豪ドル/円 見通し「RBAタカ派維持の公算で上昇期待…トランプ・リスクは重し」注目の高金利通貨 12月8日号

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豪ドル/円 見通し「RBAタカ派維持の公算で上昇期待…トランプ・リスクは重し」注目の高金利通貨 12月8日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2024年12月6日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

豪ドル/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週の豪ドル/円は2カ月半ぶり安値へ下落

 週初2日は、豪10月小売売上高が予想を上回ったことなどから98.01円前後まで上昇しましたが、フランスの政局不安などを背景に反落。3日には韓国で非常戒厳が宣布されたことを嫌気して売りが強まる場面もありました。4日には豪7-9月期国内総生産(GDP)が約4年ぶりの低成長となったことで9月18日以来の安値となる95.91円前後まで下落しました。その後は、米国株の最高値更新などを支えに持ち直す動きも見られましたが、翌5日にかけて97円台に乗せると戻り売りが強まるなど、上値の重さが目立つ展開が続きました。米国のトランプ次期大統領が中国に対して、より厳しい政策を取るのではないかとの不透明感が豪ドルの上値を抑えているようで、6日の15時時点では96円台前半で推移しています。

今週の豪ドル/円の注目ポイントはRBA

 10日(火)に豪中銀(RBA)が政策金利を発表します。政策金利は4.35%に据え置かれることが確実視されています。このため、関心はRBAのタカ派的な政策スタンスに変化があるかどうかに向かうでしょう。7-9月GDPの冴えない結果などを受けて、市場ではRBAが早ければ来年2月にも利下げを開始する可能性があるとの見方が浮上しています。ただし、RBAは複数回の四半期インフレ率鈍化を確認するまでは引き締め姿勢を維持すると表明していることから、少なくとも来年1月末に発表される10-12月期消費者物価指数(CPI)の結果を見るまではタカ派スタンスを変更しないと思われます。したがって、今週10日の声明は利下げに距離を置く姿勢を強調した従来通りのものになる公算が大きいでしょう。今週の豪ドルはRBAのタカ派的な声明によって上昇が期待できる半面、トランプ・リスクがくすぶる中で戻りは限られそうです。なお、12日(木)には豪11月雇用統計の発表も予定されています。

 

今週の豪ドル/円の見通し

予想レンジ
94.500円~98.000円
基調
上値重い

来週の注目ポイント
☆12/10 RBA政策金利
・12/12 豪11月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格

 

豪ドル/円(AUD/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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実質金利が改善されると 豪ドルは買われる可能性が高くなります

それでは以上を踏まえて、豪ドル円相場の来年の戦略についてお話します。 一応来年は、過去の新型コロナウィルスの感染拡大やウクライナの情勢が更に悪化しないとの前提でお話させて頂きます。

2021年の豪ドル円相場は、新型コロナウィルスの感染拡大が続くも、ワクチンが開発されたことでワクチン接種が拡大、コロナ後の経済回復を睨んで、総じて株価が堅調な推移となったことで、リスクオンの堅調な展開で終了しようとしています。 年初は、豪州ではロックダウン、日本でも緊急事態宣言の発令が続いたことなどから、リスクオフ気味の展開からスタートしましたが、豪ドル円相場は、77.90円を安値に反転地合いとなり、バイデン大統領の大規模なインフラ投資計画の発表もあって、米長期金利が急騰したことでドル円相場が110.97円まで一時反発、対NZドルでの買いも追い風となり、豪ドル円も85.46円まで上昇しました。ただ、長らく進んでいた円高で、機関投資家などからのやれやれの利食いも出易い位置となったようです。これもその後NYダウが、史上初の3万5千ドル台に上昇、豪ドル円も85.81円まで高値を更新しました。 しかしながら6月のFOMCでパウエルFRB議長が、「テーパリングの協議を開始する」と発言したことがサプライズとなり、早期の金融引き締めの懸念で株価が急落し、また、豪州中銀が債券プログラムの延長を決定したことで、豪州産ワインに中国が追加関税をかけました。このことを豪州がWTIに提訴したことで、中国との関係悪化に対する懸念が生じました。更に中国が「共同富裕」政策を打ち出したことが、中国経済に悪影響になるとの見方が重なり、豪ドル円はじり安を辿り、一時77.90円まで売りに押されました。丁度この時日本の感染者数が、急拡大したこともあって、ドル円が108.72円まで調整したことも豪ドル円の上値を抑えたようです。 9月に入ると自民党総裁選を睨んで、菅総理が突然退陣表明したことがサプライズとなり新政権に対する期待感から日経平均が31年ぶりの高値をつけました。これを受けて、ドル円もリスクオンの動きを強め、豪ドル円も86.26円の年間の高値をつけました。一方で米国のインフレ率の強い上昇で、11月のFOMCでテーパリングが本格的にスタートし、来年3回の利上げを織り込む形で、豪ドルの対ドル相場が0.6994ドルまで下落を強めました。このことから、豪ドル円も78.79円まで再調整となりましたが、南アフリカで発見されたオミクロン株の拡大懸念の中でも、株価が比較的堅調な推移となったことが、豪ドル円の下値を支えています。

