【FX】米雇用統計 FX売買戦略!2025年のドル円はどうなる!?(2024年12月6日(金) 12:00~13:00)
雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2024年12月6日(金) 21:00~23:00)
執筆日時:2024年12月5日 12時05分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
均せば労働市場は減速基調が継続の可能性も、ドル円上値重いか
はじめに-雇用の基調を再確認へ
2024年12月6日(金)、日本時間22時30分に米国で11月分の雇用統計が発表されます。ストライキやハリケーンの影響で雇用情勢が掴みづらくなりましたが、今回のデータはこうしたノイズの影響が薄れるため、雇用情勢の基調的な動向を判断する手掛かりとなるでしょう。結論を言えば、労働市場への過度な警戒心は薄れそうですが、緩やかな減速傾向は残ると見られ、段階的な利下げを後押しするデータになるのではないかと、個人的には考えています。では振り返りからです。
前回のおさらい-米NFPは急減速
・一時的要因との見方も
11月1日に発表された、米国の10月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の11.3万人増を大きく下回る1.2万人増(9月分は25.4万人増から22.3万人増へ下方修正)となりました。また、失業率は9月から横ばいの4.1%だったほか、時間給は前月比で0.4%の伸びと、9月の0.3%(0.4%から修正)から伸びが加速しました。ボーイングのストライキの影響で4万人程度、天候不良で5万人程度、雇用者数が押し下げられたことが影響しました。分野別では、製造業、人材派遣、娯楽・接客の下振れが目立ちました。
図表1.分野別新規雇用者数(千人)※出所:データ米国労働省
指標発表後、米ドル/円は152.70円付近から151.794円まで下落しましたが、4.23%台まで低下していた米長期金利が4.38%台まで反発すると、米ドル/円も153.092円まで上昇幅を広げました。また株式市場は、雇用統計への反応は限定的で、前日に発表されたアップルの好決算に支えられて、ダウ平均株価は前日比288.73ドル高い40345.41ドルで引けました。
図表2.前回発表前後のドル円の動き
米ドル/円 15分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
今回の見どころ-高頻度データはスト前より改善
・コンセンサスは2カ月合わせた数字の可能性も
・時間給は伸び鈍化
米航空大手ボーイングのストライキが10月末に終結し、一時帰休扱いだった労働者が戻ってくるほか、米大統領選挙を控え採用を手控えていた企業が採用活動を通常のペースへ戻した可能性など、今月は前月からのリバウンドが期待出来そうです。また、ハリケーンの影響によるところが大きいとみられる派遣サービス、小売、運輸・倉庫、娯楽・接客の回復も期待されます。特に年末商戦を控えて、こうした分野の採用が増える期待はあります。また、高頻度データである新規失業保険申請件数の4週移動平均はボーイングのスト以前より低下していることも、かなり大きなリバウンドを期待させているようです。
図表3.新規失業保険申請件数の推移
出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成
ストライキ前よりも低下
ただし、予想値を見る上で注意点もあると考えます。それは、10月分にも修正が加わる可能性が高いところです。通常、90%程度あるとされる事業所調査の回答率は、10月は47.4%に留まったため遅れて提出される分も相応に多いはずです。今月のNFPの市場コンセンサスの20.0万人の中には、そうした数も加味されているとするなら、11月分単体ではコンセンサスよりも低めに出る危険はあります。10月・11月合わせて20.0万人とすれば、ひと月当たりのNFPが10万人ですので、これを強いとするのは少しイメージが違ってきます。加えて、大統領選挙を挟んで政府部門はさえない結果になる可能性があるほか、教育・医療も低調だったようです。今月分の数字と先月分の修正値とを普段以上に注視する必要があると、考えています。
コンセンサス20.0万人=11月分単体と捉えるか、
10・11月合わせた数字と捉えるか、
で労働市場へのイメージが異なる
また、時間給については伸びが鈍化すると思われます。これは、ハリケーンの影響で職を失った労働者は低賃金の比率が高いとされるため、これの反動が出て、今回は平均を押し下げるとの見方からです。これらを踏まえると、労働市場が過度に冷え込んでいるとの見方は否定されそうですが、基調は緩和方向を向いていることも完全に否定できず、FRBの段階的な利下げを支持する結果になるのではないかと、考えています。
図表4.Indeed job posting indexの推移
出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成
左-Indeed Job Posting Index、右-変化率 %
図表5.ドル円チャート
米ドル/円 8時間足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
付随データ
図表7.[雇用統計の実績と予想]
年月 | 非農業雇用者数変化(万人) | 失業率(%) | ||
予想値 | 初回結果 | 予想値 | 初回結果 | |
2024年11月 | 20.0 | – | 4.2 | – |
2024年10月 | 10.8 | 1.2 | 4.1 | 4.1 |
2024年09月 | 14.0 | 25.4 | 4.2 | 4.1 |
2024年08月 | 16.0 | 14.2 | 4.2 | 4.2 |
2024年07月 | 17.5 | 11.4 | 4.1 | 4.3 |
2024年06月 | 19.0 | 20.6 | 4.0 | 4.1 |
年月 | 平均時給/前月比(%) | 労働参加率(%) | |
予想値 | 初回結果 | 初回結果 | |
2024年11月 | 0.3 | – | – |
2024年10月 | 0.3 | 0.4 | 62.6 |
2024年09月 | 0.3 | 0.4 | 62.7 |
2024年08月 | 0.3 | 0.4 | 62.7 |
2024年07月 | 0.3 | 0.2 | 62.7 |
2024年06月 | 0.3 | 0.3 | 62.6 |
◇関連の経済データ実績
年月 | ISM製造業雇用指数 | ISM非製造業雇用指数 |
2024年11月 | 48.1 | 51.5 |
2024年10月 | 44.4 | 53.0 |
2024年08月 | 43.9 | 48.1 |
2024年08月 | 46.0 | 50.2 |
2024年07月 | 43.4 | 51.1 |
2024年06月 | 49.3 | 46.1 |
出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー」
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12月6日の米国雇用統計の予想と戦略 均せば労働市場は減速基調が継続の可能性も ドル円上値重いか
図表5。ドル円チャート米ドル/円 8時間足出所:外為どっとコム「ネオチャート」
図表2。前回発表前後のドル円の動き米ドル/円 15分足出所:外為どっとコム「ネオチャート」
指標発表後、米ドル/円は152.70円付近から151.794円まで下落しましたが、4.23%台まで低下していた米長期金利が4.38%台まで反発すると、米ドル/円も153.092円まで上昇幅を広げました。また株式市場は、雇用統計への反応は限定的で、前日に発表されたアップルの好決算に支えられて、ダウ平均株価は前日比288.73ドル高い40345.41ドルで引けました。
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