ドル円午前の為替予想、米雇用統計で追加利下げ観測高まるも… 2024/12/9

ドル円午前の為替予想、米雇用統計で追加利下げ観測高まるも… 2024/12/9

午前の為替予想は… 米雇用統計で追加利下げ観測高まるも… 

作成日時 :2024年12月9日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉

ドル円予想レンジ

149.300-150.700円

前日の振り返りとドル円予想

6日のドル/円は終値ベースでほぼ横ばい。米11月雇用統計は労働参加率や失業率が悪化。米労働需給の緩みを受けて12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が高まり一時149.36円前後まで下落した。その後、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げを慎重に進める考えをしめしたことなどを支えに、150円台まで買い戻され、150.05円前後で取引を終えた。
Fedウォッチによる米金利先物が示す12月の利下げ確率は85.1%まで上昇してきている。本日は主要な米経済指標やFRB高官の発言予定はない。11日には米11月消費者物価指数の発表が控えており、追加利下げへの最終判断を下すうえで注目が集まっている。結果を見極めたいとの思惑から149円台後半から150円台前半を中心としたレンジで方向感を模索する動きとなりそうだ。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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ドル円午前の為替予想 米雇用統計で追加利下げ観測高まるも 2024

29日のアジア市場では、朝方に1ドル160円を付けた後、ドル円レートは1ドル159円台前半で推移していたが、13時台に入って一転して円高に振れ、1ドル155円近くまで円が買い戻された。その後29日の海外市場では、ドル円レートは1ドル154円台と156円台の間で大きく変動する不安定な動きが続いた。

●円の対豪ドルレートは、下落しました。豪州中央銀行の利下げが先になるとの見方から、豪ドルは堅調な動きとなりました。

4月26日に開かれた日本銀行の金融政策決定会合の後に、為替市場では円安が一段と進んだ。会合前には1ドル155円台前半で推移していたドル円レートは、決定会合で政策変更が見送られたことに加え、会合後の記者会見での植田総裁の発言から、日本銀行は円安に対する警戒心が弱いとの見方につながり、1ドル156円台まで円安が進んだ。

2022年に、政府は米国が難色を示す中でも為替介入を実施したとみられることを踏まえると、今回、イエレン財務長官が日本の為替介入をけん制する姿勢を見せるなかでも、介入に踏み切る可能性はなお十分に考えられる。政府は、円安阻止に向けた対応をしていることを企業や国民にアピールすることが政治的には求められており、その観点からも、いずれ為替介入に踏み切る可能性は引き続き高いだろう。

今夏の日米株安局面でドル円(USD/JPY)は円高へ振れた(下のチャートを参照)。下で述べるとおり、植田日銀が追加の利上げを虎視眈々と狙っている状況も考えるならば、ハリス増税でアメリカの株式市場が崩れる場合は、米ドル安と円高が同時に発生するシナリオを用意しておきたい。

円安の流れは海外市場でも続き、米国市場の終盤には、1ドル158円台まで円安が進行した。24時間のうちに約3円もの急速な円安となった。1ドル160円台乗せも時間の問題となってきた。

円安を加速させる特定の材料があった訳ではないが、日本が休日であるため、政府の為替介入に対する警戒感が薄れていたことが、市場参加者が安心してドル買い円売りを仕掛けることを許した一因と考えられる。さらに、日本が休日のためドル円の取引がかなり薄いことも、市場のボラティリティを低下させ、一気に1ドル160円台まで円安が進んだ背景だろう。

●円の対米ドルレートは、米長期金利が上昇したことなどを受けて大幅に下落しました。米雇用統計が想定外に強く、米長期金利が上昇したことや衆議院選挙で与党が過半数割れとなり、日銀の追加利上げが遅れるとの見方などから、前月末の143円台半ばから152円近辺に下落しました。

マネックスの外国為替トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「トレーダーは、米選挙直後に構築したドルロングのポジションを一部解消する口実を探していた。発表された雇用統計は表面上かなり穏やかな内容だったが、それに対してやや大きな反応があったのはそのためかもしれない」と分析。

よってトランプ氏が大統領選挙で勝利する場合、2025年は「アメリカ大統領選挙の翌年は米ドル高」というパターンとなると筆者は予想している。

●グローバルリート市場(米ドルベース)は、米長期金利が大きく上昇したことが嫌気され、大幅安となりました。S&Pグローバルリート指数のリターンは前月末比▲4.6%となりました。一方、円ベースのリターンは、為替効果がプラスに寄与し、同+1.6%となりました。

円の対米ドルレートは、米長期金利が大幅に上昇したことや日銀の早期利上げ観測の後退もあり、先月末の143円台半ばから152円近辺に下落しました。

RBCブルーイン・ドルフィンの市場分析責任者ジャネット・ムイ氏は「12月利下げの可能性は高い」とした上で、「米国の利下げペースは鈍化し始めるだろう。米金融当局は再評価のために一時停止する」と述べた。

消費者マインド指数は4月以来の高水準となった。米金融当局者が今後の利下げを慎重に進める姿勢を示唆したこともドル上昇につながった。

また、トランプ氏が政策を実現するには議会を通す必要があり、主張する政策がすべて通るかは不透明である。ゆえにトランプ氏勝利による米ドル高は一過性の投機的な動きで終わり、2024年末に向けての外為市場では、米ドル高のさらなる是正(米ドル安優勢)が予想される。

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