2022年の相場環境を踏まえて、2023年の豪ドル円相場の注目点をまとめてみました。

2028年12月の豪ドル円見通し。当月始値 105.92、最低 105.00、当月最高 108.20。平均 106.43。月末 106.60。変更 0.6%。

次に戦略の前提としては、・2022年は、FOMCの金融正常を睨んで、ドルの堅調、円の軟調を前提とします。・その場合、豪ドル円に対しては、単純に中立ですが、一方でペースは鈍いとしても、豪州も金融性正常化に向かうことが想定されますので、豪ドル円でも押し目買いが有効となると見ています。・ただ、現状の豪ドル円の月足のスロー・ストキャスティクスが、デッドクロスとなっていることで早期は調整気味な展開となりそうです。またリバースH&Sの形からは、下限を目指す動きも想定されること、あくまで十分押し目を待って買いを狙う形が良いでしょう。

それでは最後に豪ドル円の長期の月足チャートです。 豪ドル円相場は、以前から指摘していましたが、「C」をトップとして「B」と「D」をショルダーとした超長期のH&Sを形成していましたが、これが「E」の59.91の下ヒゲで、アームを形成してこのH&Sを完成。その後反発が、過去の「BD」のネック・ラインを越えて反発しましたが、現状は「F」でトピッシュな形となっています。

2026年6月の豪ドル円見通し。当月始値 95.36、最低 93.39、当月最高 96.23。平均 94.95。月末 94.81。変更 -0.6%。

2027年7月の豪ドル円予想。当月始値 96.28、最低 96.28、当月最高 100.61。平均 98.07。月末 99.12。変更 2.9%。

先週の豪ドル/円は週足では長大線を形成し、大幅続落となった。一気に5月の安値を下回り、トレンドの転換を示した。豪ドル/円に限っては、円キャリートレードの完全崩壊と言える。

次に豪ドル円を構成するドル円相場を見てみましょうドル円相場は、1990年の160.35の高値から、2011年10月の75.31まで下落後、2022年10月には、160.35の高値と、147.66や125.86の高値を結んだレジスタンスを越えて、151.95まで急反発しました。

2027年6月の豪ドル円見通し。当月始値 96.92、最低 94.84、当月最高 97.72。平均 96.44。月末 96.28。変更 -0.7%。

実質金利が改善されると、豪ドルは買われる可能性が高くなります。

12月9日(月曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 94.95、 最高 96.37、最低 93.53。 12月10日(火曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 94.96、 最高 96.38、最低 93.54。 12月11日(水曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 94.76、 最高 96.18、最低 93.34。 12月12日(木曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 94.92、 最高 96.34、最低 93.50。 12月13日(金曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 94.34、 最高 95.76、最低 92.92。

2027年8月の豪ドル円見通し。当月始値 99.12、最低 96.86、当月最高 99.82。平均 98.54。月末 98.34。変更 -0.8%。

2027年2月の豪ドル円見通し。当月始値 96.24、最低 93.39、当月最高 96.24。平均 95.17。月末 94.81。変更 -1.5%。

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