本日のNY市場でのドル円は、11月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。市場予想は前月比+0.3%/前年比+2.7%とそれぞれ前月から0.1%ずつ上昇、一方コアは前回から横ばいの前月比+0.3%/前年比+3.3%が見込まれている。
先週末は、11月米雇用統計が予想より強い結果となったものの、市場では来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ観測を後退させるほどではないとの見方が広がり、米長期金利が低下するとともにドル売りで反応した。本日のCPIもよほど強い結果とならない限り、0.25%利下げ観測を後退させるのは容易ではなさそうだ。前回同様、発表を受けた米長期金利の動きを確認しつつ、方向感を探ることになろう。
なおNY時間午後には、米10年債入札が予定されている。入札結果を付けた米長期金利の動向もまた、注意が必要だろう。
他方、カナダではカナダ中銀(BOC)が政策金利を発表予定。一部で利下げ幅が0.25%に留まるのとの見方もあるが、0.50%予想が多い。2会合連続で0.50%の大幅利下げとなるか注目される。直近の主な経済指標は、10月CPIは前年比で伸びが加速した一方、7-9月期国内総生産(GDP)はBOCの予想を下回る弱い結果となるなど、強弱が入り混じる結果に。見方が分かれる中、発表直後は神経質な展開となりそうだ。
BOC声明では今後のインフレや景気、金利への見通しに言及があるか注目したい。BOCは今年に入り既に1.25%の利下げを行っており、前回の理事会直後の10月29日にはマックレム総裁が「年初来で4回実施した利下げの効果が出始めており、今後数カ月で一段の証拠が確認される」との見通しを示した。利下げ効果をについてどのような見解を示すか気になるところだ。
そのほか、欧州市場では日銀観測報道を受けて円相場が神経質に上下する場面が見られた。翌週17-18日の日銀会合に向けて思惑が交錯するなか、引き続き関連報道には注意が必要だろう。
想定レンジ上限
・ドル円はピボット・ターニングポイント153.73円
・カナダドル円は日足一目均衡表・基準線108.66円
想定レンジ下限
・ドル円は日足一目均衡表・雲の上限151.03円。
・カナダドル円は日足一目均衡表・転換線106.97円。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY為替見通しドル円 11月米CPIに注目
9日22:12 ラムスデン英中銀(BOE)副総裁 「今年の比較的落ち着いた市場状況は、将来的にはリスクテイクが拡大する可能性」 「見通しに関する不確実性が高まっていることを踏まえると、引き続き警戒する必要がある」 「英金融市場のリスクを監視および評価し、適切な場合にはバランスシートを活用する必要」
11月のCPIは、コア指数が前月比で「0.3%」の上昇。仮に予想通りであれば、4カ月連続で同じ伸びとなります。また前年比では「3.3%」の上昇が見込まれており、こちらも同率であれば3カ月連続ということになります。FOMCメンバーの発言からすれば、足元で注目されるのは労働市場からインフレ率に移った印象があります。来週のFOMC会合では25bpの利下げが有力ですが、CPIの結果によっては、その先2025年のドットチャート見通しにも影響を与えそうです。
今晩は12月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米11月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。12月FOMCでは追加利下げ観測が高まっており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは86%の確率で0.25%の利下げが予想されている。FOMCの判断に影響を与えるとみられる11月CPIの市場予想は、前月比+0.3%、前年比+2.7%、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.3%と、おおむね10月分から横ばいが見込まれている。CPIが予想以上の伸びとなり、インフレの根強さを示す結果となれば、12月利下げ期待の後退が相場の重しとなることが警戒される。
また、CPIの結果次第では、アメリカの利下げ観測が影響を受ける可能性がある。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に開いた会見で、「インフレ率は我々の目標(2%)に近付きつつある」と言及した。金利先物の値動きから米政策金利の市場予想を算出する「Fedウオッチ」によれば、12月のFOMCで25ベーシスポイント(0.25%)の利下げが行われるとの予想が多数派だが、金利据え置き予想も一定数存在する。利下げの有無について予想が割れており、今回のCPI次第では市場の見通しが変化する可能性がある。
アメリカの利下げ観測の行方が今後の注目ポイントだ。CPIがインフレ鈍化を確認する内容となれば、利下げ継続の見通しが強まり、株式相場にはポジティブとの見方がある。
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