ダイハツは国内外で販売中の全車種の出荷を停止した
ダイハツ工業が車の衝突試験で不正をしていた問題で、同社は20日、不正の対象がこれまでの6車種から64車種(開発中・生産終了も含む)に拡大したと発表した。ダイハツは国内外で販売中の全車種の出荷を停止した。国土交通省は21日に大阪府池田市のダイハツ本社に立ち入り検査し、道路運送車両法に基づく行政処分を検討する。
ダイハツ工業が国土交通省にリコールを届け出た軽自動車の「キャスト」と「ピクシスジョイ」(トヨタ自動車の製品)。衝突時に全てのドアが施錠され、乗員の救出に時間がかかる恐れがある。この不具合を生む原因は「ばらつき」にあった(図1)。
対象は、2車種の全生産台数。すなわち、2015年8月31日から2023年6月9日までに造った合計32万2740台がリコール対象車となる。このリコールによる業績への影響やレピュテーションリスク(評判を損ねる恐れ)に関しては「真摯に対応することで顧客に安心を感じてもらうようにしたい」とダイハツ工業は説明。リコール対策の費用については「回答できない。交換部品の準備を含めてできる限り早く対応したい」(同社)と説明するにとどめた。
ダイハツ、「タント」に後付けできるペダル踏み間違い時の急発進抑制安全装置「つくつく防止」
ダイハツ工業は5日、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」など19万台超をリコールすると発表しました。フロントサスペンションの不具合があったということで、最悪の場合、タイヤがパンクし走行不能になるおそれがあるということです。
トヨタの中嶋裕樹副社長とともに東京都内で記者会見したダイハツの奥平総一郎社長は、「認証を軽視しているといわれても仕方がない」と謝罪した。販売済みの車両については、「自分としては、安心して乗っていただければと思っている」と述べた。自身の経営責任については、「足元の問題を第一に対応し、再発防止にある程度の道筋をつける」とした。
リコールの対象になったのは、2020年9月から去年12月までに製造された、▽ダイハツの「Gran Max」 ▽トヨタブランドの「タウンエース」 ▽マツダブランドの「ボンゴ」の3車種で、いずれもトラックタイプの、およそ2万2000台です。国土交通省によりますと、これらの車では車体後部が追突された際にバッテリーの位置がずれるおそれがあり、衝突時の火災発生防止のための国の基準を満たしていないということです。基準への不適合は、型式指定をめぐるダイハツの不正について国土交通省が調査を行うなかで発覚し、6月、会社に対して速やかにリコールを届け出るよう指導していました。これまでに不具合の報告はないということです。ダイハツなどは準備が整い次第、全国の販売店で無料で部品の交換を行うということです。
不正は社内での認証試験で行われていた。出荷の再開には国交省の監査や許可が必要になる。組み立て後の国の車両検査を省略して量産するのに必要な「型式指定」が取り消された場合、販売停止は長期に及ぶ可能性がある。ダイハツは販売済みの車両について、社内の検証で安全性に問題がある事象はなかったとしているが、国の基準を満たしていなければ大規模なリコールに発展する可能性もある。
このリコールは、ダイハツ工業の一連の不正行為について、第三者委員会が安全性能および環境性能が法規を満たしているか否かを確認する中で発覚したもの。側面衝突時における「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が法規に適合していない可能性が判明。同社で改めて技術的な検証を行った結果、法規に適合しないと判断して2024年1月24日にリコールを届け出た。
ダイハツは今年春、国内外の計6車種で不正が見つかったと発表し、外部の弁護士らで作る第三者委員会による調査を進めてきた。第三者委の報告書によると、新たに25の試験項目で174件の不正が判明した。ダイハツが生産して他社ブランドで販売している車両も含まれ、親会社のトヨタ自動車が22車種、SUBARU(スバル)は9車種、マツダは2車種だった。
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