視して取引に挑みたいです。
弊社は、米国経済について、リセッションのリスクは高まっているものの、リセッション入りはメインシナリオではなく、米国株も年末にかけて、持ち直しを予想しています。この先は、雇用統計やCPIの動向を踏まえ、7月のFOMC(26日、27日開催)や、8月のジャクソンホール会議(25日から27日開催)、9月のFOMC(20日、21日開催)などで、政策に関する手掛かりを探りつつ、リセッションの回避を見極めることになります。
次に、消費者物価指数(CPI)では、特にガソリン、自動車(新車・中古車)、家賃(賃貸・持ち家の帰属)、公共輸送の4項目の価格動向が注目されます。仮に、原油価格やガソリン価格の低下傾向が続き、半導体不足が解消され、住宅価格が低下し、リベンジ旅行の需要が一服すれば、これら4項目の価格の伸びが鈍化し、CPIの伸びも鈍化が予想されます。この場合、大幅利上げの必要性が低下するため、リセッション懸念の払拭につながります。
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